HubSpot - AI Studio|HubSpotと生成AIの技術特化メディア

経営指標の一覧と見方|ROE・ROA・ROIC等の主要指標を体系的に解説

作成者: 今枝 拓海|2026/03/04 16:13:34

title: "経営指標の一覧と見方|ROE・ROA・ROIC等の主要指標を体系的に解説"

slug: "hubspot-ai/kpi-dashboard/keiei-shihyo-ichiran-mikata"

metaDescription: "主要な経営指標(ROE、ROA、ROIC、営業利益率等)の意味と見方を体系的に解説。収益性・効率性・安全性・成長性の4つの視点から、経営者が押さえるべき指標の読み方を紹介します。"

featuredImage: "https://www.start-link.jp/hubfs/blog-featured-images/management.webp"

blogAuthorId: "166212808307"

contentGroupId: "166203508570"

keywords: ["経営指標", "一覧", "見方", "ROE", "ROA", "ROIC"]

category: "AV_kpi-dashboard"

経営者や管理者にとって、財務諸表から導かれる経営指標は経営の「健康診断書」です。しかし、指標の種類は多く、「どの指標を見るべきか」「どう読めばよいか」がわからないという声は多いです。

本記事では、主要な経営指標を収益性・効率性・安全性・成長性の4つのカテゴリに整理し、それぞれの意味・計算式・判断基準を体系的に解説します。

収益性の指標

企業が「どれだけ効率的に利益を生んでいるか」を測る指標群です。

売上総利益率(粗利率)

粗利率 = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
業種 目安
製造業 20〜35%
小売業 25〜40%
SaaS 65〜80%
コンサルティング 50〜70%

粗利率は事業モデルの根本的な収益構造を反映します。粗利率が低下トレンドにある場合、価格競争の激化や原価上昇が疑われます。

営業利益率

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

本業の稼ぐ力を示す指標です。一般的に10%以上が健全、5%以下は要改善とされます。

ROE(自己資本利益率)

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

株主が出資した資本に対して、どれだけの利益を生んでいるかを示します。東京証券取引所はROE 8%以上を上場企業に期待しています(2023年の「資本コストと株価を意識した経営」要請)。

デュポン分析によるROEの分解:

ROE = 利益率 × 資産回転率 × 財務レバレッジ
    = (純利益/売上) × (売上/総資産) × (総資産/自己資本)

ROEが低い場合、3つの要素のどこに原因があるかを特定できます。

ROA(総資産利益率)

ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

企業の総資産がどれだけ効率的に利益を生んでいるかを示します。5%以上が一般的な目安です。

ROIC(投下資本利益率)

ROIC = NOPAT(税引後営業利益) ÷ 投下資本 × 100
投下資本 = 有利子負債 + 自己資本

ROICはWACC(加重平均資本コスト)と比較して使います。ROIC > WACCであれば、企業は資本コストを上回る価値を創造しています。オムロンやエーザイは、事業別ROICを経営管理に活用していることで知られています。

効率性の指標

経営資源をどれだけ効率的に活用しているかを測る指標群です。

総資産回転率

総資産回転率 = 売上高 ÷ 総資産

1.0以上が目安。資産を効率的に売上に変換しているかを示します。

売上債権回転日数(DSO)

DSO = 売掛金 ÷ (売上高 ÷ 365)

売上を計上してから入金されるまでの平均日数です。DSOが短いほど資金効率が良い状態です。業界平均は45〜60日です。

在庫回転率

在庫回転率 = 売上原価 ÷ 平均在庫

在庫が年間何回転するかを示します。回転率が高いほど在庫管理が効率的です。

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)

CCC = DSO + DIO(在庫回転日数) - DPO(買掛金回転日数)

現金が商品仕入→在庫→販売→回収を経て手元に戻るまでの日数です。CCCが短いほど資金効率が良い状態です。Amazonは買掛金支払い条件の交渉によりCCCをマイナス(現金が先に入る)にしていることで有名です。

安全性の指標

企業の財務健全性と支払い能力を測る指標群です。

指標 計算式 目安
流動比率 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 200%以上が理想
当座比率 当座資産 ÷ 流動負債 × 100 100%以上
自己資本比率 自己資本 ÷ 総資産 × 100 40%以上が健全
有利子負債比率 有利子負債 ÷ 自己資本 × 100 100%以下
インタレスト・カバレッジ・レシオ 営業利益 ÷ 支払利息 3倍以上

成長性の指標

指標 計算式 見方
売上高成長率 (当期売上 - 前期売上) ÷ 前期売上 × 100 業界平均と比較
営業利益成長率 (当期営利 - 前期営利) ÷ 前期営利 × 100 売上成長率との比較
EPS成長率 (当期EPS - 前期EPS) ÷ 前期EPS × 100 株主価値の成長
CAGR (最終年度値/初年度値)^(1/年数) - 1 中長期の平均成長率

経営指標を活用する際の注意点

注意点1:単独の指標で判断しない

ROEだけ見ると、財務レバレッジを高めることで数字を改善できてしまいます。複数の指標を組み合わせて、多角的に判断することが重要です。

注意点2:業界平均との比較が必須

同じ営業利益率5%でも、小売業では優秀、SaaSでは要改善です。必ず同業他社や業界平均と比較しましょう。

注意点3:トレンドを重視する

ある時点の数字よりも、3年間の推移(トレンド)の方が重要です。改善傾向にあるのか、悪化傾向にあるのかを見極めましょう。

CRMデータと経営指標の接続

経営指標の多くは財務データから算出されますが、営業効率やマーケティングROIなど、CRM起点の指標も経営管理には不可欠です。

HubSpotのレポートで追跡できる営業効率指標:

  • 営業一人あたり売上高(営業生産性)
  • CAC(顧客獲得コスト)
  • LTV/CAC比率(投資効率)
  • パイプライン速度(商談の進行速度)

経営ダッシュボードの作り方で述べたダッシュボードに、これらの指標と財務指標を並べて表示すれば、経営の全体像を一画面で把握できます。経営管理指標・KPIの設計方法と合わせて、自社の経営指標体系を設計しましょう。