「HubSpotと社内の業務ツールを連携させたいが、どのiPaaSを選べばよいかわからない」「Zapier、Make、Yoomなど選択肢が多すぎて比較が難しい」——こうした悩みを抱えるIT担当者や業務改善担当者は多いのではないでしょうか。
iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、複数のクラウドサービスをノーコード/ローコードで接続し、データの同期や業務フローの自動化を実現するプラットフォームです。HubSpotと外部ツールを連携させる際の「接着剤」として機能し、エンジニアリングリソースなしで業務自動化を構築できます。
本記事では、HubSpot連携に対応する主要iPaaSを比較し、自社に最適なプラットフォームを選ぶための判断基準を解説します。
iPaaSは、異なるクラウドサービス間のデータ連携を実現するためのクラウドプラットフォームです。従来はシステム間連携にエンジニアによるAPI開発が必要でしたが、iPaaSを使えばGUI上の操作だけで連携フローを構築できます。
HubSpotにはApp Marketplaceに1,700以上の連携アプリがありますが、以下のケースではiPaaSが必要になります。
「HubSpotと直でNotionとかってつなげられないんですけど、Yoomを使うことで連携が結構円滑にできたりする」——当社でもiPaaSを活用してHubSpotと周辺ツールの連携を実現しています。
| 比較項目 | Zapier | Make | Yoom | Workato | n8n |
|---|---|---|---|---|---|
| 対応アプリ数 | 7,000+ | 1,800+ | 200+ | 1,200+ | 400+ |
| 日本語UI | 非対応 | 一部対応 | 完全対応 | 非対応 | 非対応 |
| 国内SaaS対応 | 少ない | 一部 | 豊富 | 少ない | 少ない |
| HubSpot連携 | 公式対応 | 公式対応 | 対応 | 公式対応 | 対応 |
| 無料プラン | あり(100タスク/月) | あり(1,000ops/月) | あり(制限あり) | なし | セルフホスト版あり |
| 月額料金 | $19.99〜 | $9〜 | 10,780円〜 | 要問い合わせ | $20〜 |
| 分岐・ループ | 基本的 | 高度 | 基本的 | 高度 | 高度 |
| エラーハンドリング | 基本的 | 高度 | 基本的 | 高度 | 高度 |
| 学習コスト | 低い | 中程度 | 低い | 高い | 中〜高 |
| 向いている規模 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中小 | 中堅〜大企業 | 技術者がいる企業 |
特徴: 世界最大級のiPaaSで、7,000以上のアプリと連携可能。直感的な操作性と豊富なテンプレートにより、非エンジニアでも短時間で自動化フローを構築できます。HubSpotとの公式連携も充実しています。
メリット:
デメリット:
特徴: ビジュアルフローエディタが特徴のiPaaS。複雑な条件分岐やループ処理、エラーハンドリングを視覚的に構築できます。Zapierと比較して、より技術的に高度な自動化が可能です。
メリット:
デメリット:
特徴: 日本発のiPaaSで、国内SaaSとの連携に圧倒的な強みがあります。Chatwork、kintone、freee、クラウドサイン、board等、日本企業が日常的に使うツールとの連携テンプレートが充実しています。
メリット:
デメリット:
特徴: エンタープライズ向けのiPaaSで、大規模なデータ連携や高度なセキュリティ要件に対応。SOC2、HIPAA準拠でエンタープライズグレードのガバナンスを提供します。
メリット:
デメリット:
特徴: オープンソースのiPaaSで、セルフホスト版は無料で利用可能。技術者にとってはカスタマイズ性が高く、独自のノード(連携モジュール)を開発することも可能です。
メリット:
デメリット:
最も重要な判断基準は、「HubSpotと連携したいツールがどこの国のサービスか」です。
月間の自動化処理件数が少ない場合は無料プランから始められます。処理件数が月200〜300件を超えてきたら、上位プランへの移行を検討しましょう。
いきなり全社展開するのではなく、1つの部門・1つのフローから始めることをおすすめします。「まず自社で活用できそうなものから優先順位をつけてトライいただければなと思っています」。
iPaaSを導入する前に、HubSpot App Marketplaceに標準連携アプリがないか確認しましょう。標準連携で対応できるなら、iPaaSは不要です。
iPaaSのフロー管理(エラー対応、メンテナンス、新フロー追加)を担当する人を明確にしておきましょう。「作ったけど誰もメンテナンスしていない」状態は、業務混乱の原因になります。
iPaaSの選定は「自社の連携先ツール構成」「フローの複雑さ」「社内の技術リソース」「予算」の4つの軸で判断するのが基本です。迷った場合は、まず無料プランで試してみて、実際の使い勝手を確認してから本格導入を判断しましょう。
HubSpotをCRMの中核に据え、iPaaSで周辺ツールを連携させることで、データの一元管理と業務自動化を同時に実現できます。段階的に連携フローを拡張し、CRMのデータ資産を最大限に活用していきましょう。
問題ありません。実際に、国内SaaS連携にはYoom、グローバルSaaS連携にはZapierやMakeを併用している企業は多くあります。ただし、管理が煩雑にならないよう、メインのiPaaSを1つ決めておくのがおすすめです。
HubSpot内で完結する処理はワークフローで対応し、外部ツールとのデータ連携が必要な場合にiPaaSを使うのが基本です。ワークフローはHubSpotの標準機能なので、追加コストなく利用でき、動作も安定しています。
アカウント作成から最初の自動化フローの稼働まで、シンプルなフローであれば1〜2日で完了できます。ただし、複雑な連携フローの設計・テスト・本番移行を含めると、2〜4週間程度を見込んでおくとよいでしょう。
主要なiPaaS(Zapier、Make、Workato)はSOC2認証を取得しており、エンタープライズレベルのセキュリティを提供しています。ただし、自社のセキュリティポリシーとの適合性は事前に確認が必要です。
iPaaSのフローが途中で失敗した場合、データの不整合が発生する可能性はあります。重要なフローにはエラーハンドリングとリトライ処理を設定し、エラー通知を必ず受け取れるようにしておきましょう。