「自社サイトのデザインが古くなり、リニューアルを検討している」「WordPressからHubSpot CMSへ移行したいが、SEOの評価を落としたくない」——Webサイトリニューアルは、BtoB企業にとってマーケティング基盤を刷新する大きなプロジェクトです。
HubSpotのContent Hub(旧CMS Hub)は、CRM・マーケティングオートメーションと一体化したSaaS型CMSです。リニューアルの際にHubSpot CMSを選択する最大のメリットは、Webサイトの訪問者データがCRMに自動的に蓄積され、マーケティング・営業活動に直接活用できる点にあります。
本記事では、HubSpot CMSへのWebサイトリニューアルを計画・実行するために必要な手順を、移行元のCMS別のポイントやSEO引き継ぎの注意点を含めて解説します。
すべてのWebサイトリニューアルでHubSpot CMSが最適とは限りません。以下の条件に複数当てはまる場合に、HubSpot CMSでのリニューアルが効果的です。
| リニューアル規模 | ページ数の目安 | 期間の目安 | 主な作業 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 〜20ページ | 2〜4週間 | テーマ適用、コンテンツ移行、基本設定 |
| 中規模 | 20〜100ページ | 1〜2ヶ月 | テーマカスタマイズ、ブログ移行、リダイレクト設定 |
| 大規模 | 100ページ以上 | 2〜4ヶ月 | カスタムテーマ開発、段階的移行、SEO監視 |
リニューアルの目的とゴールを明確にし、現行サイトの棚卸しを行います。
現行サイトの棚卸し項目
HubSpotのテーママーケットプレイスからテーマを選定するか、カスタムテーマを開発するかを決定します。
テーマ選定のポイント
現行サイトのコンテンツをHubSpot CMSに移行します。移行方法は現行CMSによって異なります。
WordPressからの移行
WordPressからの移行は、HubSpotが提供するブログインポートツールを利用できます。ブログ記事、画像、カテゴリ(タグ)、著者情報を一括でインポートできます。固定ページについては、HubSpotのページエディタで再作成するか、HTML・CSSをコピーして移植する方法があります。
静的HTML・他CMSからの移行
静的HTMLサイトや、Wix・Squarespace等の他CMSからの移行は、基本的にコンテンツの手動コピーが中心になります。ページ数が多い場合は、HubSpot CMSのAPIを活用したスクリプトによる一括移行も検討してください。
SEOの評価を維持するために、以下の設定を行います。
本番公開前に以下のテストを実施します。
HubSpotのテーマ設定画面から、以下の要素をコードなしでカスタマイズできます。
より高度なカスタマイズが必要な場合は、HubSpotのデザインマネージャーやCLI(コマンドラインツール)を使って、HTML・CSS・HubL(HubSpotのテンプレート言語)を直接編集できます。
Webサイトリニューアルで最も注意すべきは、既存のSEO評価を失わないことです。URL構造が変わるページには必ず301リダイレクトを設定します。
| 旧URL | 新URL | リダイレクト |
|---|---|---|
/products/product-a | /solutions/product-a | 301リダイレクト必須 |
/blog/2024/01/article-title | /blog/article-title | 301リダイレクト必須 |
/about-us | /about | 301リダイレクト必須 |
/contact | /contact(変更なし) | 不要 |
HubSpotの「設定」→「コンテンツ」→「URLリダイレクト」から、旧URLと新URLのマッピングを登録します。CSVファイルによる一括インポートにも対応しているため、ページ数が多い場合も効率的に設定できます。
公開後は、Google Search Consoleでクロールエラー(404エラー)が発生していないかを定期的に確認します。リダイレクト漏れがあった場合は速やかに追加設定を行います。
リニューアル後1〜3ヶ月は、以下の指標を注意深くモニタリングします。
リニューアル直後に完璧を求める必要はありません。公開後にデータを蓄積し、A/Bテストやヒートマップ分析を通じて段階的に改善していくアプローチが効果的です。HubSpotのProfessional以上ではA/Bテスト機能が標準搭載されているため、ページの最適化を継続的に行えます。
はい。HubSpot CMSではステージング環境(プレビュー用の非公開環境)で新サイトを構築し、準備が整った段階でDNSの切り替えによって本番公開を行います。現行サイトを停止する必要はありません。
URL構造の変更に伴い、一時的に順位が変動することはあります。301リダイレクトを正しく設定していれば、通常1〜3ヶ月で元の順位に回復します。リダイレクト設定漏れや大幅なコンテンツ削減がある場合は、回復に時間がかかる可能性があります。
プラグインの種類によります。SEO分析、フォーム、チャット、A/Bテストなどの機能はHubSpotに標準搭載されています。EC機能(WooCommerce)や高度なフォーラム機能など、WordPress固有のプラグインに強く依存している場合は、代替手段の検討が必要です。
テーママーケットプレイスの既存テーマを使用する場合は、マーケティング担当者だけでもリニューアルを完了できます。カスタムテーマの開発やAPIを使った移行が必要な場合は、HubSpotの開発に対応できるエンジニアやHubSpot認定パートナーの支援を検討してください。
HubSpot CMSの月額費用(Starter $20〜、Professional $500〜)に加え、テーマの購入費用(無料〜$500程度)がかかります。外部パートナーに依頼する場合は、サイト規模に応じて50万〜300万円程度が相場です。テーママーケットプレイスのテーマを活用し、自社で構築する場合はCMSの月額費用のみで済みます。
HubSpot CMSでのWebサイトリニューアルは、マーケティング基盤の刷新とCRM連携の強化を同時に実現できるプロジェクトです。成功の鍵は、事前のサイト棚卸しとSEOリダイレクト設計にあります。現行サイトの分析から始めて、計画的にリニューアルを進めてください。
カテゴリ: Content Hub | HubSpot