「営業担当者ごとに見積の商品名や単価がバラバラで統一されていない」「新しい料金プランを追加するたびに、全員に共有し直すのが手間」——商品マスタが整備されていないことで、見積作成のたびにムダな確認作業が発生していませんか。
HubSpotのプロダクトライブラリ(商品カタログ)を正しく設計すれば、全営業チームが統一された商品情報と価格表を使って見積を作成でき、見積精度の向上と作成時間の短縮を同時に実現できます。 さらに、Commerce Hubと組み合わせることで、商品カタログから決済リンクの発行、サブスクリプション課金まで一気通貫の仕組みが構築できます。
本記事では、HubSpotのプロダクトライブラリの基本設定から、価格表の設計パターン、バンドル商品の作成方法、そして見積・取引との連携まで、商品マスタ管理の実務ノウハウを解説します。
プロダクトライブラリは、HubSpotのCRM上で商品・サービスの情報を一元管理する機能です。登録した商品情報は、見積の作成、取引への商品追加、決済リンクの生成など、営業プロセスの各ステップで共通のマスタデータとして利用されます。
| 情報カテゴリ | 管理項目 | 備考 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 商品名・SKU・商品説明 | SKUは外部システム連携時に必須 |
| 価格情報 | 単価・通貨・課金タイプ | 一括・月額・年額に対応 |
| 課金設定 | 課金サイクル・トライアル期間 | サブスクリプション商品のみ |
| 分類情報 | フォルダ分類・タグ | 商品数が多い場合の整理に有効 |
| カスタム情報 | カスタムプロパティ | 原価率・利益率・提供開始日など |
プロダクトライブラリ自体はHubSpotの全プラン(無料版含む)で利用可能です。ただし、見積機能やCommerce Hub連携はSales Hub Starter以上が必要になります。
プロダクトライブラリに登録する前に、自社の商品体系を整理します。以下の観点で分類を行います。
商品名の命名規則を統一することで、検索性と見積の一貫性が向上します。
推奨フォーマット: [カテゴリ] 商品名 - プランレベル(課金タイプ)
例:
[コンサル] CRM導入支援 - スタンダード(一括)[ライセンス] HubSpot運用サポート - プロ(月額)[トレーニング] CRM活用研修 - 半日(一括)初期導入費用やプロジェクト型のサービスに適した設定です。
月額・年額で継続課金するSaaS型サービスに適した設定です。
| 設定項目 | 選択肢 | 設計ポイント |
|---|---|---|
| 課金サイクル | 月次 / 四半期 / 年次 | 年次は月次より割引率を設定するのが一般的 |
| 契約期間 | 指定なし / 12ヶ月 / 24ヶ月 | 最低契約期間がある場合に設定 |
| トライアル | なし / 7日 / 14日 / 30日 | トライアル終了後に自動課金 |
| 初期費用 | あり / なし | セットアップ料金として初回に加算 |
複数の商品やサービスをパッケージにして提供する場合の設定です。
バンドル設計の考え方
HubSpotのプロダクトライブラリには「バンドル商品」という専用機能はありませんが、以下の方法でバンドルを実現できます。
BtoBで多い設計例
プロダクトライブラリに登録した商品は、見積作成画面から直接追加できます。
見積に追加された商品の合計金額は、取引(Deal)の金額プロパティに自動反映されます。これにより、営業パイプラインのフォーキャスト精度が向上します。
Salesforceの商品(Product2)と価格表(PricebookEntry)をHubSpotに移行する場合は、以下の点に注意が必要です。
商品カタログは一度作って終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。
商品カタログの編集権限は、管理者またはオペレーション担当者に限定することを推奨します。営業担当者には「閲覧・見積への追加」のみ許可し、勝手な価格変更や商品追加を防止します。
NetSuiteで商品マスタを管理している企業では、HubSpotとNetSuiteのAPI連携により、商品情報の双方向同期を実現しているケースがあります。NetSuiteの公式ドキュメントでは、SuiteCloudプラットフォームを使ったHubSpotとの連携方法が公開されており、商品の追加・価格変更・廃止がリアルタイムで同期されます。
HubSpotのプロダクトライブラリに登録できる商品数は、無料プランでは最大100万件です。実務上、商品数がボトルネックになることはほとんどありません。ただし、商品数が数百件を超える場合は、フォルダ分類と命名規則の整備が必須です。
プロダクトライブラリの商品は「標準価格」として登録し、見積作成時に個別の割引率や価格調整を行うことができます。特定の顧客向けの特別価格は、見積テンプレートとして保存しておくと効率的です。
はい、CSVファイルを使って商品データの一括インポートが可能です。HubSpotの「インポート」機能で商品オブジェクトを選択し、商品名・SKU・価格・説明文などをCSVのカラムにマッピングします。事前にカスタムプロパティを作成しておくことで、独自の項目もインポートできます。
HubSpotの監査ログ(Enterpriseプランで利用可能)を使うことで、商品プロパティの変更履歴を追跡できます。いつ・誰が・どのプロパティを変更したかが記録されるため、価格改定のタイミングやミスの特定に役立ちます。Starter・Professionalプランでは、個別のプロパティ変更履歴は商品レコードの「アクティビティ」タブで確認できます。
カテゴリ: Commerce Hub | HubSpot