「マーケティング担当が自分一人しかいない」「営業もマーケも兼務していて、ツール運用に時間を割けない」——こうした課題を抱えるスタートアップや中小企業は少なくありません。
一人マーケターや少人数チームにとって、HubSpotは「やることを減らして成果を出す」ための最適なプラットフォームです。 無料CRMからスタートし、ワークフロー自動化やAI機能を段階的に活用することで、大企業並みのマーケティング・営業プロセスを少人数でも構築できます。
この記事では、リソースが限られた環境でHubSpotを最大限活用するための運用術を、具体的なステップと数値基準を交えて解説します。
この記事でわかること:
スタートアップや少人数チームでは、以下のような課題がよく見られます。
こうした状況では、スプレッドシートで頑張って管理しようとしても、情報の差分が起きてしまい、結局どれが正しいデータなのかわからなくなります。ここが結構ミソになってくるのですが、少人数だからこそ「一つのプラットフォームで完結させる」ことの価値が大きいのです。
HubSpotの最大の特徴は、無料プランでもCRM・メール配信・フォーム・基本レポートが使えることです。スタートアップにとって、初期コストゼロで本格的なCRMを導入できるのは大きなメリットかなと思います。
| プラン | 月額(税抜) | 主な機能 | おすすめ規模 |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | 0円 | CRM、フォーム、メール配信(月2,000通)、基本レポート | 1-2名・検証段階 |
| Starter | 月1,800円/シート | HubSpotロゴ削除、カスタムプロパティ拡張、メール配信強化 | 1-5名・本格運用開始 |
| Professional | 月96,000円〜 | ワークフロー自動化、カスタムレポート、シーケンス | 5-20名・自動化が必要な段階 |
例えば3名で利用する場合でも、Starterプランなら月6,000円程度で本格的なCRM運用が可能です。Salesforceなど他のCRMと比較すると、法人向けCRMでここまで安くて高機能というのはなかなかないかなと個人的に思っています。
HubSpotのもう一つの強みは、CRM・MA・SFA・CMS・カスタマーサポートが一つのプラットフォーム上で連携していることです。少人数チームが複数ツールを使い分ける余裕はありませんので、すべてHubSpotに入っていれば、過去のやり取りも一覧で確認できます。
Salesforce経験者の方であれば、Salesforceの「Platform」に相当する統合環境がHubSpotにもあるとイメージしていただければよいかなと思います。ただしHubSpotの場合、設定のハードルが格段に低く、ノーコードで大半の設定が完了します。
対象となるスタートアップ企業は、初年度最大90%オフでHubSpotの有償プランを利用できます。VCやアクセラレーターのパートナー経由で申請でき、2年目以降も段階的な割引が適用されるため、成長フェーズに合わせたコスト設計が可能です。
最初にやるべきことは、散らばった顧客情報をHubSpotに一元化することです。
この3つだけで、新規リードの情報が自動的にCRMに蓄積される仕組みが完成します。
ポイント: インポート時は姓と名を別カラムに分割しておくことをおすすめします。フルネームで1カラムだと、メール送信時のパーソナライズが上手くいかないケースがあります。
少人数チームの場合、パイプラインのステージは最小限に抑えるのがポイントになってきます。
おすすめの初期パイプライン:
| ステージ | 受注確度 | 定義 |
|---|---|---|
| アポ取得 | 10% | ミーティング日程が確定 |
| 提案中 | 30% | 見積もり・提案書を提示済み |
| 内示 | 80% | 口頭で受注の意向あり |
| 受注 | 100% | 契約締結 |
| 失注 | 0% | 見送り |
よくあるSFAのあるあるで、全然使っていない項目が大量にあったりとか、ほぼ使っているのは一部だけという状態になりがちです。項目が少ない方が集中できますので、まずは4-5ステージで十分です。
少人数チームでも、リードの検討段階を可視化するライフサイクルステージの定義は重要です。
最小構成の例:
リード → MQL(ホットリード)→ 商談中 → 顧客
自社のカスタマージャーニーをベースに定義いただくのが理想ですが、最初はシンプルに始めて、データが溜まってから調整するアプローチがおすすめです。
少人数チームにとって自動化は「あると便利」ではなく「必須」です。手動でやっていたらリソースが足りなくなるので、仕組みで解決するという考え方が結構重要かなと思っています。
ワークフローとカスタムレポート、この2つでProfessionalをご検討いただくというのが多いです。
ここが1個ポイントになるのですが、何らかのHubを一つでもProfessionalにアップグレードすれば、ワークフロー機能がアカウント全体で使えるようになります。
HubSpotには数百の機能がありますが、少人数チームが使うべきは全体の20%程度です。なかなか全てを一気に進めるのは難しいかなと思うので、効果が出そうなものから優先順位をつけてトライいただければなと思います。
最優先で使うべき機能:
HubSpotのAI機能「Breeze」は、少人数チームの強い味方です。ただし、超一流の営業マンが考える内容が出てくるというよりは、営業アシスタントがウェブリサーチをしてある程度の方向性を考えてくれるイメージです。
少人数チームにおすすめのAI活用:
特にスマートプロパティは、ミニマムで従業員数・事業内容・資本金だけ入れるだけでかなり業務効率化になります。CRMの値がなかなか入っていなくてデータ資産化していないという課題を一気に解決できます。
少人数チームでは、わざわざHubSpotにログインしてレポートを見る時間がないかもしれません。そこで、ダッシュボードの定期配信機能を使って、毎週決まった曜日にメールやSlackでレポートを自動送信する仕組みを作りましょう。
例えば毎週水曜朝8時に営業パイプラインのサマリーを配信すれば、忙しくてもデータに基づいた意思決定ができるようになります。
営業の方ですとなかなかちゃんとSFA入れてねと言っても使いこなせなかったりするところがあります。入力のハードルを下げるために、以下を準備しましょう。
以下のいずれかに該当したら、Starterプランへの移行を検討しましょう。
HubSpotの機能の広さに圧倒されて、あれもこれもと手を出すと中途半端になります。まずは受注目標や受注件数など、やりやすいところから捉えていただければなと思います。
少人数だからこそ「暗黙のルール」で回りがちですが、人が増えたときに崩壊します。プロパティの選択肢や入力ルールは最初から明文化しておきましょう。
AIやワークフローは便利ですが、大型案件や重要顧客への対応は必ず人間が判断すべきです。基本的には送信前に確認がよいかなと思いますね。自動的に送信になってもまだリスクがありますので。
一人マーケターや少人数チームだからこそ、HubSpotの「一元管理×自動化×可視化」の価値は大きくなります。
まずは無料CRMでデータの集約から始めて、段階的に自動化の仕組みを構築していきましょう。CRMにデータが蓄積されるほど、レポートの精度が上がり、より効果的なマーケティング・営業戦略を立てられるようになります。
大切なのは「全部やろう」とせず、自社にとって効果が高い機能から優先順位をつけてトライすることです。スモールスタートで始めて、成果が出たら次のステップへ——この段階的なアプローチが、少人数チームの成功パターンかなと思います。
はい、可能です。実際にStartLinkでも創業当初はスタータープランを1-2名で運用していました。HubSpotはノーコードで設定できる範囲が広く、専門的な技術知識がなくても基本的な運用は一人で十分回せます。まずはCRM+フォーム+メール連携の3つから始めるのがおすすめです。
少人数チーム・スタートアップの場合は、コストと設定の容易さからHubSpotをおすすめします。HubSpotのスタータープランは月1,800円/シートから始められ、無料プランも充実しています。将来的にガチガチに固めていきたいというご意向がある場合は、HubSpotのスターターからSalesforceに移行するという選択肢もあります。
コンタクト数が1,000件を超えるタイミングか、カスタムプロパティが11個以上必要になったタイミングが目安です。また、フォームやメールからHubSpotのロゴを消したい場合もStarterへの移行が必要です。
まずはMarketing Hub StarterまたはSales Hub Starterから始めるのがおすすめです。どちらかのHubをProfessionalにアップグレードすれば、ワークフロー自動化がアカウント全体で使えるようになるため、最も業務効率化のインパクトが大きいHubを一つ選んでProfessionalにするのが費用対効果の高いアプローチです。
HubSpotのパートナーVC・アクセラレーター経由で申請できます。対象条件として、シードからシリーズAまでのスタートアップが初年度最大90%オフで利用可能です。詳しくはHubSpot公式サイトの「HubSpot for Startups」ページをご確認ください。