「展示会や商談で交換した名刺が、個人のデスクに眠ったままになっている」「名刺データをExcelに手入力してからCRMに取り込むのが手間」——こうした紙の名刺管理の課題は、多くのBtoB企業に共通する悩みです。
HubSpotと名刺管理サービス(Sansan/Eight Team)の連携とは、名刺スキャンで取得した企業名・氏名・役職・連絡先などのデータをHubSpot CRMのコンタクト・会社レコードに自動で登録・同期する仕組みです。 名刺交換から始まるリード情報を確実にCRMに蓄積することで、データ起点の営業活動とナーチャリングが実現します。
この記事では、以下のポイントを解説します。
名刺はBtoB企業にとって最も身近なリード情報の入口です。しかし、名刺情報がCRMに取り込まれない場合、以下のような問題が発生します。
スプレッドシートで結構展示会管理されている企業様が多いかなと思いますが、顧客リストがあちこちに分散して差分が起きてしまうという課題があります。名刺管理サービスとHubSpotを連携することで、名刺交換→CRM登録→ナーチャリング→商談化までの一気通貫のフローを構築できます。
出典: Sansan (jp.sansan.com)
| サービス | 連携方式 | 必要プラン | コスト | 同期内容 |
|---|---|---|---|---|
| Sansan | 公式連携(Sansan Data Hub) | Sansan + Data Hub契約 | Sansan利用料+Data Hub | 名刺情報・接点情報を自動同期 |
| Eight Team | 公式連携アプリ | Eight Team契約 | Eight Team利用料 | 共有名刺データをメールアドレスキーで同期 |
| HubSpotスマホアプリ | HubSpot標準機能 | 無料〜 | 無料 | カメラで名刺スキャン→コンタクト作成 |
| その他(myBridge等) | iPaaS / CSV | 各サービス契約 | 各サービス料金 | CSV経由でのインポート |
Sansanは、法人向けクラウド名刺管理サービスのリーディングカンパニーで、名刺のスキャン・OCR・データ化・共有を一元的に管理できるプラットフォームです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コンタクト情報 | 氏名、メールアドレス、電話番号、役職 |
| 会社情報 | 会社名、住所、部署 |
| 接点情報 | 名刺交換日、交換場所 |
| 更新情報 | 役職変更・転職情報の自動更新 |
Sansanの管理画面からData Hubオプションを有効化します(別途契約が必要)。
HubSpotの設定画面から「連携」→「アプリマーケットプレイス」に移動し、「Sansan」で検索してアプリをインストールします。
Sansan側の管理画面でHubSpotとの連携設定を行い、同期対象の名刺データの範囲やマッピングルールを設定します。
テスト用の名刺データで同期が正しく動作するか確認します。企業名、氏名、役職、連絡先がHubSpotのコンタクト・会社レコードに正しく反映されているか確認してください。
Eight Teamは、名刺アプリ「Eight」の法人版で、チームメンバー間で名刺データを共有し、社内の人脈を可視化できるサービスです。Sansanと比較してコスパが良く、中小企業に人気があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名、会社名、役職、メールアドレス、電話番号 |
| 名刺交換日 | 名刺を交換した日付 |
| 所有者 | 名刺を交換した自社メンバー |
| 共有タグ | Eight Teamで設定したタグ情報 |
| プロフィールURL | Eight TeamのプロフィールURL |
Eight Teamの管理者権限を持つユーザーで管理画面にログインします。
Eight Teamの管理画面から「外部連携」→「HubSpot」に移動し、「連携する」をクリックします。
接続先のHubSpotアカウントを選択し、認証を行います。
同期対象の名刺データの範囲と、HubSpotのプロパティとのマッピングを設定します。メールアドレスをキーにして既存コンタクトとの紐づけが行われます。
外部の名刺管理サービスを使わない場合でも、HubSpotのスマホアプリに搭載されている名刺スキャン機能を使えば、カメラで名刺を撮影するだけでコンタクトレコードを作成できます。
注意点: OCRの読み取り精度はSansan/Eightの専用サービスに比べると劣る場合があります。少量の名刺であれば十分ですが、展示会などで大量の名刺を処理する場合はSansanやEight Teamの活用を推奨します。
名刺データが取り込まれたコンタクトには、自動的に適切なライフサイクルステージを設定しましょう。例えば、展示会での名刺交換は「リード」、商談中の名刺交換は「SQL」など、接点の種類に応じたステージ設定が重要です。
名刺取り込み後のフォローアップを自動化します。
やっぱりCRMの値がなかなか入ってなくてデータ資産化していないという企業さんも多いので、名刺取り込みとスマートプロパティを組み合わせることで、ミニマムで従業員数・事業内容・資本金だけ入れるだけでかなり業務効率化になります。
名刺管理サービスとHubSpotの両方に同一人物のデータが存在する場合、重複が発生する可能性があります。HubSpotの重複管理ツールを活用して、定期的にデータクレンジングを行いましょう。
名刺データの取り込み時、姓名が結合された状態でインポートされることがあります。HubSpotでは姓名を分割して管理することを推奨します。フルネームで1カラムだとメール送信時のパーソナライズが適切に機能しない場合があるためです。
大量の名刺データを一括取り込みする前に、ワークフローの設定を確認してください。コンタクト作成をトリガーにしたワークフローが設定されている場合、大量のメール配信やタスク作成が発生する可能性があります。
名刺データには個人情報が含まれるため、プライバシーポリシーに準拠した取り扱いが必要です。名刺交換時の情報利用について、相手方の同意を得る仕組みを検討しましょう。
HubSpotと名刺管理サービスを連携することで、紙の名刺が「組織の顧客データ資産」に変わります。
まずは自社の名刺管理の現状を見直し、名刺データのCRM取り込みから始めてみましょう。名刺が確実にCRMに蓄積されるようになれば、そこからナーチャリングやスコアリングにつなげることで、名刺交換を商談化に結びつける一気通貫のフローを構築できます。
大規模な法人で名刺データの精度と転職情報の自動更新を重視する場合はSansanが適しています。中小企業やコストを抑えたい場合はEight Teamがコスパに優れています。いずれもHubSpotとの公式連携が可能です。
はい、Sansan Data Hub(外部連携オプション)の契約が必要です。Sansanの基本契約に加えてData Hubの費用が発生するため、詳しい料金はSansanの営業担当にお問い合わせください。
サービスによって異なります。Sansanの場合はData Hub経由で定期的に同期されます。Eight Teamの場合も一定の同期間隔があります。リアルタイムではないため、即時性が求められる場合はHubSpotスマホアプリの名刺スキャンとの併用を検討してください。
メールアドレスをキーにして既存コンタクトとのマッチングが行われるため、同一メールアドレスの場合は既存レコードが更新されます。ただし、メールアドレスが異なる場合は新規コンタクトとして作成されるため、定期的にHubSpotの重複管理ツールでデータクレンジングを行うことを推奨します。