「リードは獲得できているのに、どの見込み顧客を優先的にフォローすべきかわからない」「営業がすべてのリードに同じ対応をして、非効率になっている」——こうした課題を解決するのが、リードスコアリングです。
リードスコアリングとは、見込み顧客(リード)の属性情報や行動データに基づいてスコア(点数)を付与し、購買意欲や成約確率の高さを数値化する手法です。 HubSpotでは、手動設定によるスコアリングとAI予測リードスコアリングの2つの方法が用意されており、マーケティングと営業の連携を強化できます。
この記事では、以下のポイントを解説します。
リードスコアリングとは、見込み顧客に対して属性(企業規模・役職・業種など)と行動(Webサイト閲覧・メール開封・フォーム送信など)の両面からスコアを付与し、合計点でリードの「温度感」を可視化する仕組みです。
すべての企業にスコアリングが必要なわけではありません。以下のような状況になったタイミングでの導入が効果的です。
ただ単にかけていくだけよりも、HubSpotのMAの機能が強いのでスコアリングで優先順位の高い方から並べて、それぞれにかけるというアプローチが効果的です。
今枝のスコアリング設計では、エンゲージメントスコアと適合スコアの2軸で構成します。
| スコアタイプ | 評価対象 | 配点の目安 | 例 |
|---|---|---|---|
| エンゲージメントスコア | 行動データ | MAX 80点 | Web閲覧、メール開封、フォーム送信、イベント参加 |
| 適合スコア | 属性データ | MAX 20点 | 役職、業種、企業規模、地域 |
| 合計 | MAX 100点 |
定性的なもの(属性)は20点まで、ウェブ行動とかは80点MAXにしようという設計が推奨です。これが結構ミソになってきます。
| 行動 | スコア | 条件 |
|---|---|---|
| Webサイト閲覧 | +1〜3点 | ページビュー(料金ページは+3、ブログは+1) |
| メール開封 | +2点 | マーケティングメールの開封 |
| メールクリック | +5点 | メール内リンクのクリック |
| フォーム送信 | +10点 | ホワイトペーパーDL、問い合わせ等 |
| ウェビナー参加 | +10点 | ウェビナー/セミナーへの出席 |
| ミーティング予約 | +15点 | 日程調整リンクからの予約 |
| 30日以上アクション無し | -5点 | エンゲージメント低下の減点 |
| 属性 | スコア | 条件 |
|---|---|---|
| 役職(決裁者) | +5点 | 部長・役員・代表 |
| 役職(担当者) | +2点 | マネージャー・担当者 |
| 企業規模(大) | +5点 | 従業員100名以上 |
| 企業規模(中) | +3点 | 従業員30〜99名 |
| 業種(ターゲット) | +5点 | 自社のターゲット業種 |
| 地域(対応エリア) | +3点 | 自社のサービス提供エリア |
| スコア閾値 | アクション |
|---|---|
| 50点以上 | MQL(マーケティング有望リード)に昇格 |
| 70点以上 | FS(フィールドセールス)/ IS(インサイドセールス)にトス |
| 30点以下(30日以上) | ナーチャリングプールに戻す |
このマーケの70%はマーケが持って、あとの30%をFSとISに渡そうという考え方で、スコアリングの閾値を設計します。
HubSpotは2025年にスコアリングツールをリニューアルしました。新しいスコアリングツールは、よりビジュアルなUIで設定がしやすくなっています。
利用条件: Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Data Hub、Content HubのいずれかのProfessionalまたはEnterpriseプラン
「条件を追加」から、スコアを加算・減算する条件を設定します。
加算条件の例:
減算条件の例:
スコアリングの本当の価値は、スコアに基づいたアクションの自動化にあります。
スコア分布を可視化するレポートをダッシュボードに追加し、定期的にスコアリングの効果を確認します。
HubSpotの予測リードスコアリングは、機械学習アルゴリズムを使用して、未対応のコンタクトが90日以内に顧客になる確率を自動的に判定する機能です。
| 項目 | 手動スコアリング | 予測リードスコアリング |
|---|---|---|
| 設計 | 自社で条件・配点を設定 | AIが自動的にモデルを構築 |
| 更新 | 手動でルールを変更 | AIが継続的にモデルを最適化 |
| 精度 | 設計者の経験に依存 | データ量に応じて精度向上 |
| 必要プラン | Professional〜 | Enterprise |
| カスタマイズ性 | 高い | 限定的 |
AIの予測は叩き台として活用し、最終的な営業判断は人間が行うというアプローチが推奨です。AIは「超一流の営業マン」ではなく「アシスタント」として捉えるのがよいかなと思います。
スコアリングを運用開始した後は、定期的にスコア分布を確認し、閾値を調整します。
| 指標 | 確認内容 |
|---|---|
| MQL→SQL転換率 | 高スコアリードが実際に営業トスされる割合 |
| 商談化率 | MQLからの商談化率が一般リードより高いか |
| 営業の受入率 | 営業がMQLを「質の高いリード」と評価しているか |
| スコア分布 | スコアの偏りがないか(全員低スコアor全員高スコアは問題) |
スコアリングの成功には、マーケティングチームと営業チームの定期的なフィードバックが不可欠です。
失注分析で「何の理由で失注したのか」を分析できるようになれば、例えばプロダクトの製品開発に「こういう機能を入れてください」という情報をマーケ側から共有しやすくなり、営業とマーケの連携がしやすくなります。
リード数はものすごいいるけど、会社ベースで見たら意外と数はないということもあります。会社とコンタクトそれぞれでスコアリングを管理いただくと、より精度の高いリード評価が可能になります。
例えば、1企業に対して3名のリードがいた場合、一番スコアの高いコンタクトの数値を会社のスコアとして反映させるといった設計も可能です。
HubSpotは2025年にスコアプロパティから新しいスコアリングツールに移行しています。既存のスコアプロパティを使用している場合は、新しいツールへの移行計画を立ててください。
スコアリングモデルは最初から完璧なものを作る必要はありません。まずはシンプルなモデルで始めて、データを見ながら段階的に改善していくのがおすすめです。自社で活用できそうなものを見極めて、優先順位をつけてトライいただければなと思います。
リードスコアリングは、マーケティングと営業をつなぐ重要な仕組みです。HubSpotのスコアリング機能を活用すれば、リードの優先順位を可視化し、限られた営業リソースを最大限に活用できます。
まずはシンプルなスコアリングモデルから始めて、データが蓄積されるにつれてモデルの精度を向上させていきましょう。スコアリングが機能し始めると、マーケティングと営業の連携が飛躍的に改善し、商談化率の向上につながります。
手動スコアリングにはMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Data Hub、Content HubのいずれかのProfessionalプラン以上が必要です。AI予測リードスコアリングはEnterpriseプランで利用可能です。
スコアリングモデルを設定してから効果を実感するまでには通常1〜3か月程度かかります。スコアリング条件の調整や閾値の見直しを含めると、最適化には3〜6か月を見込んでください。
はい、HubSpotのスコアリングはコンタクト、会社、取引の各オブジェクトに対して設定可能です。BtoB企業ではコンタクトスコアと会社スコアの両方を管理することで、個人と企業の両面からリードを評価できます。
はい、スコアリング条件を変更すると、既存コンタクトのスコアも再計算されます。大幅な変更を行う場合は、事前にスコア分布をエクスポートしておき、変更後の影響を確認することを推奨します。
まずは手動スコアリングで始めることをおすすめします。手動スコアリングで自社のスコアリング設計力を身につけた上で、データが十分に蓄積されたタイミング(成約データ100件以上が目安)でAI予測スコアリングの併用を検討するのがよいかなと思います。