「営業目標をExcelで管理しているが、リアルタイムの進捗が把握できない」「マーケティングのKPIと営業の目標がバラバラに管理されていて、組織全体の達成状況が見えにくい」——こうした課題を抱えている管理者の方は多いのではないでしょうか。
HubSpotの目標(Goals)機能とは、営業・マーケティング・カスタマーサクセスの各部門でKPI目標を設定し、HubSpotのCRMデータに基づいてリアルタイムに進捗をトラッキングできる機能です。目標の設定から達成状況の可視化、レポートへの組み込みまでを一元管理できます。
この記事では、以下の内容を解説します。
HubSpot Goalsは、組織の重要なKPIを定量的に設定し、CRMのデータからリアルタイムに達成状況を計算・表示する機能です。
スプレッドシートでの目標管理では、どうしても手動でデータを更新する必要があり、リアルタイム性に欠けます。HubSpotの目標機能を使えば、取引データ・アクティビティデータ・チケットデータなどから自動的に進捗を算出してくれるので、「今月の達成状況は?」という質問にいつでも即座に答えられる状態を作れます。
| Hub | プラン | 利用可能な目標テンプレート |
|---|---|---|
| Sales Hub | Professional以上 | 収益目標、取引作成数、通話数など |
| Marketing Hub | Professional以上 | コンタクト作成数、MQL数など |
| Service Hub | Professional以上 | チケット解決数、応答時間など |
| 全Hub | Enterprise | カスタム目標(任意のプロパティベース) |
HubSpotでは、よく使われる目標のテンプレートがあらかじめ用意されています。
営業系テンプレート:
マーケティング系テンプレート:
サービス系テンプレート:
テンプレートに適切なものがない場合、Enterprise プランであればカスタム目標を作成して任意のプロパティベースで目標設定が可能です。
各対象者(個人またはチーム)ごとに、期間別の目標数値を入力します。
例えば、営業チーム3名に月次の受注目標を設定する場合:
| 担当者 | 4月 | 5月 | 6月 | Q1合計 |
|---|---|---|---|---|
| 営業A | 500万円 | 500万円 | 600万円 | 1,600万円 |
| 営業B | 400万円 | 400万円 | 500万円 | 1,300万円 |
| 営業C | 300万円 | 300万円 | 400万円 | 1,000万円 |
目標値は個人ごとに異なる数値を設定できるので、各担当者の実力や担当エリアに応じた現実的な目標設定が可能です。
目標の達成状況に応じて通知を受け取る設定ができます。例えば「目標の75%を達成した時点で通知」「期限の1週間前に未達の場合に通知」といった設定が可能です。
営業部門でよく設定される目標は以下の通りです。
| 目標 | 測定指標 | 目安 |
|---|---|---|
| 月次受注目標 | 取引のクローズ金額 | パイプラインの加重金額から逆算 |
| 新規商談数 | パイプラインへの新規投入数 | 受注率から必要商談数を算出 |
| 架電件数 | 通話アクティビティ数 | 商談化率から必要架電数を算出 |
| ミーティング設定数 | ミーティングアクティビティ数 | 月間10-20件が目安 |
パイプラインの加重金額の考え方を目標設計にも活用するのが結構ミソになってきます。例えば1,000万円の受注目標に対して、受注確度の各ステージで必要な案件数・金額を逆算して、商談数やアプローチ数の目標を設定するというアプローチです。
| 目標 | 測定指標 | 設定例 |
|---|---|---|
| リード獲得数 | 新規コンタクト作成数 | 月間200-300件 |
| MQL創出数 | MQLステージへの移行数 | 月間50件 |
| SQL創出数 | SQLステージへの移行数 | 月間20件 |
マーケティングの目標を設定する際は、ライフサイクルステージの定義と連動させることが重要です。「リード→MQL→SQL」の各ステージの転換率を把握した上で、最終的な商談化目標から逆算してリード獲得数の目標を設定しましょう。
| 目標 | 測定指標 | 設定例 |
|---|---|---|
| チケット解決数 | 解決済みチケット数 | 月間100件 |
| 応答時間 | 初回対応までの時間 | 平均2時間以内 |
| 顧客満足度 | NPSスコアまたはCSAT | NPS 50以上 |
カスタマーサクセスの機能が特に必要になるのは、管理する顧客が100社〜200社を超えたあたりからです。そのくらいの規模になると、個別に目標を追い切れなくなるので、HubSpotの目標機能での管理が効果を発揮します。
目標の進捗を効果的にモニタリングするために、専用のダッシュボードを構築しましょう。
おすすめの構成:
ダッシュボードを意味合いごとに営業会議用とか経営会議用とか分けていただくと、シーンで使い分けができます。
HubSpotのレポートでは、グラフ上に目標値のラインを表示できます。実績の推移グラフと目標ラインを重ねることで、「このままのペースで目標を達成できるか」が視覚的に把握できます。
ダッシュボードの定期配信機能を使って、毎週月曜朝にチームメンバーに進捗レポートを自動送信する設定がおすすめです。手動でのレポート作成が不要になり、常にチーム全体が最新の進捗状況を把握できます。
HubSpotのレポートは値がリアルタイムで更新されるため、時点データの固定化として定期配信のスナップショットを残しておくことも重要です。先月時点での達成状況と今月時点での達成状況を比較する際に役立ちます。
目標機能で管理する指標が多すぎると、何が最も重要かがぼやけてしまいます。まずは受注目標や受注件数といったやりやすいところからトライいただくのがいいかなと思います。
| SMART要素 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| Specific | 具体的 | 「売上を上げる」ではなく「月次受注金額」 |
| Measurable | 測定可能 | HubSpotのデータで自動計算できる指標を選ぶ |
| Achievable | 達成可能 | 過去データから現実的な目標値を設定 |
| Relevant | 関連性 | 事業目標と連動した指標を選ぶ |
| Time-bound | 期限付き | 月次/四半期/年次の期間を明確に設定 |
目標を設定するだけでなく、振り返りの仕組みを作ることが重要です。月末にダッシュボードを確認し、未達の場合はその原因を分析して翌月の改善アクションにつなげましょう。
営業の受注目標から逆算してマーケティングのリード獲得目標を設定し、さらにそこから各チャネルの目標を設定するという一気通貫のKPIツリーを構築すると、部門間の連携がスムーズになります。
HubSpotの目標(Goals)機能は、営業・マーケティング・カスタマーサクセスのKPIをCRMデータに基づいてリアルタイムに管理・トラッキングできる強力なツールです。
活用のポイントを整理すると以下の通りです。
まずは営業チームの月次受注目標を設定するところから始めて、段階的にマーケティングやカスタマーサクセスの目標管理にも拡張していきましょう。CRMにデータが蓄積されるほど、目標設定の精度が上がり、より効果的なKPI管理ができるようになります。
目標機能はSales Hub、Marketing Hub、またはService HubのProfessional以上のプランで利用可能です。カスタム目標(テンプレート以外の自由な指標設定)はEnterprise プランが必要です。
両方を設定するのが理想的です。個人目標で各メンバーの責任範囲を明確にしつつ、チーム目標で全体の達成状況を把握します。HubSpotでは両方を同時に管理できます。
はい、HubSpotのワークフロー機能とSlack連携を組み合わせることで、目標達成時やマイルストーン到達時にSlackに自動通知を送ることが可能です。
Salesforceのフォーキャスト機能は売上予測に特化していますが、HubSpotのGoals機能は営業だけでなくマーケティング・カスタマーサクセスを含めた幅広いKPI管理が可能です。また、HubSpotのUIはよりシンプルで設定がしやすいのが特徴です。
はい、設定画面からいつでも目標値を変更できます。ただし、変更すると過去期間の達成率も再計算されるため注意が必要です。元の目標と比較したい場合は、変更前の値をメモしておくか、別の目標として新規作成することをおすすめします。