「HubSpotの解約手続きはどうすればいい?」「他のCRMに乗り換える場合、データはちゃんと持ち出せるの?」——こうした疑問を持つ企業担当者は意外と多いかなと思います。
HubSpotの解約(サブスクリプションのキャンセル)とは、有料プランの自動更新を停止する手続きのことです。解約後はHubSpotの無料ツールに移行され、アカウント自体は残ります。データのエクスポートも標準機能で対応できるため、他のCRMへの乗り換え時もデータを持ち出すことが可能です。
この記事では、HubSpotの解約手順、データエクスポートの方法、他ツールへの乗り換え時の移行ステップと注意点を、実務目線で解説します。
HubSpotの「解約」には大きく3つのパターンがあります。目的に応じて最適な方法を選んでください。
| パターン | 内容 | データへの影響 |
|---|---|---|
| ダウングレード | 有料プラン→下位プラン(例: Professional→Starter)に変更 | データは残るが、上位機能で作成した一部のデータにアクセスできなくなる |
| 無料プランへの移行 | 有料サブスクリプションをキャンセル→無料CRMに移行 | コンタクト・取引等の基本データは残るが、ワークフロー等の有料機能は使えなくなる |
| アカウント削除 | HubSpotアカウント自体を完全削除 | 全データが削除される(復元不可) |
ここが結構ミソになってくるのですが、「解約=データが消える」わけではありません。サブスクリプションのキャンセルと、アカウントの削除は別の操作です。データを保持したまま無料プランに戻すことも可能です。
HubSpotにログインし、右上のアカウント名をクリックして「アカウントと請求」を選択します。
対象のサブスクリプション(Marketing Hub、Sales Hub等)の自動更新設定をオフに切り替えます。
HubSpotからキャンセル理由のアンケートが表示されます。回答後、キャンセルが確定します。
キャンセル手続き後も、契約期間の残り期間は引き続き有料機能を利用できます。契約満了後に無料ツールへ自動移行されます。
有料プランをダウングレードすると、上位プランで利用していた機能の一部が制限されます。ダウングレード前に必ず影響範囲を確認してください。
| 失われる主な機能 | 影響 |
|---|---|
| ワークフロー | 作成済みのワークフローが停止。自動化が全て止まる |
| カスタムレポート | カスタムレポートが閲覧不可に。標準レポートのみ利用可能 |
| シーケンス | 営業シーケンスが利用不可に |
| ABM機能 | ターゲットアカウント機能が利用不可 |
| カスタムプロパティ上限 | Starterの上限(1オブジェクトあたり1,000件)に制限 |
ワークフローとカスタムレポートは、Professionalプランにアップグレードする最大の理由になるケースが多いので、ダウングレードの影響も最も大きい部分です。この2つの機能で作った設定や運用フローが止まることの業務影響を、事前に社内で確認しておきましょう。
| 失われる主な機能 | 影響 |
|---|---|
| カスタムオブジェクト | カスタムオブジェクトのデータにアクセス不可 |
| サンドボックス | テスト環境が利用不可 |
| 高度な権限設定 | 権限セット・フィールドレベルの権限が制限 |
| レポート上限 | カスタムレポート500件→100件に制限 |
HubSpotからデータを持ち出す方法は複数あります。乗り換え先のCRMに合わせて最適な方法を選択してください。
最も一般的な方法です。コンタクト、会社、取引、チケットなどのCRMオブジェクトデータをCSVまたはExcel形式でエクスポートできます。
手順:
エクスポート可能なデータ:
| オブジェクト | エクスポート可否 | 備考 |
|---|---|---|
| コンタクト | 可能 | 全プロパティを選択してエクスポート可能 |
| 会社 | 可能 | 関連コンタクト情報も含められる |
| 取引 | 可能 | パイプライン・ステージ情報も含まれる |
| チケット | 可能 | チケットパイプライン情報も含まれる |
| カスタムオブジェクト | 可能 | Enterprise プランのみ |
| アクティビティ(メール・通話等) | 一部可能 | エンゲージメントAPIでの取得が必要な場合あり |
ブログ記事、ランディングページ、メールテンプレートなどのコンテンツもエクスポートできます。
手順:
大量のデータや、アクティビティログ・関連付けデータなど、UI上ではエクスポートしにくいデータはHubSpot APIを使って取得できます。
技術的なリソースが必要ですが、最も柔軟にデータを取り出せる方法です。エンゲージメント(メール送受信履歴、通話記録等)やワークフローの実行ログなど、CSVエクスポートではカバーしきれないデータの移行に活用します。
データの品質が低いまま移行すると、新しいCRMでも同じ問題を抱えることになります。移行のタイミングはデータクレンジングの最良の機会でもあるので、しっかり整理してから移行することをおすすめします。
解約やCRM乗り換えを実行する前に、以下を必ず確認してください。
完全な解約や乗り換えの前に、プランの最適化(コスト削減)という選択肢も検討してみてください。
代表や管理職の方がレポートだけ見ていればいいということであれば無料シートで対応できるので、本当に有料シートが必要な人数を精査するだけでもコストが変わってきます。
HubSpotの解約は、サブスクリプションのキャンセル手続き自体はシンプルですが、データのエクスポートや移行先CRMへの移行には計画的な準備が必要です。
まずはデータのバックアップを確実に取った上で、移行先CRMの選定とデータマッピングを丁寧に進めてください。移行期間は最低1〜2か月を見込み、並行運用期間を設けることで、業務への影響を最小限に抑えられます。
また、完全な解約の前にプランの最適化(ダウングレードやシート数の見直し)で対応できないかも検討してみることをおすすめします。
いいえ、サブスクリプションのキャンセルとアカウント削除は別の操作です。キャンセル後は無料CRMに移行され、コンタクトや取引などの基本データは残ります。アカウントを完全に削除した場合のみ、全データが消去されます。解約前に必ずデータをエクスポートしておくことを推奨します。
キャンセル手続き自体は可能ですが、年間契約の残存期間分の返金は原則ありません。契約期間の満了後に無料プランへ移行されます。次回の更新を防ぐため、更新日前にキャンセル手続きを完了しておく必要があります。
データの移行自体は、CSVエクスポート→Salesforceへのインポートで対応可能です。ただし、ワークフローの再構築、レポートの再作成、カスタムプロパティのマッピングなどが必要になるため、規模によっては3〜6か月の移行期間を見込んでください。移行支援に対応したパートナーに相談するのも一つの方法です。
はい、使えます。HubSpotには恒久的な無料CRMが用意されており、コンタクト管理、取引管理、タスク管理、基本的なレポートなどの機能を無料で継続利用できます。ただし、ワークフロー、カスタムレポート、シーケンスなどの有料機能は使えなくなります。
エクスポート前にHubSpot上で各オブジェクトの総レコード数を記録し、エクスポート後のCSVの行数と照合してください。また、関連付け(コンタクトと会社の紐付け等)は通常のCSVエクスポートでは完全に再現できないため、API経由での取得も検討してください。