「広告のクリック数やインプレッションは把握できるが、実際にどの広告から商談や受注につながったのかがわからない」
「Google広告とFacebook広告を別々のダッシュボードで管理しており、統合的な分析ができない」
——広告運用の現場でこうした課題を感じている方は多いのではないでしょうか。
HubSpotの広告管理機能とは、Marketing Hub上でGoogle広告・Meta(Facebook/Instagram)広告・LinkedIn広告のアカウントを接続し、広告キャンペーンの作成・管理・パフォーマンス分析をCRMデータと連動させて行える機能です。 広告クリックからリード獲得、商談創出、受注までのフルファネルのROI計測が実現します。
この記事では、広告アカウントの接続方法、CRMオーディエンスの活用、ROI計測の仕組み、実務での活用パターンまで詳しく解説します。
HubSpotの広告管理は、Marketing Hubの全プラン(無料を含む)で基本機能が利用できます。外部の広告プラットフォームとHubSpot CRMを接続することで、「広告→リード獲得→商談→受注」の一連のデータを1つのダッシュボードで把握できるようになります。
通常、Google広告の管理画面では「5コンバージョンしました」まではわかりますが、「じゃあ実際誰だったのか?」「その後商談になったのか?」を突合するのはExcelでの手作業になりがちです。HubSpotの広告管理を使えば、クリックした人がCRMのコンタクトとして紐づくため、広告からのフルファネル分析が自動化される点が結構ミソになってくるかなと思います。
| プラットフォーム | 主な連携内容 |
|---|---|
| Google Ads | 検索広告、ディスプレイ広告、P-MAX |
| Meta(Facebook/Instagram) | フィード広告、ストーリーズ広告、リード獲得広告 |
| LinkedIn Ads | スポンサードコンテンツ、リード獲得フォーム |
| 機能 | Free | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 広告アカウント接続 | 1 | 1 | 5 | 5 |
| 広告ダッシュボード | ○ | ○ | ○ | ○ |
| CRMオーディエンス | × | × | ○ | ○ |
| アトリビューションレポート | × | × | ○ | ○ |
| 広告シーケンス | × | × | ○ | ○ |
接続が完了すると、既存の広告キャンペーンが自動的にHubSpotの広告ダッシュボードにインポートされます。
広告のクリックからHubSpotのコンタクトへの紐づけを正確に行うために、以下を確認します。
MetaやLinkedInのリード獲得広告では、プラットフォーム上のフォームに入力されたリード情報をHubSpotに自動同期できます。
これにより、自社サイトに遷移しなくてもSNS上でリード情報を取得し、CRMに自動連携できます。
Professional以上のプランでは、HubSpot CRMのデータを広告のターゲティングに活用できます。
CRMに登録されているコンタクトリストを広告プラットフォームのオーディエンス(配信対象)として連携する機能です。
| パターン | 説明 | 用途 |
|---|---|---|
| リターゲティング | サイト訪問者やフォーム送信者に再度広告を配信 | CV率向上 |
| 類似オーディエンス | 既存顧客に似た属性のユーザーに配信 | 新規リード獲得 |
| 除外リスト | 既存顧客や競合を広告配信対象から除外 | 広告費の最適化 |
| ステージ別配信 | MQL・SQL・顧客など段階に応じた広告を配信 | ファネル別訴求 |
例えば、ライフサイクルステージが「リード」のコンタクトリストをMetaに連携し、「事例紹介」の広告を配信してMQL化を促進する、といった使い方が可能です。CRMのセグメントデータを広告配信に直接活用できるのは、MAとCRMが統合されているHubSpotならではの強みです。
注意: CRMオーディエンスの同期にはマーケティングコンタクトとして設定されているコンタクトが対象です。
従来の広告管理画面では、以下の「上流指標」しか把握できません。
しかし、ビジネスの成果を測るために本当に必要なのは「その広告から何件商談が生まれ、いくらの売上につながったか」です。
HubSpotの広告管理では、CRMデータと連動することで以下のフルファネルROI計測が可能になります。
| ファネル段階 | 計測指標 | データソース |
|---|---|---|
| 認知 | インプレッション・クリック | 広告プラットフォーム |
| リード獲得 | コンタクト作成数 | HubSpot CRM |
| 商談化 | 取引作成数・金額 | HubSpot 取引 |
| 受注 | 受注件数・受注金額 | HubSpot 取引(クローズ) |
| ROI | 広告費 vs 受注金額 | 統合計算 |
「マーケティング」→「広告」のダッシュボードで以下を確認できます。
Google検索広告で「CRM 比較」等のキーワードに入札し、LP(ランディングページ)に誘導してフォーム送信を獲得します。HubSpotのLPとフォームを使えば、広告クリック→LP→フォーム→CRMの流れが自動でトラッキングされます。
サイトを訪問したがフォーム送信しなかったユーザーに対して、MetaやGoogleのディスプレイ広告でリターゲティングを行います。CRMのライフサイクルステージと連動させ、リード段階のコンタクトには事例広告、MQLには製品デモの広告を出し分けるといった運用も可能です。
展示会で獲得したリードのリストをCRMオーディエンスとして広告配信し、展示会後のフォローアップを強化するパターンです。シーケンスメールと広告を組み合わせることで、マルチチャネルでのアプローチが実現します。
HubSpotの計測値と広告プラットフォーム側のコンバージョン値は、計測方法の違いにより一致しないことがあります。HubSpotはCRMベースの計測(実際のコンタクト作成数)、広告プラットフォームはCookieベースの計測という違いを理解しておきましょう。
広告プラットフォームには最低オーディエンスサイズの制約があります(Metaは約100名、Google は約1,000名)。CRMリストが小さすぎると配信できないため、ある程度のコンタクト数が蓄積されてから活用しましょう。
HubSpotは広告費データを各プラットフォームから取得しますが、リアルタイム性や粒度に限界がある場合があります。正確なROI計算には、月次で広告費の実績値を確認するプロセスを組み込むことをおすすめします。
BtoB企業でFacebook/Instagram広告を運用する場合、ターゲットとなるビジネスパーソンへのリーチが限定的なケースもあります。LinkedIn広告のほうがBtoBのリード獲得には向いている場合がありますので、自社のターゲットに合わせてプラットフォームを選定してください。
HubSpotの広告管理機能を使えば、Google・Meta・LinkedInの広告キャンペーンをCRMデータと連動させて管理し、広告クリックから受注までのフルファネルROIを計測できます。CRMオーディエンスを活用したターゲティング最適化や、リード広告フォームからの自動連携など、MAとCRMが統合されているHubSpotならではの強みを最大限に活かせます。
まずは主力の広告アカウントを1つ接続し、広告ダッシュボードで既存キャンペーンのパフォーマンスをCRMデータと突合してみてください。「どの広告が実際の商談につながっているか」が可視化されるだけで、広告予算の配分判断が大きく変わるはずです。
はい、1つの広告アカウント接続と基本的なダッシュボード機能は無料プランで利用できます。CRMオーディエンスやアトリビューションレポートなどの高度な機能はMarketing Hub Professional以上が必要です。
はい、Professional以上であれば最大5つの広告アカウントを接続できます。Google・Meta・LinkedInを同時に接続し、統合ダッシュボードで横並びに比較分析が可能です。
はい、HubSpotの広告管理画面から直接広告キャンペーンを作成し、各プラットフォームに配信できます。ただし、細かなターゲティング設定や入札戦略は各プラットフォームの管理画面で行うほうが柔軟性が高いケースもあります。
MetaやLinkedInが提供する、プラットフォーム上でフォーム入力が完結する広告形式です。ユーザーがWebサイトに遷移せずにフォームを送信でき、そのリード情報がHubSpot CRMに自動同期されます。LPへの遷移なしでリードを獲得できるため、コンバージョン率が高い傾向があります。
HubSpotの広告管理はMAとCRMが一体化しているため、セットアップが簡単でCRMオーディエンスの連携もスムーズです。SalesforceはPardot(Account Engagement)や外部ツール(Marketing Cloud等)経由での連携になるため、設定が複雑になりがちです。ただし、Salesforceエコシステムのほうが高度なアトリビューションモデルに対応している場合もあります。