title: "BCP(事業継続計画)の作り方|策定手順とテンプレート"
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metaDescription: "BCP(事業継続計画)の策定手順を解説。ビジネスインパクト分析、復旧優先順位の設定、BCPテンプレートの構成、訓練と見直しの方法まで実務的に紹介します。"
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keywords: ["BCP", "事業継続計画", "作り方", "策定"]
category: "AW_governance-ipo"
自然災害、パンデミック、サイバー攻撃、サプライチェーンの断絶——企業活動を脅かすリスクは多様化・複雑化しています。こうした非常事態が発生した際に、事業の中断を最小限に抑え、早期に復旧するための計画がBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)です。
内閣府の調査(2024年)によると、BCPを策定済みの大企業は約70%ですが、中小企業ではわずか約20%にとどまります。しかし、取引先からBCP策定を求められるケースは増えており、サプライチェーン全体での事業継続力が問われる時代になっています。
本記事では、BCPの策定手順をステップバイステップで解説し、実務で使えるテンプレートの構成も紹介します。
BCPは、非常事態が発生した際に「何を」「どの順番で」「どうやって」復旧するかを事前に計画しておくものです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| BCP | 事業継続計画(ドキュメント) |
| BCM | 事業継続マネジメント(BCPの策定・運用・改善を含む経営活動) |
| RTO | 目標復旧時間(何時間/何日で復旧するか) |
| RPO | 目標復旧時点(どの時点のデータまで復旧するか) |
| MTPD | 最大許容停止時間(事業停止が許容される上限時間) |
自社の事業活動を洗い出し、各業務が停止した場合の影響を評価します。
| 業務 | 停止1日の影響 | 停止1週間の影響 | 停止1ヶ月の影響 | MTPD |
|---|---|---|---|---|
| 受注・出荷 | 売上減少 | 顧客流出開始 | 事業継続困難 | 3日 |
| 請求・入金管理 | 軽微 | 資金繰り悪化 | 資金ショートリスク | 1週間 |
| カスタマーサポート | 顧客不満 | 解約増加 | 信頼の大幅低下 | 2日 |
| 社内システム | 業務効率低下 | 業務停滞 | 全社停止 | 1日 |
自社を脅かすリスクを特定し、発生可能性と影響度で優先順位をつけます。
| リスク | 発生可能性 | 影響度 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 大規模地震 | 中 | 極大 | 高 |
| サイバー攻撃 | 高 | 大 | 高 |
| パンデミック | 低〜中 | 大 | 中 |
| 主要取引先の倒産 | 低 | 大 | 中 |
| 停電・インフラ障害 | 中 | 中 | 中 |
| キーパーソンの離脱 | 中 | 中 | 中 |
各リスクに対して、RTOを満たすための復旧戦略を策定します。
| 対象 | 復旧戦略 | RTO目標 |
|---|---|---|
| ITシステム | クラウドバックアップ、リージョン冗長化 | 4時間 |
| オフィス | リモートワーク体制、代替オフィス確保 | 1日 |
| 通信 | 複数キャリアの利用、衛星電話の備蓄 | 2時間 |
| 人員 | クロストレーニング、マニュアル整備 | 1日 |
| サプライチェーン | 複数調達先の確保、安全在庫の設定 | 3日 |
BCPドキュメントの推奨構成:
| 章 | 内容 |
|---|---|
| 1. 目的と適用範囲 | BCPの目的、対象事業、対象リスク |
| 2. 基本方針 | 人命最優先、事業継続の優先順位 |
| 3. 組織体制 | 対策本部の構成、役割分担、連絡体制 |
| 4. 初動対応 | 発生直後(0〜2時間)のアクション |
| 5. 事業継続対応 | 優先業務の復旧手順(RTO順) |
| 6. 復旧対応 | 通常業務への完全復帰手順 |
| 7. 連絡先一覧 | 緊急連絡先(社内・社外) |
| 8. 付録 | チェックリスト、システム構成図 |
BCPは作成しただけでは機能しません。定期的な訓練と見直しが不可欠です。
| 訓練の種類 | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| 机上訓練 | シナリオに基づくシミュレーション | 年1回 |
| 連絡訓練 | 緊急連絡網の実動テスト | 半年1回 |
| IT復旧訓練 | バックアップからのリストア | 年1回 |
| 実地訓練 | 代替拠点での業務実施 | 年1回(可能なら) |
100ページのBCPを作る必要はありません。「最も重要な3つの業務」の復旧手順と、緊急連絡網だけでも、ないよりはるかにましです。
SaaSやクラウドサービスを活用することで、オフィスが使えなくてもリモートで業務を継続できます。CRM、会計ソフト、コミュニケーションツールのクラウド化は、BCPの観点からも優先度の高い施策です。
BCPの策定は、取引先からの信頼獲得にもつながります。大企業のサプライチェーンに入るための要件としてBCPが求められるケースも増えています。
CRMは営業活動の基盤であり、その事業継続性はBCPにおいて重要な要素です。HubSpotのようなクラウドCRMは、データセンターの冗長化、自動バックアップ、99.99%のSLA(サービスレベル保証)を提供しており、オンプレミスのシステムと比較してBCPの観点で優位です。
リスクマネジメントのフレームワークで述べたERMの一環として、BCPを位置づけることで、組織全体のリスク管理体制が強化されます。経営管理とはで解説した経営管理の5領域のうち、リスク管理の具体的な実装がBCPです。