「広告やSEOに投資しているのに、どのチャネルから受注につながっているかわからない」
「GA4のデータとCRMのデータが別々に管理されていて、突合作業がExcelで大変」
——こうした課題は、HubSpotとGA4の連携で解決できます。
HubSpotとGoogle Analytics 4(GA4)を連携させることで、ウェブサイトのトラフィックデータとCRMの顧客データを紐づけ、マーケティングアトリビューションを正確に計測できるようになります。
この記事では、HubSpotとGA4の連携方法から、アトリビューション分析の設計、運用上の注意点まで解説します。
HubSpotとGA4の連携とは、HubSpotが管理するコンタクト・取引データとGA4が収集するウェブ行動データを組み合わせ、マーケティング施策の効果を一気通貫で測定する仕組みです。
GA4だけでは「5件コンバージョンしました」という数字はわかっても、それが「誰で、その後商談になったか、受注に至ったか」まではわかりません。一方、HubSpotだけでは流入元の詳細なデータ(セッション数、ページ遷移、滞在時間など)は取得しきれません。
この2つを組み合わせることで、「どのチャネルから来たリードが、最終的にいくらの受注につながったか」というエンドツーエンドのROI分析が可能になります。
Google広告、SEO、SNS、メール——それぞれのチャネルが「リード獲得」だけでなく「商談化」「受注」にどれだけ貢献しているかを可視化できます。
例えば、Google広告からのリードは件数が多いがCPAが高く受注率も低い、一方でSEO経由のリードは件数は少ないが受注率が高い——こうした分析ができると、マーケティング予算の最適配分が可能になります。
HubSpotはUTMパラメータ(utm_source、utm_medium、utm_campaign等)を自動的にコンタクトレコードに記録します。GA4のキャンペーンデータとHubSpotの流入元データを統一的なUTM設計で管理することで、分析の一貫性が保てます。
GA4のファネル分析(ウェブサイト内の行動フロー)とHubSpotのライフサイクルステージ(リード→MQL→SQL→商談→顧客)を組み合わせることで、マーケティングファネルの全体像を見渡せます。
HubSpotは独自のトラッキングコードを持っています。HubSpotのCMS(Content Hub)を使っている場合は自動的に埋め込まれますが、WordPressなど外部CMSを使っている場合は手動での設置が必要です。
タグ直前に設置WordPressの場合、プラグインで埋め込む方法もありますが、GTM(Googleタグマネージャー)経由での設置の方が管理しやすいです。
これにより、HubSpotのフォーム送信やCTAクリックなどのイベントがGA4にも送信されるようになります。
GA4とHubSpotの両方で一貫したUTMパラメータ設計が重要です。
| パラメータ | 設計例 | 用途 |
|---|---|---|
| utm_source | google / facebook / linkedin | 流入元の媒体 |
| utm_medium | cpc / organic / email / social | チャネル種別 |
| utm_campaign | spring2025 / webinar-crm | キャンペーン名 |
| utm_content | banner-a / text-link | クリエイティブの識別 |
| utm_term | hubspot-crm / crm-comparison | キーワード(検索広告用) |
命名規則を統一しないと「google」「Google」「GOOGLE」が別チャネルとして集計されてしまうので、ルールを決めて社内で共有しましょう。HubSpotの「トラッキングURL作成ツール」を使えば、統一的なUTMパラメータ付きURLを簡単に生成できます。
| モデル | 特徴 | 適する場面 |
|---|---|---|
| ファーストタッチ | 最初の接点に100%の貢献を帰属 | 認知獲得施策の評価 |
| ラストタッチ | 最後の接点に100%の貢献を帰属 | 直接的な受注貢献の評価 |
| 線形 | 全接点に均等配分 | 複数チャネルの全体評価 |
| U字型 | 最初と最後の接点に多く配分 | 認知+コンバージョンの両方を重視 |
どのモデルが正解ということはなく、自社のマーケティング戦略に合わせて選択するのが重要です。まずは複数のモデルでレポートを作成し、それぞれの結果を比較してみることをおすすめします。
GA4だけでは「コンバージョン件数」で評価が止まりますが、HubSpotのCRMデータと組み合わせることで、チャネルごとの「受注金額」「LTV」まで追跡できます。
例えば以下のような分析が可能です。
こうした分析ができると、「リード単価は高いがLTVで見ると元が取れる施策」と「リード単価は安いが受注につながらない施策」を識別でき、予算配分の判断がデータドリブンに行えます。
ウェブサイトへの流入チャネル(Google広告、SEO、SNS、メール)ごとのROIをHubSpotのアトリビューションレポートで可視化。SEO経由のリードが最も受注率が高いことが判明し、コンテンツマーケティングへの投資を倍増。6か月後にSEO経由の受注金額が3倍に成長。
展示会で獲得したリードのウェブサイト行動をGA4で追跡し、HubSpotのライフサイクルステージと紐づけて分析。展示会後にウェブサイトを3回以上訪問したリードの商談化率が通常の4倍であることを発見し、展示会後のリターゲティング施策を強化。
ブラウザのCookie規制(Safari ITPなど)により、GA4のトラッキング精度が低下する傾向にあります。特にiOS/Safariユーザーの行動データは欠損しやすいため、GA4のデータだけでアトリビューションを完結させるのは限界があります。HubSpotのフォーム送信やメール開封などの1stパーティデータと組み合わせて評価するのが現実的です。
GA4とHubSpotでは計測ロジックが異なるため、数値が完全に一致することはありません。例えば、セッション数の定義やコンバージョンのカウント方法が異なります。両方のデータを参照しつつも、「どちらか一方を正とする」ルールを決めておくことが重要です。
UTMパラメータの命名ルールが統一されていない、トラッキングコードが一部ページに設置されていない、フィルター設定で自社アクセスを除外していない——こうした設定ミスは分析データの信頼性を著しく損ないます。導入時に一度しっかり設計し、定期的にデータの整合性を確認しましょう。
HubSpotとGA4の連携により、ウェブサイトのトラフィックデータとCRMの顧客データを紐づけ、マーケティングアトリビューションを正確に計測できるようになります。
まずはトラッキングコードの設置とUTMパラメータの設計から始めて、段階的にアトリビューションレポートの構築へ進めましょう。CRMにデータが蓄積されるほど、チャネルごとのROI分析が精緻になり、マーケティング投資の最適化が実現できます。
StartLinkでは、HubSpotの導入設計から運用定着まで、企業様の状況に合わせた支援を行っています。
「自社に合ったCRMの選び方がわからない」「HubSpotを導入したが活用しきれていない」——そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
はい、両方設置することをおすすめします。HubSpotのトラッキングコードはCRMとの連携(コンタクトの行動追跡)に必要で、GA4のタグはウェブサイト全体のトラフィック分析に必要です。GTMで一元管理すると運用がスムーズです。
直接的なネイティブ連携では、GA4のイベントデータをリアルタイムにHubSpotに取り込む機能は限定的です。より詳細なデータ連携が必要な場合は、Zapierなどの連携ツールやGoogle BigQueryを経由したデータパイプラインの構築が選択肢になります。
マルチタッチアトリビューションレポートはMarketing Hub Professional以上のプランで利用可能です。Starterプランでは基本的なトラフィック分析のみ対応しています。
HubSpotには「トラッキングURL作成ツール」が内蔵されており、統一的なUTMパラメータ付きURLを簡単に生成できます。社内のUTM命名規則をスプレッドシートでまとめ、全員が同じルールでURLを発行する運用にすると、データの一貫性が保てます。
HubSpotはGA4以外にも、Adobe AnalyticsやMixpanelなどのツールとGTM経由で連携可能です。ただし、ネイティブ連携の手厚さではGA4が最も充実しているため、特別な理由がなければGA4との連携を第一選択にするのがよいかなと思います。
この記事は2025年3月時点の情報に基づいています。HubSpotの機能は定期的にアップデートされるため、最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。
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