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CRM・SFA・MAの一元化戦略|ツールを統合して顧客データのサイロ化を解消する方法

作成者: |2026/02/24 2:19:20

「マーケが使っているMAと営業のSFAが連携しておらず、リードの引き渡しが毎回手作業になっている」「同じ顧客の情報がCRM、SFA、請求システム、Excelに分散していて、正しいデータがどこにあるのか誰もわからない」「ツールを増やすたびに"つなぎ"の作業が増え、情シスの工数がパンクしている」

日本のBtoB企業の多くが、こうした「ツール乱立」と「データサイロ化」の問題を抱えています。ある調査によると、平均的なBtoB企業では12.8個のSaaSツールが利用されており、それぞれが独立したデータベースを持つことで、顧客データの一元管理が極めて困難な状態になっています。

CRM SFA MA 統合は、単にツールを入れ替えるだけの問題ではありません。データサイロ 解消のためには、自社のIT成熟度・企業規模・業務要件に応じた最適な統合アプローチを選択し、データフロー全体を設計し直す必要があります。

本記事では、顧客データ 一元管理を実現するための戦略を体系的に解説します。データサイロの3つの類型、統合アプローチの比較(統合型プラットフォーム vs ベストオブブリード+iPaaS)、企業規模×IT成熟度による判断基準マトリクス、そしてデータフロー設計のパターンまで、情シスや導入担当者がすぐに使える実践フレームワークをお届けします。

この記事でわかること

  • 「ツール乱立」がBtoB企業にもたらす具体的なコストと損失
  • データサイロの3類型(部門サイロ・ツールサイロ・プロセスサイロ)と自社診断法
  • CRM SFA MA 統合の2大アプローチとそれぞれのメリット・デメリット
  • 企業規模×IT成熟度で最適な統合戦略を選ぶ判断基準マトリクス
  • データフロー設計の3パターン(Hub & Spoke型・Point-to-Point型・ESB型)
  • 統合プロジェクトの進め方と失敗を防ぐチェックリスト

「ツール乱立」の実態|なぜ顧客データは分散するのか

統合プラットフォーム画面の例:ダッシュボードと連携設定(出典:HubSpot)

BtoB企業のSaaS利用実態

日本のBtoB企業では、部門ごとに異なるツールを導入してきた結果、以下のような状況が生まれています。

部門 主な利用ツール 管理するデータ
マーケティング MA、CMS、広告管理、SNS管理、Webアナリティクス リード情報、行動履歴、キャンペーン成果
インサイドセールス SFA、CTI、メール/チャット 架電記録、商談メモ、対応履歴
フィールドセールス SFA、見積作成ツール、Excel 商談進捗、見積履歴、提案資料
カスタマーサクセス CSツール、チケット管理、Excel ヘルススコア、サポート履歴、利用状況
経理・法務 会計ソフト、契約管理 請求データ、契約書
情シス 各種管理画面 アカウント管理、ログ

この結果、一人の顧客の情報が5〜8個のシステムに分散し、「360度の顧客ビュー」は理想のまま実現できないケースが大半です。

データサイロが生むビジネスコスト

顧客データ 一元管理ができていないことで、以下のコストが発生しています。

定量的コスト:

  • データ突合・レポート作成に営業企画が月間40〜80時間を費やす
  • 重複データのクレンジングに情シスが年間100〜200時間を費やす
  • ツール間の手動データ入力により営業1人あたり週2〜3時間のロス

定性的コスト:

  • 「この顧客、先月もマーケからメール来てませんでしたか?」という顧客体験の悪化
  • 営業会議で「その数字は正しいのか」という議論に時間が消える
  • 部門間の不信感(「マーケのリードは質が低い」「営業がフォローしない」)

データサイロの3類型と自社診断

類型1:部門サイロ

特徴: 同じ種類のデータが部門ごとに別々に管理されている状態。

典型例:

  • マーケ部門が管理する「見込み顧客リスト」と営業部門の「顧客リスト」が別ファイル
  • CSが把握している顧客の不満情報が営業に共有されていない
  • 経理の請求データとSFAの受注データが月末まで突合できない

根本原因: 部門ごとの目標設定と評価制度。各部門が「自分たちのデータ」を自分たちのやり方で管理するインセンティブがある。

類型2:ツールサイロ

特徴: ツール間のデータ連携がなく、同じ情報が複数のシステムに重複入力されている状態。

典型例:

  • MAで獲得したリードをCSVエクスポートしてSFAにインポート
  • SFAの受注データを手動でExcelに転記して社内報告
  • CSツールから顧客の利用状況をコピペしてSFAの顧客メモに貼り付け

根本原因: ツール選定時に連携性を考慮していない。「各部門が最適なツールを選ぶ」ベストオブブリードの弊害。

類型3:プロセスサイロ

特徴: ツールやデータは共通化されていても、業務プロセスの定義が部門間で異なる状態。

典型例:

  • 同じCRMを使っているが、マーケと営業で「リード」の定義が異なる
  • パイプラインステージの進行条件が営業担当者ごとにバラバラ
  • 顧客の会社名の表記が統一されておらず(株式会社/(株)/省略など)、名寄せができない

根本原因: ツール導入時に運用ルールを定義していない。データガバナンスの不在。

データサイロ自己診断チェックリスト

診断項目 はい いいえ
マーケとSFAで同じリードを二重管理している
月次レポート作成に複数ツールからの手動集計が必要
「この顧客の最新情報はどこを見ればいいか」が人によって違う
ツール間のデータ連携にCSVインポート/エクスポートを使っている
同じ顧客企業が異なる表記で複数登録されている
部門間のデータ引き渡しにSlack/メールが介在する
解約した顧客にマーケからキャンペーンメールが届いたことがある
営業が「CRMに正確なデータがない」と感じている

「はい」が5個以上: データサイロが深刻な状態です。CRM SFA MA 統合の検討を優先的に進めましょう。

「はい」が3〜4個: 部分的なサイロが存在します。まずは最も影響の大きい領域から統合に着手しましょう。

「はい」が2個以下: 比較的良好な状態ですが、プロセスサイロが潜んでいないか確認してください。

統合アプローチ1:統合型プラットフォーム

統合型プラットフォームとは

CRM・SFA・MAの機能を1つのプラットフォーム上で提供するアプローチです。HubSpot、Salesforce(Marketing Cloud含む)、Zoho CRM Plus、Microsoft Dynamics 365などが該当します。

メリットとデメリット

観点 メリット デメリット
データ統合 同一DB上にデータが存在するため、リアルタイムで統合された顧客ビューが得られる ベンダーロックインのリスクがある
運用コスト ツール間連携の構築・保守が不要。管理画面が一つで済む 各機能の深さが専業ツールに劣る場合がある
導入速度 連携設定が不要なため、比較的短期間で稼働開始できる 既存ツールからの移行コストが大きい場合がある
カスタマイズ性 プラットフォーム内でのカスタマイズは容易 プラットフォームの制約を超えるカスタマイズは困難
スケーラビリティ 段階的に機能を追加しやすい 利用規模が大きくなるとコストが急増する場合がある

統合型プラットフォームが適するケース

  • 従業員300名以下の中小・中堅企業
  • CRM/SFA/MAをこれから初めて導入する企業
  • 情シス部門のリソースが限られている企業
  • 「シンプルに運用したい」を優先する企業
  • 顧客データ 一元管理を短期間で実現したい企業

統合アプローチ2:ベストオブブリード+iPaaS

ベストオブブリード+iPaaSとは

各機能分野で最も優れたツール(ベストオブブリード)を選定し、iPaaS(Integration Platform as a Service)でツール間のデータ連携を実現するアプローチです。iPaaSとしてはZapier、Make(旧Integromat)、Workato、Tray.ioなどがあります。

メリットとデメリット

観点 メリット デメリット
機能の深さ 各分野で最も優れたツールを選択できる ツール間のデータモデルの違いに対処が必要
柔軟性 特定ツールの入れ替えが比較的容易 連携設計・保守の継続的な工数が必要
コスト構造 必要な機能だけを選んで導入できる ツール費用+iPaaS費用+構築・保守費用の合計が高額になりやすい
データフロー 要件に応じた柔軟なデータフロー設計が可能 連携障害時のトラブルシュートが複雑
専門性 各部門が最適なUXのツールを使える 管理画面が複数になり、全体像の把握が困難

ベストオブブリード+iPaaSが適するケース

  • 従業員500名以上の大企業
  • すでに特定のツールに深く依存しており、移行が困難な企業
  • 専任の情シスチーム(3名以上)が存在する企業
  • 業界特有の要件があり、専業ツールが必要な企業
  • CRM 統合 プラットフォームでは満たせない高度な機能要件がある企業

判断基準マトリクス|企業規模×IT成熟度で選ぶ最適解

統合プラットフォーム画面の例:ダッシュボードと連携設定(出典:HubSpot)

マトリクスの考え方

CRM SFA MA 統合のアプローチは、「企業規模」と「IT成熟度」の2軸で最適解が変わります。

IT成熟度:低(Excel中心、専任情シスなし) IT成熟度:中(CRM導入済み、情シス1〜2名) IT成熟度:高(専任情シスチーム、API連携経験あり)
小規模(〜50名) 統合型PF(エントリープラン)一択 統合型PF(スタンダードプラン) 統合型PF or 軽量ベストオブブリード+Zapier
中規模(50〜300名) 統合型PF(導入支援パートナー活用) 統合型PF or ハイブリッド ベストオブブリード+iPaaS検討可
大規模(300名〜) 統合型PF(段階導入+パートナー伴走) ハイブリッド(コア機能は統合型PF+専業ツール併用) ベストオブブリード+iPaaS/ESB

各象限の詳細解説

小規模×IT成熟度低:

情シスリソースがないため、統合型プラットフォームのエントリープランで「まずCRMの基盤をつくる」ことが最優先です。ツールの選択肢を絞り、シンプルな運用からスタートしましょう。

中規模×IT成熟度中:

最も選択肢が多い象限です。統合型プラットフォームでコア機能をカバーしつつ、特定の領域(例:BI、チャットボット)で専業ツールを補完するハイブリッドアプローチが有効です。

大規模×IT成熟度高:

既存システムとの連携要件が複雑なため、iPaaSまたはESB(Enterprise Service Bus)を活用したベストオブブリードアプローチが適しています。ただし、構築・保守に専任チームが必要です。

判断のための5つのチェックポイント

CRM 統合 プラットフォームかベストオブブリードかを判断する際、以下の5つの観点で評価しましょう。

チェックポイント 統合型PFが有利 ベストオブブリードが有利
1. 既存ツールへの投資 既存投資が少ない/移行可能 既存ツールに多額の投資・カスタマイズ済み
2. 機能要件の深さ 標準機能で業務を回せる 特定機能に高度な要件がある
3. 情シスリソース 少ない(0〜2名) 豊富(3名以上、API連携スキルあり)
4. 導入スピード 早く稼働させたい(3ヶ月以内) 時間をかけてでも最適解を構築したい
5. 予算構造 月額費用を予測可能にしたい 初期投資+構築費を確保できる

データフロー設計の3パターン

データフロー設計とは

CRM SFA MA 統合において、ツールの選定と同じくらい重要なのが「データがどのように流れるか」の設計です。データサイロ 解消の鍵は、このデータフローの設計にあります。

パターン1:Hub & Spoke型

概要: 中心となるハブ(通常はCRM)を置き、各ツールはハブとのみデータを連携する。

        MA ──→ CRM ←── CSツール
                ↑↓
        SFA ──→ CRM ←── 会計ソフト
                ↑↓
              BIツール
項目 内容
メリット データの一貫性が高い。連携ポイントが明確。トラブルシュートが容易
デメリット ハブ(CRM)への負荷集中。ハブの障害が全体に影響
適するケース 統合型PFを中心に据える場合。中小〜中堅企業
構築難易度 低〜中

パターン2:Point-to-Point型

概要: 必要なツール間を個別に直接連携する。

        MA ←→ SFA
        ↕       ↕
      CSツール ←→ 会計ソフト
項目 内容
メリット 必要な連携だけを構築でき、初期コストが低い
デメリット ツール数が増えると連携ポイントが爆発的に増加(n×(n-1)/2)。保守が困難
適するケース ツール数が3〜4個以下の小規模環境。暫定的な連携
構築難易度 低(ただしツール数増加で急上昇)

パターン3:ESB / iPaaS型

概要: 統合レイヤー(ESBまたはiPaaS)を介して全ツールを連携する。

        MA ──→ iPaaS ←── CSツール
                ↑↓
        SFA ──→ iPaaS ←── 会計ソフト
                ↑↓
        CRM ──→ iPaaS ←── BIツール
項目 内容
メリット 統合ロジックを一元管理。ツールの追加・変更が容易。データ変換・マッピングが柔軟
デメリット iPaaS/ESBの費用が追加。設計・構築に専門スキルが必要
適するケース ツール数が5個以上。大規模企業。複雑なデータ変換要件がある場合
構築難易度 中〜高

自社に合ったパターンの選び方

判断軸 Hub & Spoke型 Point-to-Point型 ESB / iPaaS型
連携ツール数 3〜6個 2〜4個 5個以上
情シスリソース 1〜2名 0〜1名 3名以上
データ変換の複雑さ 低〜中 中〜高
将来のツール追加予定 あまりない ほぼない 今後も増える見込み
リアルタイム連携の要否 一部必要 不要 必要

統合プロジェクトの進め方|6ステップ

ステップ1:現状のツール・データ棚卸し(2〜4週間)

CRM SFA MA 統合プロジェクトの第一歩は、現在利用しているすべてのツールとデータの棚卸しです。

棚卸しテンプレート:

ツール名 利用部門 主な用途 保有データ 他ツールとの連携状況 月額費用 契約更新時期
例:MA-X マーケ リード管理・メール配信 リード情報3万件、行動履歴 SFAに手動CSV連携 10万円 2026/06

ステップ2:あるべき姿の定義(2〜3週間)

現状を把握したら、「統合後にどうなっていたいか」を定義します。

  • データの一元管理:顧客データ 一元管理の範囲と粒度を決める
  • プロセスの自動化:手動作業を自動化する優先順位を決める
  • レポーティングの統一:どのKPIを・誰が・どの頻度で確認するか
  • ユーザー体験:現場の入力負荷をどこまで減らすか

ステップ3:統合アプローチの選定(2〜3週間)

前述の判断基準マトリクスを使い、統合型プラットフォームかベストオブブリード+iPaaSかを決定します。

ステップ4:データクレンジングとマッピング(4〜6週間)

統合前に必ず行うべきなのがデータクレンジングです。サイロ化した状態でそのまま統合すると、「ゴミデータの統合」になります。

クレンジングチェックリスト:

項目 確認内容 対処法
重複レコード 同一企業・同一人物の重複 名寄せルールを定義して統合
表記揺れ 会社名、部署名、住所の不統一 正式名称マスタを作成
不完全データ 必須項目の欠損 欠損率を確認、補完可能か判断
古いデータ 退職者、倒産企業など 一定期間更新なしのレコードをアーカイブ
不正データ テスト用データ、明らかな誤入力 削除またはフラグ付与

ステップ5:構築・テスト・移行(4〜8週間)

データフローの構築、テスト環境での動作確認、本番環境への移行を行います。

移行時の注意点:

  • 一括移行(ビッグバン方式)ではなく、部門ごとの段階的移行を推奨
  • 旧ツールと新環境の並行稼働期間を2〜4週間設ける
  • 移行後のデータ整合性チェックを必ず実施
  • ロールバック計画を事前に策定

ステップ6:定着化と継続改善(継続)

統合は完了してからが本番です。

  • 統合後のデータ品質を定期的に監査する仕組みを構築
  • ユーザートレーニングを部門ごとに実施
  • 統合によって改善されたKPIを可視化し、社内に共有
  • 新たな連携ニーズが出てきた場合の追加対応プロセスを整備

統合プロジェクトの失敗を防ぐ7つのチェックポイント

CRM SFA MA 統合プロジェクトでよくある失敗を防ぐためのチェックポイントです。

# チェックポイント NG例 OK例
1 統合の目的が明確か 「とりあえずデータを一か所にまとめたい」 「リードの引き渡しを自動化し、フォロー率を90%以上にする」
2 現場を巻き込んでいるか 情シスと経営層だけで決定 営業・マーケ・CSのキーユーザーが要件定義に参加
3 データクレンジングを先にやるか サイロのまま統合→ゴミデータ統合 統合前にクレンジング→きれいなデータで統合
4 段階的に進めるか 全部門・全ツール同時移行 1部門ずつ段階的に移行
5 運用ルールを先に決めるか ツール導入後に「運用は現場に任せる」 統合前に入力ルール・命名規則・権限設計を策定
6 移行後のサポート体制があるか 導入して終わり ヘルプデスク・FAQの整備、定着化フォローの計画
7 効果測定の基準があるか 「便利になった気がする」で終わり 統合前後のKPI比較(レポート作成時間、データ重複率など)

統合後のデータガバナンス|維持するための仕組み

データサイロ 解消は一度きりのプロジェクトではありません。統合後のデータ品質を維持するには、継続的なガバナンスの仕組みが不可欠です。

データオーナーシップの明確化

データ領域 データオーナー 責任範囲
顧客マスタ 営業企画 会社名・連絡先の正確性、重複排除
リードデータ マーケ リード定義の管理、スコアリングルールの更新
商談データ 営業マネージャー パイプラインの正確性、ステージ定義の遵守
CSデータ CS責任者 ヘルススコアの更新、解約理由の記録
全体ガバナンス 情シス/RevOps データフロー全体の監視、連携障害対応

定期監査の仕組み

監査項目 頻度 担当 チェック内容
データ重複チェック 月次 情シス 重複レコードの検出・統合
データ欠損チェック 月次 データオーナー 必須項目の欠損率確認
連携エラーチェック 週次 情シス iPaaS/連携ツールのエラーログ確認
データフロー全体レビュー 四半期 RevOps/情シス 連携フローの有効性、不要な連携の廃止
ツール利用状況レビュー 四半期 情シス 利用率の低いツールの特定、統廃合検討

まとめ

CRM・SFA・MAの統合は、日本のBtoB企業が抱える「ツール乱立」と「データサイロ化」を解消し、顧客データ 一元管理を実現するための重要な経営課題です。

本記事の要点を振り返ります。

  • データサイロには3つの類型(部門サイロ・ツールサイロ・プロセスサイロ)があり、自社の課題を正確に把握することが第一歩
  • 統合アプローチは2つ:統合型プラットフォーム(シンプル・低コスト・短期)vs ベストオブブリード+iPaaS(柔軟・高機能・高コスト)
  • 最適解は企業規模×IT成熟度で異なる:判断基準マトリクスを活用して自社に合ったアプローチを選定する
  • データフロー設計はHub & Spoke型・Point-to-Point型・ESB/iPaaS型の3パターンから選ぶ
  • 統合は「プロジェクト」ではなく「プロセス」:統合後のデータガバナンスと定期監査の仕組みが成功の鍵

CRM SFA MA 統合を検討する際は、まず現状のツール棚卸しとデータサイロの診断から始めてください。そのうえで、自社の規模とIT成熟度に合ったアプローチを選び、段階的に統合を進めていくことが、データサイロ 解消への最短ルートです。

なお、CRM 統合 プラットフォームとしてHubSpotは、CRM・SFA・MA・CSの機能を一つのプラットフォーム上で提供しており、1,500以上のアプリとの連携も可能です。統合型プラットフォームの選択肢の一つとして検討する価値があります。

よくある質問(FAQ)

Q. CRM・SFA・MAをすべて統合型プラットフォームにまとめるべきですか?

A. 必ずしもそうとは限りません。企業規模が大きく、特定の機能領域に高度な要件がある場合は、ベストオブブリード+iPaaSのほうが適している場合もあります。判断基準マトリクス(企業規模×IT成熟度)を参考に、自社に最適なアプローチを選定してください。重要なのは「すべてを一つにする」ことではなく、「顧客データの一元管理」と「部門間のデータフロー」が確保されることです。

Q. 統合プロジェクトにはどのくらいの期間とコストがかかりますか?

A. 企業規模や統合範囲によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。中小企業(50名以下)で統合型PFに移行する場合は3〜4ヶ月・300〜500万円程度、中堅企業(50〜300名)でハイブリッドアプローチの場合は6〜9ヶ月・500〜1,500万円程度、大企業(300名以上)でベストオブブリード+iPaaSの場合は9〜18ヶ月・1,500〜5,000万円程度が目安です。

Q. 既存ツールからのデータ移行で最も注意すべき点は何ですか?

A. データクレンジングを移行前に必ず実施することです。サイロ化した状態のデータをそのまま統合すると、重複・表記揺れ・欠損が新環境にも持ち込まれ、「きれいな箱に汚いデータが入っている」状態になります。特に顧客マスタの名寄せ(会社名の統一、重複排除)は、移行前の最重要タスクです。

Q. iPaaS(Zapier、Makeなど)だけで統合は実現できますか?

A. 簡易的な連携であればiPaaSだけで実現可能ですが、限界もあります。iPaaSは基本的に「トリガー→アクション」の単方向連携が得意であり、双方向のリアルタイム同期や複雑なデータ変換ロジックには向いていません。ツール数が5個以上になる場合や、データ変換の要件が複雑な場合は、より本格的なiPaaS(Workato、Tray.ioなど)やESBの検討が必要です。

Q. 統合後、現場がツールを使わなくなるリスクを防ぐにはどうすればいいですか?

A. 統合プロジェクトにおいて「定着化」は最も見落とされやすく、最も重要なフェーズです。以下の3つの施策が有効です。(1) 現場のキーユーザーを要件定義フェーズから巻き込み、「自分たちのツール」という意識を醸成する。(2) 統合によって現場の入力負荷が減ることを具体的に示す(例:二重入力がなくなる、レポートが自動生成される)。(3) 統合後2ヶ月間は週次で「使い方相談会」を開催し、現場の困りごとに即時対応する。

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