「HubSpotとPardot(Account Engagement)、どちらのMAが自社に合うか決めきれない」
「Salesforceを使っているならPardot一択なのか、それともHubSpotのMA機能でも十分なのか」
——MA(マーケティングオートメーション)選定において、HubSpotとPardot(現Account Engagement)の比較は、特にBtoB企業で避けて通れないテーマです。
HubSpotはCRM・MA・SFA・CMSを統合したオールインワンプラットフォームです。Pardot(Account Engagement)はSalesforceが提供するBtoB向けMAツールで、Salesforce CRMとのネイティブ連携を強みとしています。
本記事では、両ツールを実務的な観点から比較し、自社に最適なMAを選ぶための判断基準を解説します。
この記事でわかること:
| 比較項目 | HubSpot | Pardot(Account Engagement) |
|---|---|---|
| 提供会社 | HubSpot, Inc. | Salesforce, Inc. |
| 製品コンセプト | オールインワン(MA+SFA+CRM+CMS統合) | BtoB特化MA(Salesforce CRM連携前提) |
| CRM | ○ HubSpot CRM(統合済み) | Salesforce CRM(別製品、連携前提) |
| 無料プラン | あり | なし |
| 最低月額 | 1,800円/シート(Starter)〜 | 約15万円〜/月(Growth) |
| 導入の難易度 | 低〜中 | 中〜高(Salesforce知識が前提) |
| 主なターゲット | 創業期〜中堅企業 | Salesforce利用企業(中堅〜大企業) |
| 機能 | HubSpot | Pardot |
|---|---|---|
| リード管理 | ○ リレーションDB(コンタクト・会社・取引・チケット統合) | ○ プロスペクト管理(Salesforce CRMと同期) |
| メール配信 | ○ ドラッグ&ドロップエディタ+パーソナライズ | ○ メールビルダー |
| フォーム | ○ 高機能フォームビルダー(プログレッシブフォーム対応) | ○ フォーム・ランディングページ |
| スコアリング | ○ エンゲージメント+属性の複合スコア | ○ スコアリング+グレーディング(属性評価) |
| ナーチャリング | ○ ワークフロー(高度な条件分岐) | ○ Engagement Studio(ドリッププログラム) |
| ウェブトラッキング | ○ ページ閲覧・流入元・行動履歴 | ○ ウェブ行動トラッキング |
MA基本機能としてはどちらも十分な水準です。スコアリングに関しては、Pardotの「スコア(行動)+グレード(属性)」の二軸評価は独特のアプローチです。HubSpotも複合スコアリングで同様の設計が可能ですが、Pardotの方がこの分野では長い歴史があります。
| 機能 | HubSpot | Pardot |
|---|---|---|
| ABM(アカウントベースドマーケティング) | ○ ABM機能搭載 | ○ Salesforce ABM連携 |
| シーケンス | ○ 営業メール自動フォロー | × Salesforce側のEngagement機能 |
| ワークフロー自動化 | ○ 高度な条件分岐・マルチステップ | ○ Engagement Studio+Automationルール |
| SNS管理 | ○ 投稿管理・分析 | ○ SNS連携 |
| 広告連携 | ○ Google/Meta/LinkedIn | △ 限定的 |
| AI機能 | ○ Breeze(Copilot、エージェント) | ○ Einstein AI |
| CMS | ○ Content Hub | × なし |
| レポート | ○ カスタムレポートビルダー | ○ B2B Marketing Analytics(別途) |
| 機能 | HubSpot | Pardot |
|---|---|---|
| カスタムオブジェクト | ○(Enterpriseプラン) | ○ Salesforce CRM側で対応 |
| API | ○ 充実したREST API | ○ Salesforce APIを通じて利用 |
| アプリ連携 | ○ 1,700以上のアプリ | ○ Salesforce AppExchange |
| Salesforce連携 | ○ HubSpot-Salesforce連携コネクタ | ◎ ネイティブ統合 |
| プラン | 月額(目安) | 主な機能 |
|---|---|---|
| 無料 | 0円 | CRM基本+制限付きMA |
| Starter | 1,800円/シート | カスタムプロパティ拡張 |
| Professional | 約96,000円〜/月 | ワークフロー、カスタムレポート、本格MA |
| Enterprise | 約384,000円〜/月 | カスタムオブジェクト、権限セット |
| プラン | 月額(目安) | 主な機能 |
|---|---|---|
| Growth | 約15万円 | メール配信、フォーム、スコアリング |
| Plus | 約33万円 | 高度な分析、A/Bテスト |
| Advanced | 約53万円 | AI予測、カスタムオブジェクト |
| Premium | 約180万円 | エンタープライズ向けフル機能 |
重要: Pardotの料金にはSalesforce CRMのライセンス費用は含まれていません。Pardotを利用するにはSalesforce CRMの契約が前提となるため、総コストは上記にSalesforceのユーザーライセンス費用を加算する必要があります。
コスト面で率直に言うと、HubSpotの方がかなりコストパフォーマンスが高いです。HubSpotのProfessionalプラン(約96,000円/月)でCRM+MA+SFA+レポートが含まれるのに対し、PardotのGrowthプラン(約15万円/月)はMA機能のみで、別途Salesforce CRMの費用が必要です。
ただし、既にSalesforceを全社導入している企業では、Pardotのネイティブ連携のメリットが大きいため、単純なコスト比較だけでは判断できません。
ここが結構ポイントになってくるのですが、「Salesforceを使っているから自動的にPardot」ではありません。
実は、SalesforceをCRMとして使いながら、MAはHubSpotを選択するというパターンも可能です。HubSpotにはSalesforceとの連携コネクタがあり、データの双方向同期ができます。MAとSFAを切り分けて導入することは実務上も十分にありえるアプローチです。
Pardotの最大の強みはSalesforceとのネイティブ連携です。ただし、導入・運用にはSalesforceの専門知識が必要で、ランニングコストも高額になります。コストと運用体制の両面で無理なく回せるかを冷静に判断することが大切です。
HubSpotとPardot(Account Engagement)の選択は、「CRM基盤がどこにあるか」と「コスト・運用体制のバランス」で決まるかなと思います。
Salesforceを全社基盤として深く活用し、専門の管理者がいて、予算に余裕がある企業にはPardotが適しています。一方、CRM・MAを新規導入する企業、コストパフォーマンスを重視する企業、シンプルに始めたい企業にはHubSpotが適しています。
MA選定は長期的なプラットフォーム戦略に関わる意思決定です。まずは自社のCRM基盤の現状と将来構想を整理した上で、両ツールの無料トライアルやデモを試してみてください。
StartLinkでは、HubSpotの導入設計から運用定着まで、企業様の状況に合わせた支援を行っています。
「自社に合ったCRMの選び方がわからない」「HubSpotを導入したが活用しきれていない」——そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
移行規模によりますが、中小〜中堅企業であれば1〜3ヶ月程度で移行可能です。コンタクト・会社・取引の基本データはCSV/Excel形式でインポートでき、HubSpotのインポートツールは直感的です。ただし、Salesforceのカスタムオブジェクトやワークフローの再構築は手動で行う必要があります。
HubSpot-Salesforce連携コネクタを使えばデータの双方向同期は可能です。注意点としては、リードのオーナーシップルール(どちらが正とするか)を明確にすること、同期するプロパティの範囲を最初に設計すること、が挙げられます。
PardotからHubSpotへ移行する企業は増えています。主な移行理由は、コスト削減、操作性の向上、CRM・MA・CMSの統合による運用効率化です。移行時にはメールテンプレート、フォーム、スコアリング設定、ワークフローの再構築が必要です。
どちらも行動ベースと属性ベースの二軸評価が可能です。Pardotの方が「スコア」と「グレード」を明確に分離しており、直感的に理解しやすい面があります。HubSpotは複合スコアとして1つのスコアにまとめることも、分離することも柔軟に設計できます。
Einstein AIはSalesforceエコシステム内のAI基盤で、予測分析やスコアリング予測に強みがあります。Breeze AIはHubSpotのAI基盤で、Copilot(AI支援)、エージェント(自律的タスク実行)、Intelligence(データエンリッチメント)の3層構造です。どちらも進化途中ですが、HubSpotはBreezeをより手軽に使える設計にしている印象です。