HubSpot - AI Studio|HubSpotと生成AIの技術特化メディア

セールスシーケンスの設計ガイド|メール×架電×SNSのマルチタッチ設計テンプレート

作成者: 今枝 拓海|2026/03/11 10:32:00

セールスシーケンス(ケイデンス)とは、見込み顧客に対する複数チャネル・複数回のアプローチを計画的に設計した「接触シナリオ」です。「何を」「いつ」「どのチャネルで」「何を伝えるか」をあらかじめ設計することで、営業の属人化を排除し、再現性のある商談創出を実現します。本記事では、シーケンスの基本設計原則からターゲット別のテンプレート、HubSpotシーケンス機能の活用法まで、実務で即使える内容を解説します。

「同じリストにアプローチしているのに、AさんはアポをよくとれるがBさんはほとんどとれない」——こんな属人的な営業成果のバラつきに悩んでいませんか。

この問題の根本原因は、営業アプローチの「型」が定義されていないことにあります。いつ電話をかけ、何通目のメールで何を伝え、SNSではどのタイミングで接触するか——この「アプローチの設計図」がないまま個人の判断に委ねていては、成果の再現性は生まれません。

この「設計図」にあたるものが、セールスシーケンス(ケイデンス)です。

セールスシーケンスとは、ターゲットに対するマルチチャネル・マルチタッチのアプローチ計画を時系列で定義したものです。米国では「Sales Cadence」とも呼ばれ、SaaS企業を中心にインサイドセールス組織の標準装備となっています。

本記事では、セールスシーケンスの設計原則、ターゲット別の実践テンプレート、各タッチポイントのメッセージ設計、そしてHubSpotのシーケンス機能を活用した運用方法まで体系的に解説します。

本記事はStartLinkの「BtoBマーケティング完全ガイド」関連記事です。

この記事でわかること

  • セールスシーケンスの定義と、なぜ必要なのか
  • シーケンス設計の5つの基本原則
  • ターゲットタイプ別のシーケンステンプレート(5パターン)
  • 各タッチポイントのメッセージ設計手法
  • HubSpotシーケンス機能の活用方法
  • シーケンスの効果測定と継続的改善の進め方
  • シーケンス運用でよくある失敗とその回避策

セールスシーケンスとは

定義

セールスシーケンスとは、特定のターゲットに対して、複数のチャネル(メール・電話・SNSなど)を使い、複数回のタッチポイントを時系列で計画した「営業アプローチの設計図」です。

シーケンスを構成する要素は以下の4つです。

要素 内容
タッチポイント アプローチの一つ一つの行動 メール送信、電話、LinkedInメッセージ
チャネル タッチポイントで使う手段 メール、電話、SNS、手紙
タイミング 各タッチポイントの間隔 Day 1、Day 3、Day 5...
メッセージ 各タッチポイントで伝える内容 課題仮説、事例、提案

なぜシーケンスが必要なのか

理由1:適切な接触回数を確保するため

TOPO(現Gartner)の調査によると、BtoB営業でアポイントを獲得するために必要な平均接触回数は8〜12回です。しかし、多くの営業担当者は2〜3回の接触で諦めてしまいます。シーケンスを設計することで、計画的に必要な接触回数を確保できます。

理由2:営業の属人化を排除するため

トップセールスのアプローチパターンを「型」として定義し、チーム全体で共有することで、個人の経験やセンスに依存しない営業組織を構築できます。

理由3:データドリブンな改善を可能にするため

シーケンスが定義されていれば、「何日目のメールの開封率が低い」「3回目の電話で接続率が上がる」といったデータ分析が可能になります。このデータを基にシーケンスを継続的に改善できます。

理由4:マネジメントの基盤になるため

「何件のシーケンスが稼働中で、何日目のタッチポイントにいるか」が可視化されることで、マネージャーは営業活動の進捗を正確に把握し、的確な指導ができます。

シーケンスとワークフローの違い

混同されやすい「シーケンス」と「ワークフロー(MA)」の違いを整理します。

比較項目 シーケンス ワークフロー(MA)
対象 特定の見込み客(1対1) セグメント(1対多)
実行者 営業担当者(手動+半自動) マーケティング(完全自動)
カスタマイズ 高い(個別編集可能) 低い(テンプレート送信)
タッチポイント メール+電話+SNS メール中心
目的 商談創出 リードナーチャリング
ツール HubSpot Sales Hub等 HubSpot Marketing Hub等

シーケンス設計の5つの基本原則

原則1:マルチチャネルで設計する

シーケンスは必ず2つ以上のチャネルを組み合わせて設計します。

SalesLoftの分析では、3チャネル以上を使ったシーケンスは、メールのみのシーケンスと比較して返信率が2.5倍向上するという結果が出ています。

推奨するチャネルの組み合わせは以下の通りです。

パターン チャネル構成 適したターゲット
ライト メール + 電話 Tier 3・SMBターゲット
スタンダード メール + 電話 + LinkedIn Tier 2・Mid-Marketターゲット
ヘビー メール + 電話 + LinkedIn + 手紙 Tier 1・エンタープライズ

原則2:適切なタッチ数と期間を設定する

タッチ数と期間はターゲットの特性に応じて設計しますが、一般的な目安は以下の通りです。

ターゲットタイプ 推奨タッチ数 推奨期間 タッチ間隔
インバウンドリード(ウォーム) 6〜8タッチ 10〜14日 1〜2日
アウトバウンド(コールド・SMB) 8〜10タッチ 14〜21日 2〜3日
アウトバウンド(コールド・MM) 10〜14タッチ 21〜30日 2〜3日
アウトバウンド(コールド・Enterprise) 14〜18タッチ 30〜45日 2〜4日

原則3:最初のタッチを最も重要視する

シーケンスの成否は最初の1〜3タッチで8割が決まります。

最初のタッチポイントでは、以下を徹底します。

  • パーソナライズ: ターゲット企業・担当者に固有の情報を含める
  • 価値提供: 自社の宣伝ではなく、相手にとって有益な情報を提供する
  • スピード: インバウンドリードの場合は5分以内に接触する
  • 課題仮説: 「こういう課題をお持ちではないですか?」という仮説を提示する

原則4:各タッチに「理由」を持たせる

「フォローアップのご連絡です」というメッセージは価値がありません。各タッチポイントには、連絡する明確な理由が必要です。

良いタッチの理由の例

タッチ 理由
1st メール ターゲット企業のニュースリリースに触れ、課題仮説を提示
2nd 電話 メールの件で電話。メールを送った理由を口頭で補足
3rd メール 同業界の成功事例を共有(新しい情報提供)
4th LinkedIn 相手が関心を持ちそうな業界記事をシェア
5th 電話 業界トレンドに関する新しいインサイトを提供
6th メール 具体的なミーティング提案(候補日提示)

原則5:終了条件を明確に定義する

シーケンスの終了条件をあらかじめ定義しておくことで、無限にフォローし続ける非効率を防ぎます。

シーケンスの終了条件

  • 返信を受け取った(肯定的/否定的いずれも)
  • アポイントが確定した
  • 全タッチポイントを完了した
  • 不在通知やバウンスメールで接触不能と判明した
  • 相手から明確な拒否の意思表示があった

終了後の処理として、以下のルールを設定します。

  • アポ獲得 → フィールドセールスにトスアップ
  • 全タッチ完了・反応なし → 90日後に別シーケンスで再アプローチ、またはマーケティングのナーチャリングリストに移行
  • 明確な拒否 → DNC(Do Not Contact)リストに登録

ターゲットタイプ別シーケンステンプレート

テンプレート1:インバウンドリード向け(ウォーム)— 10日間・8タッチ

ホワイトペーパーDLや問い合わせフォームからのリードに対するシーケンスです。

Day チャネル アクション メッセージのポイント
0 電話 即架電(5分以内) 「先ほど{資料名}をDLいただきありがとうございます。{テーマ}について情報交換できればと思いお電話しました」
0 メール 不在時フォローメール 電話した旨と、DL資料の補足情報を添える
1 電話 フォローコール① 前日電話した件。別の時間帯にかける
2 メール メール②送信 DL資料に関連する事例を紹介
3 電話 フォローコール② 朝一または夕方にかける(接続率が高い時間帯)
5 メール メール③送信 「{課題}に関する無料相談のご案内」
7 電話 フォローコール③ 新しい切り口(業界トレンド)で再架電
10 メール ブレイクアップメール 「タイミングが合わなかったかもしれません」

ポイント: インバウンドリードは「熱い」うちに接触することが最重要です。Day 0の初回接触を5分以内に行い、最初の3日間で集中的にタッチします。

テンプレート2:コールドアウトバウンド SMB向け — 14日間・10タッチ

従業員50〜200名規模の中小企業に対するアウトバウンドシーケンスです。

Day チャネル アクション メッセージのポイント
1 メール パーソナライズメール① 企業のWebサイト/採用情報を基にした課題仮説
2 電話 フォローコール① 「昨日メールをお送りした件で」
4 メール メール②送信 同業種・同規模企業の成功事例を共有
5 電話 フォローコール② 事例の件で電話
7 LinkedIn 接続リクエスト 短いパーソナライズメッセージ付き
8 メール メール③送信 業界レポートやチェックリストなど無料コンテンツ提供
10 電話 フォローコール③ 「15分で概要をお伝えできます」
11 メール メール④送信 具体的な候補日時を提案
13 電話 フォローコール④ 「最後のご連絡になります」
14 メール ブレイクアップメール 一旦区切りの連絡。ナーチャリングへ移行

テンプレート3:コールドアウトバウンド Mid-Market向け — 21日間・14タッチ

従業員200〜1,000名規模の中堅企業に対するアウトバウンドシーケンスです。

Day チャネル アクション メッセージのポイント
1 リサーチ ターゲット企業の徹底調査 IR資料・ニュース・採用情報・SNSの確認
2 メール パーソナライズメール① トリガーイベント起点の課題仮説
3 電話 フォローコール① メールの件で架電
4 LinkedIn 接続リクエスト送信 共通点を含むメッセージ
6 メール メール②送信 同業界の詳細事例を共有
7 電話 フォローコール② 事例の補足説明
9 LinkedIn 投稿にコメント/いいね 相手の活動に自然に反応
10 メール メール③送信 ROI試算や診断レポートの提案
12 電話 フォローコール③ 新しい切り口で再架電
14 LinkedIn DMメッセージ送信 メールの補足をLinkedInで
16 メール メール④送信 カスタマイズした提案概要
18 電話 フォローコール④ 候補日を持って架電
20 メール メール⑤送信 具体的な打ち合わせ提案
21 メール ブレイクアップメール ナーチャリング移行

テンプレート4:エンタープライズ向け — 30日間・18タッチ

従業員1,000名以上の大企業に対するフルカスタマイズシーケンスです。

Day チャネル アクション メッセージのポイント
1 リサーチ 徹底リサーチ(2〜3時間) 有価証券報告書、中期経営計画、経営陣のインタビュー記事
2 LinkedIn 接続リクエスト 深いリサーチに基づくメッセージ
3 メール パーソナライズメール① 中期経営計画の特定施策に触れた課題仮説
5 電話 フォローコール① 「先日メールをお送りした{自社名}の{名前}です」
7 LinkedIn 投稿にコメント 経営層の投稿に価値あるコメント
8 メール メール②送信 業界のリサーチレポートを提供
10 電話 フォローコール② レポートの補足説明
12 手紙 手書きの手紙送付 なぜ御社に手紙を書いたかを明記。資料同封
14 電話 フォローコール③ 手紙の件で電話
16 メール メール③送信 同規模・同業界の成功事例(ROI付き)
18 LinkedIn 業界記事をシェア+メンション 相手の関心領域の記事を共有
20 電話 フォローコール④ 事例の詳細を口頭で補足
22 メール メール④送信 カスタムのROI試算レポートを添付
24 紹介依頼 社内ネットワークの活用 共通の知人がいないか確認し、紹介を依頼
26 電話 フォローコール⑤ 「改めてご提案したいことがございます」
28 メール メール⑤送信 具体的なミーティング候補日を提案
29 LinkedIn 最終メッセージ SNSからもミーティングを提案
30 メール ブレイクアップメール 一旦区切り。90日後に再シーケンス設定

テンプレート5:失注リカバリー向け — 30日間・8タッチ

過去に商談化したが失注・保留になった企業への再アプローチシーケンスです。

Day チャネル アクション メッセージのポイント
1 メール 再アプローチメール 「ご検討いただいた際から{変化点}が変わりましたのでご連絡しました」
3 電話 フォローコール 「以前ご検討いただいた件の続報です」
7 メール メール②送信 新機能や新事例など「変化」を伝える
10 LinkedIn メッセージ カジュアルに近況を聞く
14 メール メール③送信 前回の検討で出た課題に対するアップデート情報
20 電話 フォローコール② 「状況に変化はございましたか?」
25 メール メール④送信 無料診断やワークショップの提案
30 メール ブレイクアップメール 次のタイミングで改めて連絡する旨を伝える

各タッチポイントのメッセージ設計

メールメッセージの設計原則

シーケンス内のメールは、1通ごとに異なる「角度」からアプローチします。同じメッセージの繰り返しはスパムと認識されます。

メールの角度パターン

メール # 角度 テーマ例
1st 課題仮説 「{課題}でお困りではないですか?」
2nd 事例共有 「{実名企業}の事例をご紹介します」
3rd インサイト 「{業界}の最新トレンドレポート」
4th 具体的提案 「御社に合った解決策のご提案」
5th ブレイクアップ 「タイミングが合わなかったかもしれません」

電話(コール)のスクリプト設計

電話は「台本の棒読み」ではなく、「会話のフレームワーク」として設計します。

コールのフレームワーク(OPEN構造)

ステップ 内容 時間
Opening 名乗り + なぜ電話したかの理由 10秒
Problem ターゲット企業の課題仮説を提示 20秒
Evidence 同業界での実績・事例を簡潔に紹介 15秒
Next step 具体的なネクストステップを提案 10秒

合計60秒以内で要点を伝え、相手の反応を待ちます。1分以上一方的に話すと、電話を切られるリスクが高まります。

接続できなかった場合のボイスメール

30秒以内のボイスメールを残します。

「{自社名}の{名前}です。{テーマ}についてお電話しました。
{同業界の実名企業}でも取り組まれている{課題テーマ}について、
15分ほどお時間いただければ有益な情報をお伝えできます。
{電話番号}までご連絡ください。メールでもご連絡しますので、
お手隙の際にご確認いただけますと幸いです。」

SNS(LinkedIn)メッセージの設計

LinkedInメッセージは、メールよりもカジュアルなトーンで短く書きます。

接続リクエストメッセージ(300文字以内)

{相手の名前}さん

{企業名}の{取り組み/投稿}を拝見し、{テーマ}に
関心をお持ちだと思い接続リクエストをお送りしました。

{業界}における{課題テーマ}について情報交換させていただければ嬉しいです。

{自分の名前}

接続後のDMメッセージ(最初のメッセージ)

接続いただきありがとうございます!

{相手の最近の投稿/活動}について拝見しました。
{感想や質問を1文で}

私は{自社名}で{自分の役割}をしています。
{業界}の{テーマ}について、もしお時間あれば
お話させていただけると嬉しいです。

注意点: LinkedInで接続直後にセールスピッチを送ると逆効果です。まずは情報提供や質問から入り、関係を温めてからミーティングを提案しましょう。

HubSpotシーケンス機能の活用

HubSpotシーケンスとは

HubSpot Sales Hubのシーケンス機能は、メールの自動送信とタスクの自動作成を組み合わせたセールスオートメーションツールです。

主な機能

  • メールテンプレートのスケジュール送信
  • 架電・LinkedIn連絡のタスク自動作成
  • リードの返信をトリガーにしたシーケンスの自動停止
  • シーケンスごとのパフォーマンス分析
  • A/Bテスト機能

HubSpotでのシーケンス設計手順

Step 1:シーケンスの作成

HubSpotの「シーケンス」メニューから新規シーケンスを作成します。

Step 2:ステップの追加

各タッチポイントをステップとして追加します。

  • 自動メール: テンプレートを選択し、送信間隔を設定
  • 手動メール: SDRが内容を編集してから送信するステップ
  • タスク: 「電話する」「LinkedInメッセージを送る」等のToDoを自動作成

Step 3:パーソナライズトークンの設定

メールテンプレート内に「{企業名}」「{名前}」「{業界}」などのトークンを設定し、自動的にパーソナライズされるようにします。

Step 4:送信設定

  • 送信時間帯:ターゲットの営業時間内(9:00〜18:00)
  • 曜日:火〜木が最も開封率・返信率が高い
  • タイムゾーン:ターゲットのタイムゾーンに合わせる

Step 5:登録

CRMのコンタクトレコードからシーケンスに登録します。一度に複数のコンタクトを登録することも可能です。

HubSpotシーケンスの利用条件

HubSpotシーケンスを利用するには、Sales Hub ProfessionalまたはEnterprise、もしくはService Hub ProfessionalまたはEnterpriseのライセンスが必要です。Starterプランでは利用できません。

また、1日あたりの送信上限があります(1ユーザーあたり通常500件/日)。大量のリードに同時にシーケンスを実行する場合は、この上限を考慮して計画しましょう。

シーケンス設計のベストプラクティス(HubSpot活用)

Salesforce(旧Pardot)からHubSpotに移行した企業の事例では、以下のベストプラクティスが報告されています。

  • シーケンスの長さは5〜7ステップに収める(長すぎるとメンテナンスが煩雑)
  • 自動メールと手動メールを交互に配置する(完全自動化よりもパーソナライズのバランスが重要)
  • 架電タスクは「午前の架電ブロック」に集約する
  • シーケンス完了後のアクション(ナーチャリングリストへの移行)をワークフローで自動化する

シーケンスの効果測定と継続的改善

測定すべきKPI

シーケンスの効果を測定するKPIを3つのレベルで設定します。

シーケンス全体のKPI

指標 計算式 目標値
商談化率 商談数 ÷ シーケンス登録数 5〜15%
平均商談化タッチ数 商談化までの総タッチ数 ÷ 商談数 6〜10タッチ
シーケンス完了率 最終ステップ到達数 ÷ 登録数 70〜85%
離脱ステップ分析 各ステップでの離脱(返信/アポ/拒否)率

ステップ別KPI(メール)

指標 目標値
開封率 35〜50%
返信率 5〜15%
クリック率 3〜8%
バウンス率 2%以下
配信停止率 0.5%以下

ステップ別KPI(電話)

指標 目標値
接続率 10〜25%
会話→アポ率 8〜20%
ボイスメール率 60〜80%

A/Bテストの実施

シーケンスの改善にはA/Bテストが不可欠です。テストすべき主要な変数は以下の通りです。

テスト1:メールの件名

同じ本文で、件名だけを変えた2パターンを比較します。

  • パターンA:「{企業名}様の{課題}について」(具体的)
  • パターンB:「{業界}企業の成功事例」(汎用的)

テスト2:最初のタッチポイント

  • パターンA:メール先行(Day 1 メール → Day 2 電話)
  • パターンB:電話先行(Day 1 電話 → Day 1 フォローメール)

テスト3:タッチ間隔

  • パターンA:2日間隔(密度高い)
  • パターンB:3日間隔(間を空ける)

テスト4:メールの長さ

  • パターンA:100文字以内の超短文
  • パターンB:200〜300文字の標準文

各テストは最低50件以上のサンプルで実施し、統計的に有意な差が出てから結論を出します。HubSpotのシーケンス分析機能を使えば、ステップ別のパフォーマンスを自動的にトラッキングできます。

改善サイクルの回し方

サイクル 頻度 内容
日次 毎日 タスク完了率の確認。未完了タスクのフォロー
週次 毎週金曜 ステップ別KPIの確認。メッセージの微調整
月次 毎月末 シーケンス全体の商談化率分析。A/Bテスト結果の反映
四半期 3ヶ月ごと シーケンスの抜本見直し。新テンプレートの追加

シーケンス運用でよくある失敗と回避策

失敗1:テンプレートの使い回し

同じメールテンプレートを全ターゲットに使い回すと、パーソナライズが不足し返信率が低下します。

回避策: Tier 1はフルカスタマイズ、Tier 2はセミカスタマイズ(テンプレート + 個別情報の追加)、Tier 3はテンプレートベースと、Tierに応じたカスタマイズレベルを設定します。

失敗2:タッチ数の不足

2〜3回のアプローチで諦めてしまう営業担当者が多いです。

回避策: シーケンスをツールで管理し、「全ステップの完了」を活動KPIに設定します。シーケンス完了率を80%以上に維持することを目標にします。

失敗3:チャネルの偏り

メールだけ、電話だけのシーケンスは効果が限定的です。

回避策: 設計段階で「最低2チャネル」をルール化し、各チャネルの比率をテンプレートで定めます。

失敗4:データの未記録

シーケンスの活動をCRMに記録しないと、効果測定も改善もできません。

回避策: HubSpotのシーケンス機能を使えば、メール送信・開封・返信が自動的にCRMに記録されます。電話タスクの結果も、架電後すぐにCRMに入力するルールを徹底します。

失敗5:ブレイクアップメールの省略

シーケンスの最後に「一旦区切り」のメールを送らない企業が多いですが、ブレイクアップメールは実は返信率が最も高いステップの一つです。

回避策: 全シーケンスの最終ステップにブレイクアップメールを必ず設定します。「今は適切なタイミングではないかもしれません」というメッセージが、相手の心理的ハードルを下げ、返信を促します。

関連記事

シーケンス設計をさらに深めたい方は、以下の記事もご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. シーケンスの最適なタッチ数は何回ですか?

A. ターゲットのタイプによって異なりますが、一般的にはインバウンドリードで6〜8タッチ、コールドアウトバウンド(SMB)で8〜10タッチ、エンタープライズ向けで14〜18タッチが目安です。TOPO(現Gartner)の調査では、アポイント獲得に必要な平均接触回数は8〜12回とされています。重要なのは回数そのものよりも、各タッチに「新しい価値」を持たせることです。

Q2. シーケンスで最も返信率が高いのはどのタッチですか?

A. 多くの調査で、「1st メール」と「ブレイクアップメール(最終メール)」の返信率が最も高いことが報告されています。1st メールはターゲットにとって最初の接触であり関心を引きやすく、ブレイクアップメールは「もう連絡しません」という前提が心理的ハードルを下げるためです。中間のメール(3rd〜4th)は最も反応が低い傾向にあるため、ここにインパクトのあるコンテンツ(事例、ROI試算)を配置する工夫が必要です。

Q3. HubSpotのシーケンスとワークフロー、どちらを使うべきですか?

A. 使い分けの基準は「1対1のパーソナライズが必要かどうか」です。SDR/BDRが個別のターゲットに対してパーソナライズしたアプローチを行う場合はシーケンス、マーケティングがセグメント単位で自動メールを配信する場合はワークフローを使います。シーケンスは担当者がメールを編集してから送信できるため、よりパーソナルなコミュニケーションが可能です。

Q4. シーケンスの効果が出ない場合、何を見直すべきですか?

A. まず確認すべきは以下の3点です。第一に、ターゲットリストの質。ICPに合致しないターゲットにアプローチしても効果は出ません。第二に、最初のメールの件名と冒頭文。開封率が30%を下回っている場合は件名に問題があります。第三に、シーケンス完了率。70%を下回っている場合は、営業担当者がシーケンスを途中で放棄している可能性があり、マネジメントの課題です。

Q5. 一人の担当者が同時に稼働させるシーケンス数の目安は?

A. SDR1名あたり、同時に50〜100件のシーケンスを稼働させるのが一般的です。ただし、Tier 1向けのフルカスタマイズシーケンスは手動タスクが多いため、10〜20件が限界です。Tier 3向けの自動化率が高いシーケンスであれば100件以上の同時稼働も可能です。HubSpotでは1ユーザーあたりの登録上限がプランによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

セールスシーケンスは、営業アプローチの「属人化」を排除し、再現性のある商談創出を実現するための「設計図」です。メール・電話・SNS・手紙を戦略的に組み合わせ、ターゲットのTier・業界・役職に応じた最適なタッチポイントを設計することで、単一チャネルでは得られない接触率と商談化率を実現できます。

まずは自社のターゲットに合ったテンプレートを1つ選び、小さく始めてデータを蓄積し、A/Bテストで継続的に改善していくことが成功への近道です。

CTA

セールスシーケンスの設計やHubSpotシーケンス機能の導入でお悩みでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。ターゲット分析からシーケンステンプレートの作成、CRMの設定まで、貴社の営業プロセスに合った仕組みをご提案します。

無料相談はこちら →

カテゴリナビゲーション: