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Senses(Mazrica)からHubSpotへの移行ガイド|SFA機能の再現と営業フロー再設計の方法

作成者: 今枝 拓海|2026/03/11 10:31:40

「Sensesで営業管理をしているが、マーケティングとの連携が弱い」「CRMとSFAを一つのプラットフォームに統合したい」——Senses(Mazrica Sales)からHubSpotへの移行を検討する企業は、こうした課題を感じていることが多いです。

Sensesは株式会社マツリカが提供する国産SFA(営業支援システム)で、直感的な案件ボードUI、AIによる受注確度予測、名刺管理機能などが特徴です。営業チームの現場での使いやすさに定評があります。

一方、HubSpotはCRM・MA・SFA・カスタマーサポートを統合したプラットフォームで、マーケティングから営業、カスタマーサクセスまでの一気通貫管理が可能です。

本記事では、Sensesの主要機能をHubSpotでどう再現するか、データ移行の具体的手順、営業フロー再設計のポイントを解説します。

本記事はStartLinkの「HubSpot完全ガイド」関連記事です。

この記事でわかること

  • Sensesの案件ボードをHubSpot取引パイプラインに変換する方法
  • SensesのAIフォーキャスト機能のHubSpotでの代替
  • Sensesの名刺管理からHubSpotコンタクトへの移行手順
  • データエクスポート・インポートの具体的な手順
  • 移行に伴う営業フローの再設計ポイント

SensesとHubSpotの機能比較

全体像の比較

SensesはSFAに特化したツールであり、HubSpotはCRM・MA・SFA・CSを統合したプラットフォームです。機能の範囲が異なるため、移行時には「Sensesで実現していた機能」と「HubSpotで新たに実現できる機能」の両面から設計を行います。

機能領域 Senses HubSpot
案件管理(SFA) 案件ボード 取引パイプライン
顧客管理(CRM) 取引先・コンタクト 企業・コンタクト
名刺管理 名刺OCR取込 コンタクト(名刺連携アプリ)
アクション管理 アクション記録 アクティビティ(メモ・タスク・通話)
AIフォーキャスト 受注確度予測 予測リードスコアリング・AIフォーキャスト
メール連携 Gmail/Outlook連携 Gmail/Outlook連携(双方向)
レポート ファネルレポート・分析 カスタムレポート・ダッシュボード
マーケティング なし Marketing Hub(MA・メール・LP・広告)
カスタマーサポート なし Service Hub(チケット・ナレッジベース)

移行によるメリット

SensesからHubSpotに移行することで、以下のメリットが期待できます。

  • マーケティングと営業の一体化: HubSpot Marketing Hubとの連携により、リード獲得から商談化、受注までを一つのプラットフォームで管理できる
  • カスタマーサクセスとの連携: Service Hubを活用することで、受注後のサポート対応も同じCRMで管理できる
  • 豊富な連携アプリ: HubSpotアプリマーケットプレイスの1,700以上のアプリと連携可能
  • 無料CRM基盤: HubSpotの無料CRMでも基本的なコンタクト・企業・取引管理が利用可能

案件ボード → HubSpot取引パイプラインの変換

Sensesの案件ボードの特徴

Sensesの案件ボードは、カンバン形式で商談の進捗を視覚的に管理できる機能です。ドラッグ&ドロップで案件のステージを変更でき、各カードには金額・担当者・更新日などの情報が表示されます。

Sensesの案件ボードで一般的に使われるフェーズ構成は以下のようなものです。

  • 初回接触
  • ヒアリング
  • 提案
  • 見積提出
  • クロージング
  • 受注 / 失注

HubSpot取引パイプラインへの変換

HubSpotの取引パイプラインもカンバン形式(ボードビュー)で表示でき、Sensesとほぼ同じ操作感で商談を管理できます。

パイプラインステージの設計

SensesのフェーズをそのままHubSpotのパイプラインステージに移行することが基本ですが、HubSpotでは各ステージに「確率」を設定できるため、この機会に確率の見直しも行いましょう。

Sensesフェーズ HubSpotステージ 確率 ステージでの必須項目(例)
初回接触 初回接触 10% 担当者、企業名
ヒアリング ヒアリング完了 20% 課題、予算感
提案 提案 40% 提案資料URL
見積提出 見積中 60% 見積金額
クロージング 交渉・最終調整 80% 契約予定日
受注 受注 100% 受注日、契約金額
失注 失注 0% 失注理由

複数パイプラインの活用

Sensesで1つの案件ボードに複数の営業プロセス(新規商談と既存顧客のアップセル等)を混在させていた場合は、HubSpotで複数のパイプラインに分離することを検討してください。パイプラインを分けることで、営業プロセスごとのコンバージョン率や平均商談期間を正確に分析できるようになります。

ボードビューのカスタマイズ

HubSpotの取引ボードビューでは、カードに表示する情報をカスタマイズできます。Sensesの案件カードに表示していた情報(金額、担当者、次回アクション日、更新日など)を、HubSpotのボードカードにも反映させましょう。

設定手順は以下のとおりです。

  1. 取引の一覧画面で「ボード」ビューに切り替え
  2. 右上の「ボードアクション」→「カードを編集」をクリック
  3. カードに表示するプロパティを選択・並び替え
  4. 保存

AIフォーキャスト → HubSpot予測ツール

SensesのAIフォーキャスト

Sensesの大きな特徴の一つが、AIによる受注確度予測機能です。過去の商談データをもとに、各案件の受注確率を自動算出し、売上予測に活用できます。

HubSpotでの代替方法

HubSpotでは、以下の機能でSensesのAIフォーキャストを代替・強化できます。

1. AIフォーキャスト(Sales Hub Professional以上)

HubSpotのAIフォーキャスト機能は、過去の取引データを分析し、将来の売上を予測します。チーム全体の売上見込みをダッシュボードで可視化でき、期間別・担当者別の予測値を確認できます。

2. 予測リードスコアリング(Sales Hub Professional以上)

HubSpotの予測リードスコアリングは、機械学習を使ってリードの商談化確率を自動計算します。コンタクトのエンゲージメント履歴、企業属性、行動データなどを総合的に分析してスコアを算出するため、Sensesの受注確度予測と近い役割を果たします。

3. 手動の加重パイプライン

AIを使わずに確度を管理する方法として、パイプラインステージごとに設定した確率を使って加重金額を算出する方法もあります。ステージの確率を過去の実績に基づいて設定することで、一定の精度で売上予測が可能です。

ステージ 確率 案件数 金額合計 加重金額
ヒアリング完了 20% 10 ¥5,000万 ¥1,000万
提案 40% 8 ¥4,000万 ¥1,600万
見積中 60% 5 ¥3,000万 ¥1,800万
交渉 80% 3 ¥2,000万 ¥1,600万
合計 26 ¥1億4,000万 ¥6,000万

名刺管理 → HubSpotコンタクト

Sensesの名刺管理機能

Sensesには名刺をスマートフォンで撮影し、OCRで文字認識してコンタクト情報を自動登録する機能があります。営業担当者が外出先で名刺交換した情報をその場でSensesに取り込めるため、情報入力の手間を削減できます。

HubSpotでの名刺管理

HubSpotには標準の名刺OCR機能はありませんが、以下の方法で名刺管理を実現できます。

1. HubSpotモバイルアプリの名刺スキャン

HubSpotのモバイルアプリ(iOS/Android)には、名刺をスキャンしてコンタクトを作成する機能が搭載されています。カメラで名刺を撮影すると、OCRで読み取った情報がコンタクトのプロパティに自動入力されます。

2. 名刺管理アプリとの連携

Sansan、Eight、myBridgeなどの名刺管理サービスとHubSpotを連携する方法もあります。Sansanは HubSpotとの公式連携を提供しており、Sansanに登録した名刺情報をHubSpotコンタクトに自動同期できます。

3. CSVインポート

Sensesから名刺データをCSVでエクスポートし、HubSpotにインポートする方法です。移行時のデータ移行はこの方法が基本になります。

名刺データの移行手順

  1. Sensesのコンタクト一覧からCSVをエクスポート
  2. CSVの列名をHubSpotのプロパティ名に変換
  3. 重複するメールアドレスの除去・統合
  4. HubSpotにCSVインポート
  5. インポート後に企業との関連付けを確認

アクション管理 → HubSpotアクティビティ

Sensesのアクション記録

Sensesでは、商談に紐づくアクション(訪問、電話、メールなど)を記録できます。アクションの種類、日時、内容、次回アクションを入力し、案件の進捗を時系列で追跡できます。

HubSpotでのアクティビティ管理

HubSpotでは、アクティビティを以下の種類で記録します。

Sensesアクション HubSpotアクティビティ 特徴
訪問 ミーティング カレンダー連携、議事録の記録
電話 通話 通話記録、通話時間の自動記録(VoIP連携時)
メール Eメール Gmail/Outlook連携で自動記録
Web会議 ミーティング Zoom/Teams連携で自動記録
メモ メモ 自由記述
タスク タスク 期日・担当者・リマインダー設定可能

HubSpotの大きな利点は、メールやミーティングのアクティビティがCRMに自動記録される点です。Gmail/Outlook連携を設定しておけば、営業担当者が手動でアクションを入力しなくても、メールの送受信履歴がコンタクト・取引のタイムラインに自動的に反映されます。

データエクスポート・インポートの手順

Step 1: Sensesからのデータエクスポート

Sensesから以下のデータをCSV形式でエクスポートします。

エクスポート対象

データ種別 エクスポート元 HubSpotインポート先
取引先(法人) 取引先一覧 企業
コンタクト コンタクト一覧 コンタクト
案件 案件一覧 取引
アクション アクション一覧 アクティビティ
商品 商品マスタ 商品

Sensesの管理画面から、各一覧の「エクスポート」機能を使ってCSVをダウンロードします。エクスポート時には全フィールドを含めることをおすすめします(不要なフィールドは後でCSV加工時に削除できます)。

Step 2: CSVの加工

列名の変換例(コンタクト)

Senses列名 HubSpotプロパティ 内部名
氏名(姓) lastname
氏名(名) firstname
メールアドレス Eメール email
電話番号 電話番号 phone
会社名 関連企業 associatedcompanyid(企業名で関連付け)
役職 役職 jobtitle
部署 カスタムプロパティを作成

列名の変換例(案件→取引)

Senses列名 HubSpotプロパティ 内部名
案件名 取引名 dealname
金額 金額 amount
フェーズ 取引ステージ dealstage
受注予定日 クローズ日 closedate
担当者 取引担当者 hubspot_owner_id
取引先名 関連企業 (企業名で関連付け)

フェーズ名の変換

Sensesのフェーズ名をHubSpotのパイプラインステージ内部名に変換します。事前にHubSpotでパイプラインを作成し、各ステージの内部名を確認しておいてください。

Step 3: HubSpot環境の構築

データインポートの前に、HubSpot側の環境を整備します。

  • カスタムプロパティの作成: Sensesのカスタム項目に対応するプロパティを作成
  • パイプラインの設定: Sensesのフェーズ構成を反映したパイプラインを構築
  • チーム・ユーザーの設定: 営業担当者のアカウントを作成し、チーム構成を設定
  • ビューの設定: Sensesで使っていたフィルター条件に対応するビューを作成

Step 4: インポートの実行

インポートは以下の順序で実行します。

  1. 企業(取引先)のインポート
  2. コンタクトのインポート(企業との関連付けを同時に設定)
  3. 取引(案件)のインポート(企業・コンタクトとの関連付けを含む)
  4. アクティビティのインポート(HubSpot APIを使用)

アクティビティ(アクション記録)の移行は、CSVインポートでは対応できないため、HubSpot APIのEngagements APIを使用する必要があります。アクション数が少ない場合は、手動でメモとして入力する方法も現実的です。

Step 5: データ検証

インポート完了後、以下を確認します。

  • Sensesとレコード件数が一致しているか
  • 企業 ↔ コンタクトの関連付けが正しいか
  • 取引のステージが正しいステージにマッピングされているか
  • 金額・日付データが正しく反映されているか

営業フローの再設計

Senses独自の業務フローの見直し

SensesからHubSpotに移行する際は、単にデータを移すだけでなく、営業フロー全体を見直す良い機会です。以下のポイントを検討しましょう。

リード獲得〜商談化のフロー

Sensesでは主に営業担当者が手動でコンタクトや案件を登録していたケースが多いですが、HubSpotではWebフォームからの自動登録、マーケティングメールからのリードナーチャリング、チャットボットからの問い合わせ対応など、多様なリード獲得チャネルを統合できます。

営業活動の自動化

HubSpotのシーケンス機能を使えば、フォローアップメールの自動送信やタスクの自動作成を設定できます。Sensesでは手動で行っていたフォロー業務をHubSpotで自動化することで、営業担当者の工数を削減できます。

レポートの高度化

HubSpotのカスタムレポートでは、マーケティング施策ごとのROI分析、担当者別のパフォーマンス比較、パイプラインのコンバージョン率推移など、Sensesのレポートよりも広範な分析が可能です。マーケティングから営業までの一気通貫データを活用した分析は、HubSpotならではの強みです。

トレーニング計画

Sensesの操作に慣れた営業チームにとって、HubSpotへの移行は大きな変化です。スムーズな移行のために、以下のトレーニングを計画しましょう。

トレーニング内容 対象者 時間目安
HubSpot基本操作(コンタクト・企業・取引) 全営業担当者 2時間
取引パイプラインの操作 全営業担当者 1時間
メール連携・アクティビティ記録 全営業担当者 1時間
レポート・ダッシュボード 営業マネージャー 2時間
ワークフロー・シーケンス 営業マネージャー・管理者 2時間
管理者向け設定・カスタマイズ CRM管理者 3時間

よくある質問(FAQ)

SensesのAIフォーキャスト(受注確度予測)はHubSpotでも使えますか?

HubSpotのSales Hub Professional以上では、AIフォーキャスト機能と予測リードスコアリング機能が利用可能です。過去の取引データを分析して将来の売上を予測でき、Sensesの受注確度予測と同等の役割を果たします。Professional未満のプランでもパイプラインステージごとの確率設定で加重金額を算出する方法があります。

Sensesのアクション(活動履歴)はCSVインポートで移行できますか?

アクティビティデータはHubSpotの標準CSVインポートでは移行できません。HubSpot APIのEngagements APIを使ってプログラム的にインポートする必要があります。アクション数が少ない場合は、手動でメモとして入力する方法も現実的な選択肢です。

Sensesの名刺スキャン機能はHubSpotにもありますか?

HubSpotのモバイルアプリ(iOS/Android)に名刺スキャン機能が搭載されています。カメラで名刺を撮影するとOCRで読み取った情報がコンタクトプロパティに自動入力されます。また、SansanやEightなどの名刺管理サービスとHubSpotを連携する方法もあります。

移行期間中、SensesとHubSpotを並行運用する必要がありますか?

2週間程度の並行運用期間を設けることを推奨します。営業チームがHubSpotの操作に慣れるまでの移行期間として、SensesとHubSpotの両方にデータを入力する運用を行い、定着を確認してからSensesの利用を終了してください。

CRM移行のご相談はお気軽にどうぞ

Senses(Mazrica Sales)からHubSpotへの移行は、SFA機能の再現に加え、マーケティングとの一体化による営業プロセス全体の強化が実現できます。パイプライン設計からアクション履歴の移行、チーム定着支援まで、移行プロジェクトの全工程をサポートしています。

移行計画の策定やお見積もりについて、まずはお気軽にご相談ください。

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まとめ

Senses(Mazrica Sales)からHubSpotへの移行は、SFAの機能再現だけでなく、マーケティング・カスタマーサポートとの統合による営業プロセス全体の強化が可能になります。

移行のポイントは「案件ボード→パイプラインの設計」「AIフォーキャストの代替手段の選定」「アクション履歴の移行方法」の3点です。とくにアクション履歴の移行はCSVインポートだけでは完結しないため、HubSpot APIの活用や手動入力の範囲を事前に計画しておきましょう。

まずはSensesの現在の利用状況(フェーズ構成、カスタム項目、アクション記録量)を棚卸しし、HubSpotでの再現設計を行うことから始めてみてください。

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