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A2A(Agent-to-Agent Protocol)とは?エージェント間連携の標準規格を解説 | StartLink

作成者: 今枝 拓海|2026/03/05 12:00:00

A2A(Agent-to-Agent Protocol)とは、Googleが2025年4月に発表した、異なるベンダーのAIエージェント同士が安全に情報交換・タスク委任を行うための標準規格です。MCPが「AIとツールの接続」を担うのに対し、A2Aは「AIとAIの接続」を担い、両プロトコルの組み合わせでマルチエージェントシステムが実現します。Salesforce・SAP・Atlassianなど主要企業が策定に参加しており、エンタープライズ環境でのAIエージェント連携が加速しています。

AIエージェントが外部ツールと連携するMCP(Model Context Protocol)に続き、2025年4月にGoogleが発表したのがA2A(Agent-to-Agent Protocol)です。A2AはAIエージェント同士が安全に情報を交換し、タスクを委任し合うための標準規格です。

MCPが「AIとツールの接続」を標準化したのに対し、A2Aは「AIとAIの接続」を標準化します。この2つのプロトコルが組み合わさることで、複数のAIエージェントが協調して複雑な業務を遂行する「マルチエージェントシステム」が現実のものとなりつつあります。

この記事でわかること

  • A2Aの仕組みと3層構造
  • MCPとA2Aの違いと補完関係
  • A2Aが解決する3つの課題
  • 企業活用シナリオとエコシステム

「AIエージェントの連携技術に関心はあるが、MCPとの違いがわからない」という方に、特におすすめです。ぜひ最後までご確認ください。

A2Aの仕組み:エージェント間通信の3層構造

A2Aとは、異なるベンダーのAIエージェント同士が安全にタスクを委任・実行するための標準プロトコルです。以下の3つの層で構成されます。

役割 内容
Agent Card(名刺層) エージェントの自己紹介 名前・説明・対応可能なタスク・認証方式
Task管理層 タスクの作成・進捗管理 タスクの送信・ステータス確認・結果受け取り
メッセージ層 エージェント間のデータ交換 テキスト・ファイル・構造化データの送受信

Agent Card:エージェントの自己紹介

A2Aでは、各エージェントが「Agent Card」と呼ばれるJSON形式の自己紹介ファイルを公開します。これにより、他のエージェントが「このエージェントには何を依頼できるか」を自動的に判断できます。人間の組織でいえば、社員が名刺と職務記述書を公開し、誰がどの業務を担当できるかが明確になるイメージです。

Taskライフサイクル

A2Aのタスクは以下のステータスで管理されます。このステータス管理により、委任元のエージェントはタスクの進捗をリアルタイムで把握できます。

ステータス 意味
submitted タスク依頼が送信された
working エージェントがタスクを処理中
input-required 追加情報が必要
completed タスク完了
failed タスク失敗
canceled タスクキャンセル

MCPとA2Aの違い:補完関係にある2つの規格

MCPとA2Aは競合するプロトコルではなく、補完関係にあります。

比較項目 MCP A2A
接続対象 AI ↔ ツール(データソース・API) AI ↔ AI(エージェント同士)
提唱者 Anthropic Google
主な用途 CRM・DB・ファイルシステムの操作 タスク委任・情報交換・共同作業
通信方式 JSON-RPC 2.0 HTTP + JSON-RPC
位置づけ エージェントの「手」 エージェントの「チームワーク」

たとえば、営業エージェントがCRMのデータをMCP経由で取得し、分析エージェントにA2A経由でデータ分析を委任し、その結果をもとに提案書作成エージェントがドキュメントを生成する――といったマルチエージェント連携が実現します。この「一気通貫」のフローが、企業のAI活用を次のステージに押し上げます。

A2Aが解決する課題

課題1:ベンダーロックイン

現状では、同一ベンダーのエージェント同士しか連携できないケースが多く、企業は特定のAIプラットフォームに依存するリスクがあります。A2Aはオープン標準として異なるベンダーのエージェント間でも通信を可能にします。企業様によって利用するAIプラットフォームは異なりますが、A2Aにより「最適なエージェントを選んで組み合わせる」自由度が確保されます。

課題2:タスクの専門分化

1つのAIエージェントにすべての業務を任せるのは非効率です。A2Aにより「営業特化エージェント」「データ分析特化エージェント」「法務特化エージェント」がそれぞれの強みを活かして協調できます。人間の組織設計と同様、専門分化と連携の仕組み化がAIエージェントの世界でも重要です。

課題3:セキュリティと認証

エージェント間の通信にはセキュリティが不可欠です。A2Aは認証・認可の仕組みを標準に組み込み、安全なエージェント間通信を実現します。

A2Aの企業活用シナリオ

シナリオ:採用業務のマルチエージェント連携

  1. 採用エージェント: 求人要件を受け取り、候補者のスクリーニングを実施
  2. スケジュールエージェント: 面接日程の調整をCalendar APIと連携して実行
  3. レファレンスチェックエージェント: 候補者の経歴確認レポートを生成
  4. レポートエージェント: 全候補者の評価サマリーを作成し、採用担当者に提出

各エージェントがA2Aプロトコルでタスクを受け渡し、一連の採用プロセスを自律的に完了します。人間が関与するのは最終的な採用判断のみで、それ以外のオペレーションはAIエージェントが担います。

A2Aのエコシステム:参加企業

A2Aの策定にはGoogleのほか、以下の企業が参加しています。

  • Salesforce
  • SAP
  • Atlassian
  • MongoDB
  • ServiceNow
  • Accenture

これらの企業が自社製品にA2A対応エージェントを組み込むことで、エンタープライズ環境でのマルチエージェント連携が加速すると見込まれています。

A2Aの現時点での限界

A2Aはまだ策定段階であり、以下の点に注意が必要です。

  • 本番環境での実績が限定的: 大規模な本番運用事例はまだ少なく、プロトコル仕様の変更リスクがあります。
  • エージェントの品質保証: A2Aは通信規格であり、各エージェントの出力品質は保証しません。委任先エージェントの精度検証は別途必要です。
  • コスト管理の複雑化: マルチエージェント構成では、各エージェントのAPI利用費が積み上がるため、全体のコスト最適化設計が重要になります。

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まとめ

  • A2AはGoogleが策定した、異なるベンダーのAIエージェント同士の連携標準規格
  • MCPが「AIとツール」、A2Aが「AIとAI」の接続を担い、両者は補完関係
  • Agent Card・Task管理・メッセージの3層構造で安全なエージェント間通信を実現
  • Salesforce・SAP・Atlassian等が策定に参加し、エンタープライズ連携が加速
  • まずMCPでCRM接続を確立し、A2Aでマルチエージェント連携を段階的に拡張するのが現実的

まずはMCPでCRMとAIの接続を確立し、その上でA2Aによるマルチエージェント連携を段階的に検討してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. A2AとMCPはどちらを先に導入すべきですか?

MCPを先に導入することを推奨します。MCPでAIと業務ツール(CRM、Slack、DB等)の接続を確立し、単一エージェントによる業務自動化の成果を確認してから、A2Aによるマルチエージェント連携に進むのが段階的で現実的なアプローチです。詳しくは「MCP(Model Context Protocol)とは?」をご覧ください。

Q2. A2Aは現時点で本番業務に使えますか?

プロトコル仕様は公開されていますが、本番環境での大規模運用実績はまだ限定的です。現時点では、社内のPoC環境でマルチエージェント連携の検証を行い、プロトコルの成熟を見ながら本番適用の判断をするのが賢明です。

Q3. CRMとA2Aはどう関係しますか?

CRMに蓄積されたデータを起点に、営業エージェント・分析エージェント・レポートエージェントがA2A経由で連携することで、リード対応から商談分析、提案書生成までの一気通貫フローが実現します。SalesforceがA2Aの策定に参加していることからも、CRM×マルチエージェント連携は今後の主要トレンドとなることが予想されます。

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