「HubSpotのアップデートが多すぎて、どれが自社に関係あるのかわからない」「新機能が出ても、実務でどう使えばいいか見えてこない」——こうした声をクライアント企業様からよくいただきます。
HubSpot Spring Spotlightは、HubSpotが春に発表する大型アップデートの総称です。新機能や機能改善が一斉にリリースされるタイミングであり、自社の運用に影響するものを見極めて取り入れることが重要です。
本記事では、Spring Spotlightで発表された主要アップデートを、実務での活用ポイントと合わせて整理します。「どの機能を優先的に試すべきか」の判断材料としてご活用ください。
HubSpotは年に2回、大型アップデートを集中発表するタイミングがあります。春のSpring Spotlightと秋のFall Spotlightです。それ以外にも随時アップデートは行われていますが、この2回が特に影響の大きいリリースとなります。
大型アップデートは、単なる機能追加だけでなく、HubSpotのプロダクト戦略の方向性を示すものでもあります。特にAI関連の機能強化は毎回の目玉であり、自社のAI活用戦略を検討する上で見逃せないタイミングです。
Spring Spotlightで最も注目すべきはAI機能の進化です。Breezeブランドのもと、以下のような強化が行われています。
Breeze Copilotの機能拡張
CRM内でのAIアシスタント機能が大幅に強化されました。取引レコードの要約、メール文面の生成、タスクの提案など、日常業務の中でAIが自然にサポートしてくれるようになっています。
ここで結構ミソになってくるのが、CopilotがHubSpotのCRMデータを直接参照できるという点です。外部のAIツールに比べて、顧客コンテキストを踏まえた提案が可能になります。
AIエージェントの進化
案件創出エージェントやカスタマーエージェントのリサーチ精度が向上し、より実用的な段階に入ってきています。ただし、日本語対応については引き続き改善途上の部分もあるので、プロンプトでの補完は必要です。
レポートビルダーのUIが刷新され、より直感的な操作でカスタムレポートを作成できるようになりました。
| 改善点 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| ドラッグ&ドロップ | レポート要素の配置が直感的に | 作成時間の短縮 |
| フィルター改善 | 複合条件の設定がしやすく | 分析の精度向上 |
| 新しいチャートタイプ | 可視化のバリエーション追加 | 経営会議での訴求力向上 |
営業向け機能では、パイプライン管理とシーケンス機能の改善が目立ちます。
シーケンスのA/Bテスト機能は、2〜3名でシーケンスを作っていただいて一番反応が良かったものを採用する、という社内PDCAを回すのに便利な機能です。
マーケティング機能では、パーソナライゼーションとスコアリングの強化が中心です。
カスタマーサポート・サクセス機能では、AIチャットボットとヘルプデスクの改善が主な内容です。
すべての新機能を一度に導入する必要はありません。なかなか全てを一気に進めるのは難しいかなと思うので、自社で活用できそうなもの、効果が出そうなものを見極めていただいて、優先順位をつけてトライいただければなと思います。
| 優先度 | 条件 | 例 |
|---|---|---|
| 高 | 既存の課題を直接解決する | レポート改善で集計工数削減 |
| 中 | 将来的に活用できる | AIエージェントのトライアル |
| 低 | 現時点では不要 | 使っていないHubの新機能 |
新機能の中にはProfessional以上やEnterprise限定のものが含まれます。自社のプランで利用可能かを先に確認してから検討を進めてください。
Spring Spotlightのリリース後に確認すべき項目をまとめます。
既存で使っているワークフローや既存で使っているデータに対して変更が加わる場合は、サンドボックスでテストいただいた方が安心です。新規のテスト項目であれば、本番環境で少し試すくらいは問題ありません。
HubSpot Spring Spotlightは、プラットフォーム全体の進化を確認できる重要なタイミングです。すべての新機能を追いかける必要はなく、自社の課題解決に直結するものから優先的に取り入れていくことが大切です。
まずは自社が現在使っているHubの新機能をチェックし、パイロットで試せるものからトライしてみてください。段階的に新機能を取り入れることで、HubSpotの活用度を着実に高めていくことができます。
StartLinkでは、HubSpotの導入設計から運用定着まで、企業様の状況に合わせた支援を行っています。
UI改善などの基本的なアップデートは自動適用されます。一方、新しいAI機能やベータ版機能は、設定画面から手動で有効化する必要があるものもあります。アップデート後は設定画面を確認し、新しいオプションが追加されていないかチェックしてみてください。
HubSpotの公式ブログやアップデートページを定期的にチェックするのが基本です。また、HubSpot認定パートナーと契約している場合は、パートナー経由で自社に関連するアップデート情報をフィルタリングして共有してもらえます。
基本的にはHubSpot側で後方互換性が保たれるよう設計されていますが、まれにUIの変更や仕様の微調整によって動作が変わることがあります。重要なワークフローについては、アップデート後にテスト実行で確認することをおすすめします。
INBOUNDは秋に開催されるHubSpotの年次カンファレンスで、プロダクト発表だけでなくマーケティング・営業のトレンドセッションも含む大規模イベントです。Spring Spotlightは春のプロダクトアップデートに特化した発表であり、新機能の実務活用に焦点が当たっています。