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HubSpot vs kintone比較|CRM・案件管理・カスタマイズ性の違いを実務視点で検証

作成者: 今枝 拓海|2026/02/23 1:46:22

「CRM導入を検討しているが、HubSpotとkintoneのどちらが自社に合うのかわからない」

「kintoneで顧客管理をしているが、マーケティングや営業の自動化もしたい」

——こうした悩みを抱えている企業の方は多いのではないでしょうか。

HubSpotはCRM(顧客関係管理)を基盤としたオールインワンのビジネスプラットフォームであり、kintoneはサイボウズ社が提供する業務アプリ構築型のクラウドサービスです。 両者はそれぞれ異なる設計思想で作られており、単純な機能比較だけでは最適な選択はできません。

この記事では、HubSpotとkintoneの違いをCRM機能・案件管理・カスタマイズ性・料金・MA機能の5つの軸で実務視点から比較します。

この記事でわかること:

  • HubSpotとkintoneの設計思想・コンセプトの違い
  • CRM・SFA・MA機能の詳細比較
  • カスタマイズ性と拡張性の違い
  • 料金体系と運用コストの比較
  • 自社に最適なツール選定の判断基準

HubSpot vs kintone 比較サマリー

まず、全体像を表で整理します。

比較項目 HubSpot kintone
コンセプト CRM基盤のオールインワンプラットフォーム ノーコード業務アプリ構築プラットフォーム
提供企業 HubSpot, Inc.(米国) サイボウズ株式会社(日本)
CRM機能 標準搭載(コンタクト・会社・取引・チケット) アプリで自作(テンプレートあり)
MA機能 標準搭載(メール配信・スコアリング・ワークフロー) 非搭載(外部連携が必要)
SFA機能 標準搭載(パイプライン・シーケンス・AI売上予測) アプリで自作
カスタマイズ性 CRMの枠内で高い柔軟性 業務アプリ全般を自由に構築可
無料プラン あり(CRM基本機能) なし(30日間無料トライアル)
月額料金 無料〜(Starter: 月1,800円/シート) 月1,000円〜/ユーザー
日本語対応 ○(ドキュメント・サポートも日本語対応) ○(国産サービス)
API・連携 1,700以上のアプリ連携 プラグイン・REST API対応

設計思想の違い ― ここが最大の判断ポイント

HubSpotとkintoneを比較する際に、最も重要になってくるのが設計思想の違いです。

HubSpot: CRM+統合プラットフォーム

HubSpotは顧客を中心としたリレーションデータベースとして設計されています。コンタクト(担当者)・会社・取引・チケットの4つの標準オブジェクトが最初から関連付けされており、マーケティング→営業→カスタマーサポートの一気通貫のフローを1つのプラットフォームで実現できます。

今枝が動画で繰り返し強調しているように、「HubSpotの本質的価値は一元管理×自動化×可視化」であり、部門横断でのデータ活用がその真価です。

kintone: 業務アプリ構築プラットフォーム

kintoneは「業務に必要なアプリを自分で作る」という思想で設計されています。顧客管理・案件管理・在庫管理・日報管理など、あらゆる業務アプリをドラッグ&ドロップで構築できます。

この柔軟性は強みですが、CRM専用に設計されたものではないため、マーケティングオートメーションやセールスオートメーションの機能は自分で構築するか、外部ツールと連携する必要があります。

CRM機能の比較

コンタクト・顧客管理

機能 HubSpot kintone
コンタクト(担当者)管理 標準搭載 アプリで自作
会社(取引先)管理 標準搭載 アプリで自作
コンタクトと会社のリレーション 自動関連付け ルックアップで実装
アクティビティ追跡(メール・電話・ミーティング) 自動記録 手動入力 or プラグイン
Webサイト閲覧履歴のトラッキング 標準搭載(トラッキングコード) 非対応
名刺スキャン(モバイル) 標準搭載 外部連携が必要

HubSpotの強みは、メール送受信やWebサイト訪問、フォーム送信などの顧客行動が自動的にCRMに蓄積される点です。スプレッドシートで管理している場合と比較して、「誰が・いつ・何をしたか」が自動的にデータ資産として貯まっていきます。

kintoneの強みは、自社の業種・業務フローに合わせて完全にカスタムされた顧客管理アプリを構築できる点です。不動産業の物件管理、人材業の候補者管理など、独自の業務に特化した設計が可能です。

案件・商談管理

機能 HubSpot kintone
パイプライン(かんばんボード) 標準搭載 プラグインで実装可
取引ステージと受注確度 標準搭載(加重金額自動計算) 自作が必要
必須プロパティの設定 ステージ移行時に強制可 入力制御で一部対応
売上予測(フォーキャスト) AI予測機能あり 集計プラグインで対応
複数パイプライン ○(プランにより上限あり) アプリごとに管理

パイプライン設計について、今枝は「取引ステージ・角度(受注確度)・ステージ定義・必須入力プロパティ」の4要素フレームワークを推奨しています。HubSpotではこの4要素がすべて標準機能として実装されているのが大きなメリットです。

マーケティング機能の比較

ここがHubSpotとkintoneの最も大きな差になります。

機能 HubSpot kintone
メール配信(メルマガ) 標準搭載(テンプレート・ABテスト) 非搭載
マーケティングオートメーション ワークフローで自動化 非搭載
リードスコアリング 標準搭載(エンゲージメント+適合) 非搭載
フォーム作成 標準搭載(埋め込み・ポップアップ) フォームブリッジ(有料プラグイン)
ランディングページ作成 標準搭載 非搭載
SNS管理 標準搭載 非搭載
広告連携(Google/Meta) 標準搭載 非搭載
SEOツール 標準搭載 非搭載

HubSpotのMarketing Hubは、リードの獲得から育成、商談化までの一気通貫のマーケティングプロセスをカバーしています。「Google Adとかの場合ですと5コンバージョンしたっていうのは分かるんですけどじゃあ実際誰だったのか?」という課題を、HubSpotではMAとCRMの統合で解決できます。

kintoneはマーケティング機能を持たないため、メール配信にはMailChimpやSendGrid、MAにはMarketo等の外部ツールとの連携が必要になります。

カスタマイズ性の比較

HubSpotのカスタマイズ

カスタマイズ範囲 内容 プラン
カスタムプロパティ 独自の項目を追加 全プラン
カスタムオブジェクト 独自のデータオブジェクトを作成 Enterprise
カスタムレポート 自由なレポート設計 Professional以上
ワークフロー 自動化ロジックの構築 Professional以上
カスタムコード Node.js/Pythonでの処理 Data Hub

HubSpotはCRMの枠組みの中でカスタマイズを行います。Enterpriseプランのカスタムオブジェクトを使えば、不動産の物件データや請求管理など業種固有のデータモデルも構築できますが、あくまでCRMの拡張という位置づけです。

kintoneのカスタマイズ

カスタマイズ範囲 内容
アプリ作成 ドラッグ&ドロップで業務アプリを自由に構築
フィールド設定 文字列・数値・日付・計算・ルックアップ等を自由配置
プロセス管理 ステータスと承認フローの設定
JavaScript/CSSカスタマイズ 画面表示やロジックの高度なカスタマイズ
プラグイン 1,000以上のプラグインで機能拡張

kintoneの最大の強みは業務アプリ全般を自由に構築できる柔軟性です。CRMに限らず、経費申請・在庫管理・プロジェクト管理など、あらゆる業務をkintone上でデジタル化できます。

ただし、今枝が指摘するように「ビジネスロジックやワークフローの条件が複雑になると、コーディングが必要になる」という点は注意が必要です。

料金比較

HubSpot

プラン 月額料金 主な機能
Free 無料 CRM基本機能・フォーム・Eメール(制限あり)
Starter 月1,800円/シート CRM+基本的な営業・マーケ機能
Professional 月96,000円〜(3シート含む) ワークフロー・カスタムレポート・MA本格運用
Enterprise 月432,000円〜(5シート含む) カスタムオブジェクト・権限セット・SSO

※ 上記はMarketing Hub等の各Hub単体の参考価格です。バンドルプランもあります。

kintone

プラン 月額料金 主な機能
ライトコース 月1,000円/ユーザー アプリ作成・基本機能(API・プラグイン非対応)
スタンダードコース 月1,800円/ユーザー アプリ作成・API・プラグイン・外部連携
ワイドコース 月3,000円/ユーザー 大規模向け(1,000ユーザー〜)

※ 最低5ユーザーからの契約が必要です。

コスト比較のポイント

小規模チーム(5名程度)で比較すると:

シナリオ HubSpot kintone
基本CRM利用 無料 月5,000円〜(ライト5名)
営業ツール込み 月9,000円(Starter 5シート) 月9,000円〜(スタンダード5名+プラグイン)
MA込みの本格運用 月96,000円〜(Professional) kintone月9,000円+MA別途(数万〜数十万円)

HubSpotは無料プランから始められるのが大きな強みです。今枝も「法人のCRMでここまで安くて高機能っていうのはなかなかないかなと個人的に思っています」と評価しています。

こんな企業にはHubSpotがおすすめ

以下に当てはまる企業様にはHubSpotが適しているかなと思います:

  • マーケティングと営業を一気通貫で管理したい企業
  • リード獲得〜ナーチャリング〜商談化のプロセスを自動化したい企業
  • メール配信・フォーム・LP・SNSなどのマーケティング機能を1つのプラットフォームで使いたい企業
  • Webサイトの訪問者行動を顧客データと紐づけて分析したい企業
  • 無料〜スモールスタートでCRMを始めたい企業
  • Salesforceからの乗り換えを検討している企業

こんな企業にはkintoneがおすすめ

以下に当てはまる企業様にはkintoneが適しています:

  • 顧客管理だけでなく、社内の業務アプリ全般をデジタル化したい企業
  • 経費申請・日報・在庫管理・プロジェクト管理なども統一プラットフォームで管理したい企業
  • 独自の業務フローに合わせたカスタムアプリを自作したい企業
  • CRM以外の業務基盤も必要で、国産サービスの手厚いサポートを重視する企業
  • マーケティング自動化は不要で、シンプルな顧客・案件管理が主目的の企業

HubSpotとkintoneの併用という選択肢

実は、HubSpotとkintoneを併用するという選択肢もあります。多くの中小企業がこのパターンを採用しています。

ツール 担当領域
HubSpot マーケティング・営業CRM・カスタマーサポート
kintone 社内業務管理(経費・稟議・在庫・プロジェクト管理等)

今枝が動画で紹介しているiPaaS(Yoom/Zapier)を使えば、HubSpotとkintoneのデータ連携も可能です。「HubSpotと直でつなげられない場合でも、Yoomを使うことで連携が結構円滑にできたりする」というアプローチです。

例えば、HubSpotで取引が「受注」ステージに移行したら、kintoneの請求管理アプリにレコードを自動作成する、といった連携が実現できます。

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まとめ

HubSpotとkintoneは設計思想が根本的に異なるため、「どちらが優れているか」ではなく「自社の課題に合うのはどちらか」で判断することが重要です。

判断基準 HubSpot kintone
マーケ〜営業〜CSの一気通貫 △(外部連携要)
業務アプリ全般のデジタル化
CRM専用としての完成度 ○(自作が必要)
初期コスト ◎(無料プランあり) ○(月5,000円〜)
MA機能 ◎(標準搭載) ×(非搭載)

まずは自社の最優先課題を明確にしていただいて、「マーケティング・営業の自動化が課題」ならHubSpot、「社内業務全般のデジタル化が課題」ならkintone、「両方必要」なら併用をご検討いただければなと思います。

どちらのツールもトライアルから始められますので、まずは実際に触ってみて自社のフィット感を確かめていただくのがおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q1. HubSpotとkintoneはどちらが使いやすいですか?

使いやすさの観点では、CRMとして使う場合はHubSpotの方が最初からCRM向けに設計されているため直感的に使い始められます。一方、kintoneは業務アプリの構築には優れたUIを持っていますが、CRMとして使うにはアプリの設計・構築が必要です。「使う」だけならHubSpot、「作る」も含めて楽しめるならkintoneという傾向があります。

Q2. kintoneで顧客管理をしていますが、HubSpotに移行すべきですか?

顧客管理だけであれば無理に移行する必要はありません。ただし、メール配信やリードスコアリング、Webサイト行動の追跡などマーケティング機能を強化したい場合は、HubSpotへの移行または併用を検討する価値があります。HubSpotのインポート機能でkintoneのデータをCSV経由で移行することも可能です。

Q3. 小規模企業(5名以下)にはどちらがおすすめですか?

5名以下の小規模企業であれば、まずHubSpotの無料プランから始めるのが最もコストパフォーマンスが高い選択肢かなと思います。CRM基本機能が無料で使え、成長に合わせてStarterプラン(月1,800円/シート)にアップグレードできます。kintoneは最低5ユーザーからの契約なので、3名程度のチームだと割高になる場合があります。

Q4. HubSpotとkintoneのデータ連携は簡単にできますか?

直接のネイティブ連携はありませんが、iPaaS(Yoom/Zapier/Make)を使うことでノーコードでデータ連携が可能です。特にYoomは日本のSaaS同士の連携に強く、HubSpotとkintone間のデータ同期やトリガーベースのレコード作成が実現できます。API連携も可能ですが、開発リソースが必要になります。

Q5. Salesforceとの比較も含めて検討したいのですが?

Salesforceは大企業向けの本格的なCRM/SFAプラットフォームです。HubSpotと比較すると機能の深さでは勝る部分もありますが、導入・運用コストが高く、専任の管理者が必要になる傾向があります。中小〜中堅企業であれば、まずHubSpotで始めて、事業拡大に合わせてSalesforceへの移行を検討するという段階的なアプローチも有効です。詳しくは別記事「HubSpot vs Salesforce徹底比較」をご参照ください。