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HubSpotで多言語サイト構築・グローバル展開|AI翻訳機能と海外営業CRM管理

作成者: 今枝 拓海|2026/03/04 11:30:14

「海外展開を始めたいが、Webサイトの多言語対応にどこから手をつけていいかわからない」「英語サイトは作ったものの、CRM側の顧客管理が国内と海外でバラバラになっている」——グローバル展開を目指す日本企業にとって、多言語対応は避けて通れないテーマですが、Webサイトの翻訳だけでなくCRMの設計まで含めて考えると、対応すべき範囲が想像以上に広くなります。

HubSpot 多言語サイト機能とは、HubSpotのContent Hub(CMS)に搭載されている、1つのドメイン上で複数言語のページ・ブログ・メールを管理し、訪問者のブラウザ言語や地域に応じて適切な言語バージョンを表示する仕組みです。さらにHubSpotのCRM機能を活用することで、多通貨対応、タイムゾーン管理、地域別チーム設計といったグローバルCRM基盤も同一プラットフォーム上で構築できます。

この記事では、HubSpotの多言語コンテンツ管理機能、AI翻訳の活用方法、グローバルCRMの設計、多言語SEOの設定方法、そして海外展開を進めるうえでの運用ベストプラクティスまでを包括的に解説します。

この記事でわかること

  • HubSpotの多言語コンテンツ管理機能の全体像と対応範囲
  • 言語バリアントの作成・管理方法(ページ、ブログ、メール)
  • BreezeのAI翻訳機能の使い方と精度の実際
  • グローバルCRM設計(多通貨、タイムゾーン、地域別チーム管理)
  • 多言語サイトのSEO設定(hreflang、URL構造、ドメイン戦略)
  • 海外営業チームの管理とレポーティングの設計方法

HubSpot多言語機能の全体像

Content Hubの多言語対応範囲

HubSpotのContent Hub(旧CMS Hub)は、以下のコンテンツタイプで多言語対応をサポートしています。

コンテンツタイプ 多言語対応 対応プラン
Webサイトページ 言語バリアントの作成が可能 Content Hub Starter以上
ランディングページ 言語バリアントの作成が可能 Marketing Hub Starter以上
ブログ 言語別ブログの作成が可能 Content Hub Starter以上
マーケティングメール 言語別バージョンの作成が可能 Marketing Hub Professional以上
フォーム 多言語対応フォームの作成が可能 全プラン
CTAボタン 言語別CTAの作成が可能 Marketing Hub Starter以上
ナレッジベース 多言語ナレッジベースの構築が可能 Service Hub Professional以上

Content Hub ProfessionalまたはEnterpriseを利用している場合は、最も多くの多言語機能が利用可能です。Starterプランでも基本的な多言語ページの作成は可能ですが、一部の高度な機能(スマートコンテンツによる言語切り替えなど)は上位プランが必要です。

多言語対応のアーキテクチャ

HubSpotの多言語対応は「言語バリアント」というコンセプトに基づいています。

プライマリ言語(通常は日本語や英語)のページをマスターとして、そこから各言語のバリアント(翻訳版)を作成する仕組みです。言語バリアントは元のページと紐づいているため、hreflangタグや言語切り替えメニューが自動的に設定されます。

プライマリページ(日本語)
├── 英語バリアント
├── 中国語(簡体字)バリアント
├── 韓国語バリアント
└── スペイン語バリアント

各バリアントは独立したURLを持ちますが、HubSpot上では1つのグループとして管理されるため、バリアント間のリンク関係やSEO設定を一括で管理できます。

言語バリアントの作成と管理

多言語グループの初期設定

多言語サイトを構築する前に、まずHubSpotアカウントの言語設定を行います。

  1. 歯車マーク → アカウントの初期設定 → 全般を開く
  2. 「言語」セクションで、プライマリ言語を設定(例:日本語)
  3. 「追加言語を追加」から、対応したい言語を追加(英語、中国語、韓国語など)

ここで追加した言語が、各コンテンツの言語バリアント作成時に選択肢として表示されます。HubSpotは50以上の言語に対応しており、日本企業のグローバル展開で必要になる主要言語はほぼカバーされています。

Webサイトページの言語バリアント作成

プライマリ言語のページから言語バリアントを作成する手順は以下のとおりです。

  1. HubSpotのマーケティング → ウェブサイト → ウェブサイトページを開く
  2. バリアントを作成したいページを選択
  3. ページエディタ上部の「言語」タブをクリック
  4. 「翻訳を追加」から対象の言語を選択
  5. 新しい言語バリアントが作成され、エディタが開く
  6. 翻訳コンテンツを入力(手動翻訳またはAI翻訳)
  7. URL slug(URLの末尾部分)を翻訳先の言語に合わせて設定
  8. メタディスクリプション、ページタイトルも翻訳
  9. 公開設定を確認し、パブリッシュ

言語バリアントのURL構造は、デフォルトではサブディレクトリ方式が採用されます。

日本語(プライマリ):example.com/services
英語バリアント:example.com/en/services
中国語バリアント:example.com/zh/services
韓国語バリアント:example.com/ko/services

ブログの多言語対応

ブログの多言語対応は、ページの言語バリアントとは少し仕組みが異なります。HubSpotでは言語ごとにブログを作成し、各ブログを多言語グループとして紐づける形式です。

  1. マーケティング → ウェブサイト → ブログを開く
  2. 歯車マーク → ブログ設定で、新しいブログを作成(例:「Blog - English」)
  3. 新しいブログのプライマリ言語を「English」に設定
  4. 既存の日本語ブログと英語ブログを多言語グループとして紐づけ
  5. 個別の記事レベルでも、日本語記事と英語記事のバリアント紐づけが可能

ブログ記事のバリアント紐づけにより、読者が日本語の記事を読んでいるときに「この記事の英語版はこちら」と案内する言語切り替えリンクが自動的に表示されます。

マーケティングメールの多言語対応

HubSpotのマーケティングメールでも、言語バリアントを作成してコンタクトの優先言語に応じたメール配信が可能です。

  1. メールエディタで「言語バリアントを追加」を選択
  2. 対象言語を選択し、翻訳版のメールコンテンツを作成
  3. 送信時に、コンタクトの「Preferred language」プロパティに基づいて適切な言語バージョンが自動選択される

コンタクトの「Preferred language(優先言語)」プロパティは、フォーム送信時のブラウザ言語から自動設定されるほか、手動やインポートでも設定可能です。このプロパティが未設定のコンタクトにはデフォルト言語のメールが送信されます。

BreezeのAI翻訳機能

AI翻訳の概要

HubSpotのAIアシスタント「Breeze」には、コンテンツの翻訳機能が搭載されています。ページやメールのコンテンツを、Breezeを使って別の言語にワンクリックで翻訳できます。

AI翻訳が利用可能なコンテンツは以下のとおりです。

  • Webサイトページの本文
  • ブログ記事の本文
  • ランディングページの本文
  • マーケティングメールの本文
  • ナレッジベース記事

AI翻訳の使い方

言語バリアントの作成時にAI翻訳を利用する手順は以下のとおりです。

  1. ページエディタで言語バリアントを作成(前述の手順)
  2. 空のバリアントページが開いたら、エディタ上部またはコンテンツブロック内のBreezeアイコンをクリック
  3. 「翻訳」を選択し、翻訳元の言語と翻訳先の言語を指定
  4. Breezeがプライマリページのコンテンツを取得し、翻訳テキストを生成
  5. 翻訳結果がエディタに挿入される
  6. 内容を確認・修正し、公開

ページ全体を一括で翻訳することも、特定のテキストブロックだけを選択して翻訳することも可能です。

AI翻訳の精度と限界

BreezeのAI翻訳は、一般的なビジネスコンテンツであれば実用に耐える品質を出すことが多いです。しかし、以下のようなケースでは人間によるレビュー・修正が必要です。

  • 業界固有の専門用語:IT、製造業、医療など業界特有の用語は誤訳や不自然な訳になることがある
  • ブランドトーン:企業のトーン&マナー(カジュアル/フォーマル)が翻訳で崩れることがある
  • 文化的なニュアンス:日本語特有の敬語表現や婉曲表現が、英語に直訳されると意味が変わることがある
  • 数値・固有名詞:金額の通貨表記、日付のフォーマット(月/日 vs 日/月)、人名・地名などは要確認
  • CTA文言:ボタンテキストやバナーのキャッチコピーは、翻訳よりもトランスクリエーション(意味を保ったうえでの再創作)が望ましい

運用としては「AI翻訳で下書きを作成 → ネイティブスピーカーまたは翻訳者がレビュー・修正 → 公開」というフローが現実的です。AI翻訳を使うことで翻訳コストと時間を大幅に削減しつつ、品質は人間のレビューで担保するハイブリッドアプローチです。

AI翻訳 vs 外部翻訳サービス

HubSpotのAI翻訳と外部翻訳サービスの使い分けを整理します。

項目 Breeze AI翻訳 外部翻訳サービス
スピード 即時(数秒〜数分) 数日〜数週間
コスト HubSpotの利用料に含まれる 1文字あたり数円〜数十円
品質 一般ビジネスコンテンツは実用レベル プロ品質(ネイティブ監修)
専門用語対応 要レビュー 専門翻訳者がいれば高品質
ブランドトーン 要調整 ブリーフィングにより対応可能
適するコンテンツ ブログ記事、ヘルプページ、メール コーポレートサイト、法的文書、マーケティングコピー

大量のコンテンツを効率的に多言語展開したい場合はAI翻訳をベースにし、ブランドのトップページや重要なマーケティングページなど品質が特に重要な箇所は外部翻訳サービスを使う——という組み合わせが費用対効果のバランスが良いでしょう。

グローバルCRMの設計

Webサイトの多言語対応と並行して、CRM側のグローバル対応も設計する必要があります。海外の見込み客や顧客をどう管理するか、営業チームをどう分けるか、レポートをどう設計するかを見ていきましょう。

多通貨対応

HubSpotのCRMは複数通貨に対応しており、取引の金額を異なる通貨で管理できます。

多通貨の設定手順

  1. 歯車マーク → アカウントの初期設定 → 全般を開く
  2. 「通貨」セクションで、デフォルト通貨(例:JPY)を確認
  3. 「通貨を追加」から、使用する通貨を追加(例:USD、EUR、GBP、CNY)
  4. 為替レートを設定(手動入力)

取引を作成する際に通貨を選択でき、パイプラインのレポートではデフォルト通貨に換算された合計金額が表示されます。

注意点として、HubSpotの為替レートは手動更新です。リアルタイムの為替レートが必要な場合は、定期的に手動更新するか、iPaaS(Zapier/Make)で為替レートAPIと連携して自動更新する仕組みを構築する必要があります。

多通貨対応の対応プラン

多通貨機能はSales Hub Starter以上で利用可能です。Starterでは最大5通貨、Professional以上では最大30通貨まで設定できます。

タイムゾーン管理

グローバルチームで運用する場合、タイムゾーンの管理は地味に重要な設計ポイントです。

アカウントレベルのタイムゾーン設定

HubSpotアカウントのデフォルトタイムゾーンは、レポートの日次集計やワークフローのスケジュール実行に影響します。日本に本社がある企業であれば「Asia/Tokyo(GMT+9)」をデフォルトに設定するのが一般的です。

ユーザーレベルのタイムゾーン設定

各ユーザーは自分のタイムゾーンを個別に設定できます。ニューヨークオフィスの営業担当者は「America/New_York」、ロンドンオフィスの担当者は「Europe/London」といった具合です。

コンタクトのタイムゾーン管理

海外のコンタクトに対してメールやLINE/SMSを送信する際、相手のタイムゾーンを考慮した配信時刻の設定が重要です。HubSpotのマーケティングメールには「コンタクトのタイムゾーンに合わせて送信」するオプションがあり、これを有効にすると各コンタクトの現地時間で指定時刻にメールが届くようになります。

地域別チーム管理

グローバル展開が進むと、地域(リージョン)ごとに営業チームやカスタマーサクセスチームを分ける必要が出てきます。HubSpotでの地域別チーム管理の設計パターンを紹介します。

チーム機能の活用

HubSpotの「チーム」機能を使って、地域別のチームを作成します。

  • Japan Team(日本チーム)
  • APAC Team(アジア太平洋チーム)
  • North America Team(北米チーム)
  • EMEA Team(ヨーロッパ・中東・アフリカチーム)

チームごとにレコードの所有権、パイプラインへのアクセス、レポートの範囲を制御できます。

地域別パイプラインの設計

取引パイプラインを地域別に分けるか、1つのパイプラインに統合するかは、ビジネスモデルに応じて判断します。

設計パターン メリット デメリット
地域別パイプライン 地域ごとの商習慣に合わせたステージ設計が可能 パイプライン横断のレポートが煩雑
統一パイプライン グローバルでの比較・集計が容易 地域固有のステージを反映しにくい

多くの企業では「基本は統一パイプライン、商習慣が大きく異なる地域のみ別パイプライン」というハイブリッド設計を採用しています。

自動アサインの設計

コンタクトや取引を地域別チームに自動アサインするルールをワークフローで設計します。

  • コンタクトの「国」プロパティが「Japan」→ Japan Teamにアサイン
  • コンタクトの「国」が「United States」「Canada」→ North America Teamにアサイン
  • フォームの送信元IPアドレスから推定される国に基づくアサイン

HubSpotのフォーム機能は送信者のIPアドレスから国を自動推定する機能があるため、フォーム送信時点で地域情報を取得できます。

多言語サイトのSEO設定

hreflangタグの自動設定

多言語サイトのSEOで最も重要な技術的設定がhreflangタグです。hreflangタグは、検索エンジンに対して「このページには複数の言語バージョンがある」ことを伝えるHTMLタグで、適切な言語バージョンを適切な地域の検索結果に表示させる役割を果たします。

HubSpotの言語バリアント機能を使ってページを作成した場合、hreflangタグは自動的にHTMLのheadセクションに挿入されます。

<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/services" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/services" />
<link rel="alternate" hreflang="zh-Hans" href="https://example.com/zh/services" />
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/services" />

手動でhreflangタグを管理する必要がないのは、HubSpotの多言語機能を使う大きなメリットの一つです。WordPressで多言語サイトを構築する場合、WPMLやPolylangなどのプラグインでhreflangタグを管理する必要があり、設定ミスが起きやすいポイントでもあります。

URL構造の選択

多言語サイトのURL構造には、大きく3つの選択肢があります。

URL構造 メリット デメリット
サブディレクトリ example.com/en/ 設定が簡単、ドメインパワーを共有 国別の最適化が難しい
サブドメイン en.example.com 地域別の独立運用が可能 ドメインパワーが分散する可能性
国別ドメイン example.co.uk 地域ターゲティングに最適 コストと管理負荷が高い

HubSpotのデフォルトはサブディレクトリ方式で、多くの企業にとってこれが最もバランスの良い選択です。ドメインパワーが分散しないため、SEOの観点からも推奨されています。

サブドメインや国別ドメインを使用する場合は、HubSpotの「ブランドドメイン」設定で各ドメインを追加し、言語バリアントのURLを手動で構成する必要があります。

多言語コンテンツのSEOベストプラクティス

多言語サイトのSEOで意識すべきポイントをまとめます。

タイトルタグとメタディスクリプションの翻訳

ページのタイトルタグとメタディスクリプションは必ず翻訳してください。本文は翻訳してもメタ情報が日本語のまま——というのは多言語サイトでありがちなミスです。HubSpotのページエディタで「設定」タブを開き、言語バリアントごとにタイトルとディスクリプションを設定します。

キーワードの翻訳ではなくローカライズ

SEOキーワードは単純に翻訳するのではなく、ターゲット市場でのキーワード調査に基づいてローカライズすることが重要です。日本語で「顧客管理」というキーワードを狙っている場合、英語では「customer management」よりも「CRM software」のほうが検索ボリュームが大きいかもしれません。

内部リンクの言語一致

日本語ページからのリンクは日本語ページに、英語ページからのリンクは英語ページに向けるのが基本です。日本語ページの中に英語ページへのリンクが混在すると、ユーザー体験とSEOの両面でマイナスです。

画像のalt属性も翻訳

画像のalt属性(代替テキスト)も言語バリアントに合わせて翻訳します。HubSpotのページエディタで画像をクリックし、バリアントごとにalt属性を設定できます。

サイトマップの確認

HubSpotは言語バリアントを含むすべてのページを自動的にサイトマップ(sitemap.xml)に含めます。Google Search Consoleでサイトマップが正しく認識されていることを確認してください。

海外営業チームの管理とレポーティング

グローバルレポーティングの設計

グローバル展開時のレポーティングでは、以下の2つの視点を両立させる必要があります。

  • グローバルビュー:全地域合算での売上、パイプライン、KPIの俯瞰
  • リージョナルビュー:地域別の売上、パイプライン、KPIの詳細

HubSpotのダッシュボード機能では、フィルターを使って「全体」と「地域別」のビューを切り替えられるレポートを設計できます。

推奨ダッシュボード構成

ダッシュボード 内容 閲覧者
Global Overview 全地域合算の売上、パイプライン、コンバージョン 経営層、事業責任者
Japan Sales 日本チームの取引パイプライン、活動量、KPI 日本営業チーム
APAC Sales APAC チームの取引パイプライン、活動量、KPI APACチーム
Global Marketing 地域別のWeb流入、リード獲得、コンバージョン マーケティングチーム

通貨の統一表示

多通貨で取引を管理している場合、レポートではデフォルト通貨に換算した金額で集計されます。グローバルビューでは全取引がJPY換算(日本企業の場合)で表示されるため、各地域の金額を同一基準で比較できます。

地域別マーケティングの管理

多言語サイトを運用する場合、マーケティング施策も地域別に管理する必要が出てきます。

キャンペーンの地域別管理

HubSpotのキャンペーンツールを使って、グローバルキャンペーンと地域固有キャンペーンを管理します。

  • グローバルキャンペーン:全地域共通で展開する製品ローンチ、ブランドキャンペーンなど
  • リージョナルキャンペーン:地域固有の展示会出展、ローカルイベント、地域限定のプロモーションなど

キャンペーン名に地域コードを付与する命名規則(例:「[JP] 2025 Spring Campaign」「[US] SaaStr 2025」)を設けると、管理画面での識別が容易になります。

リスト・セグメントの地域別設計

コンタクトの「国」プロパティや「Preferred language」プロパティを使って、地域別のリスト(セグメント)を作成します。これにより、地域別のメール配信やターゲティングが可能になります。

  • 日本語コンタクトリスト(Preferred language = Japanese)
  • 英語コンタクトリスト(Preferred language = English)
  • APAC リードリスト(国 = Japan, Korea, Singapore, Australia ...)

コンプライアンスと法的対応

グローバル展開では、各地域のデータ保護法への対応が不可欠です。

GDPR(EU一般データ保護規則)対応

EUの顧客を扱う場合、GDPRへの対応が義務づけられます。HubSpotにはGDPR対応のための機能が組み込まれています。

  • 同意バナー:Cookie同意バナーをWebサイトに表示する機能
  • 法的根拠の記録:コンタクトがどの法的根拠(同意、正当な利益など)に基づいてマーケティングコミュニケーションを受けているかを記録
  • データ削除リクエスト対応:コンタクトから「忘れられる権利」の行使を受けた場合、HubSpot上でデータを完全削除する機能
  • データ処理契約(DPA):HubSpotとのデータ処理契約をアカウント設定から締結可能

各国のプライバシー法

GDPR以外にも、主要市場のプライバシー法に注意が必要です。

  • 米国:CCPA/CPRA(カリフォルニア州)、各州のプライバシー法
  • 中国:PIPL(個人情報保護法)
  • 韓国:PIPA(個人情報保護法)
  • 日本:個人情報保護法(改正法)

HubSpotのフォームにはプライバシーポリシーへの同意チェックボックスを追加する機能があり、地域ごとに異なる同意文言を設定することも可能です。

多言語サイト構築のステップバイステップ

海外展開の段階に応じた、多言語サイト構築の推奨ステップを整理します。

フェーズ1:最低限の英語対応(1〜2ヶ月)

まず主要ページのみを英語化し、海外からのアクセスに最低限の対応をする段階です。

  • トップページ、サービス概要、会社概要、問い合わせフォームの英語バリアントを作成
  • AI翻訳で下書きを生成し、ネイティブチェックを経て公開
  • 英語フォームの送信先を海外対応チーム(または既存チーム)にルーティング
  • Google Search Consoleで英語ページのインデックス状況を確認

フェーズ2:本格的な多言語コンテンツ展開(3〜6ヶ月)

ターゲット市場のキーワード調査を行い、SEOを意識した多言語コンテンツを本格展開する段階です。

  • ターゲット市場(米国、APAC等)のキーワード調査を実施
  • ブログの多言語展開を開始(週1〜2本ペースで英語記事を公開)
  • ランディングページの多言語化(リードジェネレーション施策のグローバル展開)
  • メールマーケティングの多言語化(ニュースレター、ナーチャリングシーケンスの翻訳)

フェーズ3:グローバルCRM基盤の整備(6〜12ヶ月)

海外からのリードが増えてきた段階で、CRM側のグローバル対応を本格化します。

  • 多通貨の設定と地域別パイプラインの設計
  • 地域別チームの作成と自動アサインルールの構築
  • グローバルダッシュボードの設計
  • コンプライアンス対応(GDPR同意バナー、プライバシーポリシーの多言語化)

フェーズ4:最適化とスケール(12ヶ月以降)

多言語サイトとグローバルCRMの運用が安定したら、パフォーマンス最適化とスケール拡大のフェーズに入ります。

  • 地域別のコンバージョン率分析と改善
  • A/Bテストの多言語展開
  • 追加言語の展開(中国語、韓国語、スペイン語など)
  • 地域別の営業プロセス最適化

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まとめ

HubSpotの多言語サイト機能とグローバルCRM設計を組み合わせることで、Webサイトの多言語化から海外営業のCRM管理まで、グローバル展開に必要な基盤を一つのプラットフォーム上に構築できます。

言語バリアント機能により、hreflangタグの自動設定やURLの自動構成が行われるため、技術的なSEO設定の手間が大幅に削減されます。BreezeのAI翻訳機能を活用すれば、翻訳の初期コストと時間も圧縮できます。

CRM側では、多通貨対応、タイムゾーン管理、地域別チーム設計、自動アサインルールといった機能を組み合わせて、グローバルな顧客管理の仕組みを構築できます。GDPRをはじめとする各国のプライバシー法への対応も、HubSpotの組み込み機能である程度カバーされています。

まずは主要ページの英語化から始め、段階的にコンテンツと地域を拡大していくアプローチが、リスクを抑えつつ着実にグローバル展開を進める方法です。

よくある質問(FAQ)

Q1: HubSpotの多言語機能は何カ国語まで対応していますか?

HubSpotは50以上の言語に対応しています。日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、アラビア語など、主要なビジネス言語はほぼカバーされています。言語バリアントの数に上限はなく、対応する言語すべてでバリアントを作成できます。

Q2: AI翻訳だけで多言語サイトを公開しても大丈夫ですか?

AI翻訳の品質は年々向上していますが、そのまま公開することはおすすめしません。特にBtoBのコーポレートサイトや製品ページでは、専門用語の正確性やブランドトーンの統一が重要です。AI翻訳で下書きを作成し、ネイティブスピーカーまたはプロの翻訳者がレビュー・修正するフローを推奨します。ブログ記事やヘルプ記事など大量のコンテンツは、AI翻訳ベースで効率化しつつ要所を人間がチェックするハイブリッドアプローチが現実的です。

Q3: 多言語サイトを構築するのに必要なHubSpotのプランは?

Webサイトページの多言語対応はContent Hub Starter以上で利用可能です。ブログの多言語対応もContent Hub Starter以上です。マーケティングメールの多言語対応(コンタクトの優先言語に基づく自動言語選択)はMarketing Hub Professional以上が必要です。多通貨対応はSales Hub Starter以上です。必要な機能の範囲に応じてプランを選択してください。

Q4: 既存のWordPressサイトからHubSpotの多言語サイトに移行できますか?

はい、移行は可能です。HubSpotにはWordPressからのコンテンツインポート機能があり、既存のページやブログ記事を取り込むことができます。ただし、多言語プラグイン(WPMLやPolylang)で管理している言語バリアントの紐づけは自動移行されないため、HubSpot上で再設定が必要です。移行計画を立て、段階的に進めることをおすすめします。

Q5: 為替レートは自動更新されますか?

HubSpotの多通貨機能における為替レートは、デフォルトでは手動更新です。管理画面で為替レートを入力・更新する必要があります。リアルタイムの為替レートが必要な場合は、ZapierやMakeなどのiPaaSを使って為替レートAPI(Open Exchange Ratesなど)と連携し、定期的にHubSpotの設定を更新する自動化を構築する方法があります。ただし、HubSpotの為替レート設定のAPI対応状況は確認が必要です。