「HubSpotで受注管理はしているけれど、請求書の発行や入金確認は会計ソフト側で手作業」——こうした二重入力の課題を抱えている企業は少なくありません。特にマネーフォワードクラウドや弥生会計を利用している企業にとって、CRMと会計ソフトの連携は業務効率化の重要なテーマです。
CRMと会計ソフトの連携とは、営業活動で生まれた取引データ(受注・請求・入金)をCRM側から会計ソフトへ自動的に連携し、二重入力の排除と経営データのリアルタイム可視化を実現する仕組みです。HubSpotは柔軟なAPIとサードパーティ連携ツールを活用することで、マネーフォワードクラウドをはじめとした主要な会計ソフトとの接続が可能になります。
この記事では、HubSpotとマネーフォワードクラウドの連携方法を中心に、弥生会計やその他の会計ソフトとの接続手法を網羅的に解説します。API連携、Zapier/Makeを使ったノーコード連携、カスタム開発による高度な連携まで、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、自社に最適な連携方法を見つけるための情報を提供します。
多くのBtoB企業では、営業部門がHubSpotで商談を管理し、経理部門がマネーフォワードクラウドや弥生会計で請求・入金管理を行っています。この2つのシステムが分断されていると、以下のような問題が日常的に発生します。
まず、二重入力によるミスと工数の増大です。営業担当がHubSpotで受注を記録した後、経理担当が同じ情報を会計ソフトに手動で入力する必要があります。月間の取引件数が100件を超えるような企業では、この作業だけで月に数十時間の工数がかかるケースも珍しくありません。さらに、手入力には転記ミスが伴うため、金額の不一致や請求漏れといったリスクが常に存在します。
次に、リアルタイムな経営判断ができないという問題があります。営業は「今月の受注額」をHubSpotで把握していますが、経理が「実際の入金状況」を把握するのは月末の締め作業後になりがちです。経営者が「今月の実質的な売上はいくらか」を知りたくても、2つのシステムの数字を突合するまで正確な数字が出せません。
そして、顧客対応の質の低下も見逃せません。営業担当が顧客と商談中に「先月のご請求は入金済みでしょうか」と聞かれた場合、HubSpotだけでは回答できず、経理に確認する時間が必要になります。こうした対応の遅れは、顧客満足度の低下につながります。
CRMと会計ソフトを連携させることで、上記の問題はすべて解消に向かいます。具体的なメリットを整理しましょう。
工数削減の効果として、受注データから請求書を自動生成し、会計ソフトに連携する仕組みを構築すれば、経理担当の入力工数を大幅に削減できます。企業規模にもよりますが、月間20〜40時間の工数削減を実現しているケースが多く報告されています。
データ精度の向上として、手入力を排除することで、転記ミスがゼロになります。特に金額に関するミスは、取引先との信頼関係を損なう可能性があるため、自動連携によるデータ精度の担保は大きな価値を持ちます。
リアルタイムな経営可視化として、CRMの受注データと会計ソフトの入金データが連動することで、パイプラインから入金までの一気通貫の可視化が可能になります。これにより、キャッシュフロー予測の精度が格段に向上します。
営業活動の質的改善として、入金状況がCRM側でも確認できるようになると、営業担当は未入金の顧客に対して適切なフォローを行えるようになります。請求・入金に関する問い合わせ対応もスムーズになり、顧客体験が向上します。
マネーフォワードクラウドは、会計・請求書・経費・給与・社会保険など複数のサービスで構成されるクラウド型バックオフィスプラットフォームです。HubSpotとの連携で特に関連するのは、以下の2つのサービスです。
HubSpotの取引(Deal)データを起点として、マネーフォワードクラウド請求書で請求書を自動作成し、入金確認の結果をHubSpotに戻す——というのが基本的な連携の流れになります。
マネーフォワードクラウドはAPIを公開しており、請求書の作成・取得・更新などの操作をプログラムから実行できます。ただし、2024年時点でHubSpotとの公式ネイティブ連携(App Marketplace上のコネクタ)は提供されていないため、連携にはいくつかの工夫が必要です。
最も手軽に始められるのが、ZapierやMake(旧Integromat)といったiPaaS(Integration Platform as a Service)を使った連携方法です。
Zapierを使った連携の基本構成
Zapierでは、HubSpotとマネーフォワードクラウドの両方がサポートされています。基本的なZap(自動化ワークフロー)の構成は以下のとおりです。
この構成により、営業担当がHubSpotで取引を「受注」ステージに移動するだけで、マネーフォワードクラウド側に請求書が自動生成される仕組みが実現します。
Zapier連携の設定手順
まず、Zapierアカウントにログインし、新規Zapを作成します。トリガーとして「HubSpot」を選択し、「Updated Deal Stage」イベントを設定します。次に、トリガーの条件として、取引ステージが「Closed Won(受注)」に変更された場合のみ発火するようフィルタを追加します。
アクションとして「マネーフォワードクラウド請求書」を選択し、「Create Invoice」アクションを設定します。ここで、HubSpotの取引から取得できるデータ(会社名、取引金額、取引名など)をマネーフォワードクラウドの請求書フィールドにマッピングします。
具体的なフィールドマッピングの例を示します。
Makeを使った連携の特徴
Make(旧Integromat)は、Zapierに比べてより複雑な条件分岐やデータ変換に対応できる点が特徴です。たとえば、以下のような高度なシナリオが構築できます。
Makeのビジュアルエディタでは、データの流れを直感的に設計できるため、非エンジニアでも比較的複雑な連携フローを構築できます。
ノーコード連携の制約と注意点
Zapier/Makeを使った連携には、いくつかの制約があります。
より高度な連携を実現したい場合は、マネーフォワードクラウドのAPIを直接利用する方法があります。
マネーフォワードクラウドAPIの概要
マネーフォワードクラウドは、REST APIを提供しており、OAuth2.0による認証に対応しています。請求書APIでは、以下のような操作が可能です。
HubSpotのカスタムコードアクションとの組み合わせ
HubSpotのワークフローには「カスタムコードアクション」という機能があります(Data Hub Professionalプラン以上で利用可能)。これを利用すると、HubSpotのワークフロー内でNode.jsまたはPythonのコードを実行でき、マネーフォワードクラウドのAPIを直接呼び出すことが可能です。
基本的な実装の流れは以下のとおりです。
APIトークンの管理について
マネーフォワードクラウドAPIのOAuth2.0トークンは有効期限があるため、リフレッシュトークンを使った自動更新の仕組みが必要です。HubSpotのカスタムコードアクション内でトークンの有効期限をチェックし、期限切れの場合はリフレッシュトークンを使って新しいアクセストークンを取得するロジックを実装します。
トークンの保管場所としては、HubSpotのカスタムオブジェクトやプロパティを活用する方法と、外部のシークレット管理サービス(AWS Secrets Managerなど)を利用する方法があります。セキュリティ要件に応じて適切な方法を選択してください。
最も柔軟性が高いのが、中間サーバー(ミドルウェア)を構築する方法です。HubSpotのWebhookをトリガーとして、自社サーバーまたはクラウドファンクション(AWS Lambda、Google Cloud Functionsなど)で処理を行い、マネーフォワードクラウドAPIを呼び出します。
この方法のメリットは、以下の点にあります。
一方、開発・運用のコストがかかるため、連携の規模や頻度に応じて投資対効果を検討する必要があります。
freeeはHubSpotとの連携において、マネーフォワードクラウドに比べて一歩先を行っています。freeeはHubSpot App Marketplaceにサードパーティ製のコネクタアプリが公開されており、比較的簡単に連携を開始できます。また、freeeのAPI基盤は成熟しており、ドキュメントも充実しています。
具体的な連携機能としては、以下のようなものがあります。
HubSpotとの連携という観点で、両者を比較すると以下のような違いがあります。
公式連携の有無について、freeeはサードパーティ製のHubSpotコネクタが存在し、ノーコードで基本的な連携が可能です。一方、マネーフォワードクラウドにはHubSpot専用のコネクタが存在しないため、Zapier/Make経由またはAPI開発が必要になります。
APIの充実度について、freee APIは会計・請求書・経費・人事労務など幅広いサービスのAPIを公開しており、開発者向けドキュメントも豊富です。マネーフォワードクラウドAPIも主要な機能はカバーしていますが、一部のサービスではAPIが限定的な場合があります。
Zapier/Make対応について、両者ともZapierとMakeに対応していますが、freeeのほうがZapier上のアクション・トリガーの種類が多い傾向にあります。
導入の容易さについて、freeeは既存コネクタを利用すれば初期設定が比較的簡単です。マネーフォワードクラウドはAPI連携の場合、開発リソースが必要になります。
ランニングコストについて、freeeの既存コネクタは月額費用がかかる場合があります。マネーフォワードクラウドのAPI連携は、開発コストはかかりますが、ランニングコストは自社サーバーの運用費のみです。
会計ソフトの選定は、HubSpotとの連携性だけで決めるものではありません。自社の業種・規模・経理体制・税理士との連携など、多角的な観点から判断する必要があります。
ただし、HubSpotとの連携のしやすさという観点だけで言えば、freeeのほうが現時点では優位にあります。マネーフォワードクラウドを利用している、または利用を検討している企業が、HubSpotとの連携を重視する場合は、Zapier/Makeを活用した連携か、API連携の開発投資を見込んでおく必要があります。
すでにマネーフォワードクラウドを導入済みで、会計ソフトの変更が困難な場合は、この記事で解説する連携方法を参考に、最適な手法を選択してください。
弥生会計は、日本の中小企業で最もシェアの高い会計ソフトの一つです。弥生会計とHubSpotの連携は、マネーフォワードクラウド以上にハードルが高いのが現状です。
弥生会計オンライン(クラウド版)の場合、弥生はAPIを公開していますが、パートナー企業向けの限定的な提供となっており、一般的な開発者が自由に利用できる状況にはありません。そのため、Zapier/Make経由の連携が現実的な選択肢になります。
Zapierでは弥生会計のアプリが一部対応しているものの、利用できるトリガーやアクションが限られています。より柔軟な連携を行うには、弥生会計のデータをCSVでエクスポートし、それをHubSpotにインポートする半自動のワークフローを構築するという方法もあります。
弥生会計(デスクトップ版)の場合は、クラウドAPIを直接利用できないため、以下のようなアプローチが考えられます。
勘定奉行は、中堅〜大企業で広く利用されている会計ソフトです。OBC(オービックビジネスコンサルタント)は「奉行クラウドAPI」を提供しており、外部システムとの連携が可能です。
ただし、勘定奉行のAPIは弥生と同様にパートナー契約が必要な場合が多く、個別の開発プロジェクトとして取り組む必要があります。勘定奉行との連携を検討する場合は、OBCのパートナー企業やシステムインテグレーターに相談することをお勧めします。
大企業でSAPやOracleなどのERPシステムを利用している場合、HubSpotとの連携はエンタープライズレベルのインテグレーションプロジェクトになります。HubSpotは、SAP向けのコネクタやミドルウェア(MuleSoft、Boomi、Workato等)を通じた連携をサポートしています。
これらの大規模ERPとの連携は、本記事の主題から外れるため詳細は割愛しますが、HubSpotのEnterprise版とエンタープライズ向けiPaaSの組み合わせが一般的な選択肢となります。
各会計ソフトとHubSpotの連携方法を整理すると、以下のようになります。
freee会計は、サードパーティコネクタ、Zapier/Make、API直接連携の3つの方法が利用可能です。最も連携しやすい会計ソフトと言えます。
マネーフォワードクラウドは、Zapier/Make、API直接連携、カスタム開発の3つの方法が利用可能です。APIの活用により柔軟な連携が構築できます。
弥生会計オンラインは、Zapier(一部)、CSV連携、半自動ワークフローが現実的な選択肢です。API利用にはパートナー契約が必要です。
弥生会計デスクトップは、CSV連携またはRPAによる自動化が主な方法となります。直接的なAPI連携は困難です。
勘定奉行クラウドは、API連携(パートナー経由)またはカスタム開発が必要です。OBCのパートナーとの協業が推奨されます。
CRMと会計ソフトの連携を設計する際は、データの流れを明確にすることが重要です。ここでは、HubSpotとマネーフォワードクラウドを例に、請求書発行から入金確認までの理想的なデータフローを解説します。
ステップ1:受注確定(HubSpot)
営業担当がHubSpot上で取引を「受注」ステージに変更します。この時点で、取引には以下の情報が含まれている必要があります。
ステップ2:請求書自動生成(HubSpot → マネーフォワード)
受注確定をトリガーとして、マネーフォワードクラウド請求書に新規請求書が自動生成されます。このとき、以下のデータマッピングが行われます。
ステップ3:請求書送付(マネーフォワード)
マネーフォワードクラウド上で請求書の内容を確認し、送付処理を行います。この段階は、金額の最終確認という意味で人間のチェックを入れることを推奨します。完全自動化も技術的には可能ですが、請求ミスのリスクを考慮すると、送付前の目視確認は残しておくのが安全です。
ステップ4:入金確認(マネーフォワード → HubSpot)
マネーフォワードクラウドで入金が確認されたら、その情報をHubSpotに戻します。HubSpotの取引に「入金済み」「入金日」「入金額」などのカスタムプロパティを設定し、自動更新する仕組みを構築します。
ステップ5:未入金フォロー(HubSpot)
支払期限を過ぎても入金が確認されない場合、HubSpotのワークフローで営業担当に通知を送ります。さらに、一定期間経過後には自動リマインドメールを送信する仕組みも構築可能です。
連携の成否を分けるのは、データマッピングの精度です。以下のポイントに注意して設計を行いましょう。
取引先名の表記揺れ対策として、HubSpotの会社名と会計ソフトの取引先名が完全一致しないケースが多々あります。「株式会社」の有無、英語表記と日本語表記の違い、半角・全角の違いなど、表記揺れを吸収するためのマッチングロジックが必要です。取引先IDをキーとした紐づけを行うか、名寄せルールを定義しておくことが重要です。
税率の扱いとして、消費税率が複数存在する場合(標準税率10%と軽減税率8%)、HubSpotの商品ラインアイテムに税率情報を持たせ、マネーフォワードクラウドに正確に反映する必要があります。インボイス制度への対応も考慮した設計が求められます。
通貨・端数処理として、外貨取引がある場合は通貨の変換ロジックが必要です。また、消費税の端数処理(切り捨て・切り上げ・四捨五入)のルールを明確にし、HubSpotとマネーフォワードクラウドで同じルールが適用されるようにしましょう。
会計連携を実現するためには、HubSpotの取引オブジェクトに適切なカスタムプロパティを追加する必要があります。推奨されるプロパティの例を紹介します。
これらのプロパティを適切に設定することで、HubSpot上で請求・入金状況の一元管理が可能になります。
CRMと会計ソフトの連携は、一度にすべてを構築しようとせず、段階的に進めることを推奨します。
フェーズ1:データの可視化(1〜2週間)
まずは、HubSpotの取引データと会計ソフトの請求データを突合できる状態を作ります。具体的には、HubSpotの取引にカスタムプロパティを追加し、手動で請求書番号や入金ステータスを入力する運用から始めます。この段階で、どのようなデータが連携に必要かを明確にします。
フェーズ2:一方向の自動連携(2〜4週間)
HubSpotの受注データをもとに、マネーフォワードクラウドで請求書を自動生成する仕組みを構築します。Zapier/Makeを使えば、比較的短期間で実現可能です。この段階では、請求書の内容を人間がチェックしてから送付するフローにしておきます。
フェーズ3:双方向連携(4〜8週間)
マネーフォワードクラウドでの入金確認情報をHubSpotに自動反映する仕組みを追加します。これにより、HubSpot上で請求から入金までの一連のステータスが自動的に更新されるようになります。
フェーズ4:高度な自動化(継続的改善)
未入金の自動リマインド、月次レポートの自動生成、異常値の自動検知など、業務ルールに基づいた高度な自動化を段階的に追加していきます。
連携システムにおいて最も重要なのは、エラーが発生した際の対処方法です。以下のパターンを想定し、対策を講じておきましょう。
APIレート制限への対応として、HubSpotとマネーフォワードクラウドの両方にAPIのレート制限があります。大量のデータを一度に連携しようとすると、レート制限に引っかかる可能性があります。リトライ処理やキューイング(処理の待ち行列管理)を実装し、レート制限を超えないように制御しましょう。
データ不整合への対応として、連携処理の途中でエラーが発生した場合、HubSpotとマネーフォワードクラウドのデータに不整合が生じる可能性があります。定期的なデータ突合チェックを実施し、不整合を検知する仕組みを用意しておきましょう。
認証エラーへの対応として、OAuth2.0のトークンが失効した場合、すべての連携処理が停止します。トークンの自動リフレッシュに加え、リフレッシュトークン自体が失効した場合の通知機能を実装しておくことが重要です。
連携システムは、構築して終わりではなく、継続的な監視が必要です。
会計データは機密性の高い情報です。連携の設計にあたっては、以下のセキュリティ対策を講じましょう。
SaaS企業やサブスクリプション型のサービスを提供している企業では、毎月の請求書発行が発生します。HubSpotの取引にサブスクリプション情報(月額金額、契約開始日、契約期間)を持たせ、毎月自動で請求書を生成する仕組みを構築できます。
具体的には、HubSpotのワークフローで「毎月1日」にトリガーを発火させ、アクティブなサブスクリプション取引を抽出し、それぞれに対応する請求書をマネーフォワードクラウドに生成するという流れです。
コンサルティングやシステム開発のように、プロジェクトの進捗に応じて分割請求を行うビジネスでは、HubSpotの取引に「マイルストーン」情報を持たせ、各マイルストーンの完了時に対応する金額の請求書を生成する仕組みが有効です。
HubSpotのカスタムプロパティで「請求スケジュール」を管理し、各請求のタイミングと金額を事前に定義しておくことで、プロジェクトの進行に合わせた自動請求が実現します。
HubSpotのパイプラインデータ(見込み売上)とマネーフォワードクラウドの実績データ(確定売上・入金済み売上)を統合し、経営ダッシュボードを自動生成するパターンです。
HubSpotのカスタムレポートやBIツール(Looker Studio等)を活用して、「パイプライン上の見込み」「請求済み未入金」「入金済み」の3つのステータスを一つのダッシュボードで可視化します。これにより、経営者はリアルタイムで資金繰りの見通しを把握できるようになります。
営業活動に関連する経費(交通費、接待費等)を、HubSpotの取引やコンタクトに紐づけて管理するパターンです。マネーフォワードクラウド経費のデータをHubSpotに連携することで、特定の商談にかかった営業コストを可視化し、案件ごとの採算性を分析できるようになります。
HubSpotとマネーフォワードクラウドをはじめとする会計ソフトの連携は、営業と経理の分断を解消し、経営データのリアルタイム可視化を実現するための重要な施策です。
この記事のポイントを振り返ります。
会計ソフトの種類に関わらず、HubSpotとの連携は適切な手法を選択すれば実現可能です。まずは自社の業務フローを整理し、どのデータをどのタイミングで連携したいかを明確にするところから始めてみてください。
Zapier/Makeを使った連携であれば、プログラミング知識がなくても基本的な連携は構築可能です。ただし、複雑なデータ変換や双方向連携を実現する場合は、API連携の知識が必要になります。社内にエンジニアリソースがない場合は、HubSpotの導入支援パートナーに相談することをお勧めします。
Zapierの場合、月間タスク数に応じて月額$19.99〜$799の料金が発生します(2024年時点)。Makeの場合は月額$9〜$299程度です。API連携を自社で開発する場合は、サーバー費用(月額数千円程度)のみで済みますが、初期の開発コストと保守コストを考慮する必要があります。月間の連携回数が少ない場合はZapier/Make、多い場合はAPI連携のほうがコスト効率が良い傾向にあります。
適切な設計を行えば、二重作成を防ぐことができます。具体的には、HubSpotの取引IDをキーとして、マネーフォワードクラウド側で重複チェックを行う仕組みを実装します。また、べき等性(同じ処理を複数回実行しても結果が変わらない性質)を持たせた設計にすることで、リトライ時の二重処理を防止できます。
会計ソフトの移行に伴い、HubSpotとの連携も再構築が必要になります。移行の手順としては、まず新しい会計ソフト(マネーフォワードクラウド)との連携を並行環境で構築・テストし、既存の連携(freee)と同等の機能が実現できていることを確認した上で切り替えます。移行期間中は、旧システムと新システムの両方でデータの整合性を確認するダブルチェック期間を設けることをお勧めします。
直接的なAPI連携は困難ですが、CSVを介した半自動連携は構築可能です。HubSpotの取引データをCSV形式でエクスポートし、弥生会計のインポート形式に変換して取り込むワークフローを構築します。完全自動化を目指す場合は、RPAツール(UiPathやPower Automate等)を活用して、画面操作の自動化を検討することもできます。ただし、将来的なスケーラビリティを考慮すると、クラウド版の会計ソフトへの移行も選択肢として検討する価値はあります。