「HubSpotに入力したデータを他のツールにも手動で転記している」「Slackへの通知やスプレッドシートへの転記を毎回手作業でやっている」——こうした業務の"手動リレー"に追われている企業は少なくありません。
HubSpot × Yoom / Make連携とは、iPaaS(Integration Platform as a Service)を活用して、HubSpotと他のクラウドツールをノーコードで接続し、業務フローを自動化する仕組みです。プログラミング不要で、マーケティング担当者や営業担当者自身が自動化フローを構築できるのが最大の特徴です。
本記事では、YoomとMakeそれぞれの特徴、HubSpotとの具体的な連携パターン、設定ステップ、運用上の注意点までを実践的に解説します。
Yoomは日本発のノーコードiPaaSで、国内SaaSとの連携に強みがあります。Chatwork、kintone、クラウドサイン、freeeなど、日本企業が日常的に使うツールとの連携テンプレートが豊富に用意されています。
当社(StartLink)でもHubSpotとNotionの連携にYoomを使っていますが、「HubSpotと直でNotionとかってつなげられないんですけど、Yoomを使うことで連携が結構円滑にできたりする」というのが実感です。日本語UIで直感的に操作できるため、エンジニアでなくても業務自動化を始められます。
Make(旧Integromat)はグローバルで展開されるiPaaSで、1,500以上のアプリとの連携に対応しています。視覚的なフローエディタで複雑な分岐やループ処理も構築でき、柔軟性の高さが特徴です。HubSpotとの公式連携モジュールも提供されており、コンタクト・取引・チケットなど主要オブジェクトの操作が可能です。
HubSpotには標準の連携アプリが豊富にありますが、日本特有のツール(チャットワーク、freee、board、クラウドサインなど)との連携は標準では対応していないケースがあります。また、「特定の条件で取引が作成されたら、Slackの特定チャンネルに通知し、同時にスプレッドシートにも記録する」といった複数ツールをまたぐ自動化は、iPaaSを使うことで初めて実現できます。
ここが結構ミソになってくるのですが、iPaaSを使うことで「HubSpotのワークフローだけでは実現できない外部連携」が可能になります。HubSpotのワークフローは強力ですが、あくまでHubSpot内の処理が中心です。外部ツールとのデータ連携を含む業務フローを自動化するには、YoomやMakeのようなiPaaSが不可欠です。
HubSpotのフォームに問い合わせが入ったら、チャットワークの営業チャンネルに通知を飛ばし、同時にGoogleスプレッドシートにリードデータを記録するフローです。
設定の流れ:
HubSpotの取引が「見積もり提示」ステージに移行したら、freeeで見積書を自動作成するフローです。これにより、営業担当者がHubSpot上で取引管理をするだけで、バックオフィスの見積書作成が自動化されます。
クラウドサインで電子契約が完了したら、HubSpotの取引ステージを「契約締結」に自動更新するフローです。営業担当者が手動でステージを変更する手間がなくなり、パイプラインの精度も向上します。
HubSpotに新しいコンタクトが作成されたら、Notionの顧客管理データベースに自動でレコードを追加するフローです。Makeのビジュアルフローエディタで、データの変換・マッピングも直感的に設定できます。
Makeが特に強みを発揮するのが、複雑な条件分岐を含むフローです。例えば「取引金額が100万円以上ならマネージャーにSlack通知、50万円以上ならチーム通知、それ以下なら記録のみ」といった分岐処理も、Makeのルーターモジュールで簡単に構築できます。
毎週月曜日にHubSpotの未対応リードをリストアップし、担当者にメールで一覧を送付する定期バッチ処理も、Makeのスケジューリング機能で実現できます。
| 比較項目 | Yoom | Make |
|---|---|---|
| 対応アプリ数 | 国内SaaS中心(200+) | グローバル(1,500+) |
| 日本語対応 | 完全日本語UI・サポート | UIは日本語対応、サポートは英語中心 |
| 国内SaaS連携 | Chatwork、kintone、freee、クラウドサインなど豊富 | 一部対応 |
| 分岐・ループ処理 | シンプルな条件分岐 | 複雑な分岐・ループ・エラーハンドリング |
| 料金 | 月額10,780円〜(Starterプラン) | 月額$9〜(Coreプラン) |
| 学習コスト | 低い(日本語テンプレート豊富) | やや高い(高機能ゆえ) |
| 向いている企業 | 日本国内ツールとの連携が多い企業 | グローバルツールや複雑なフローが必要な企業 |
使い分けの判断基準:
当社のクライアント様でも、国内ツールが中心の企業にはYoomを、海外ツールとの連携が多い企業にはMakeをおすすめするケースが多いです。
いきなり複雑な自動化フローを組むのではなく、まずは「フォーム送信 → Slack通知」のようなシンプルなフローから始めるのがおすすめです。「なかなか全てを一気に進めるのは難しいかなと思うので、自社で活用できそうなものから優先順位をつけてトライいただければなと思っています」。
iPaaSの連携フローは、APIの一時的なエラーやデータ形式の不一致で失敗することがあります。エラー発生時の通知設定やリトライ処理は必ず組み込んでおきましょう。
HubSpotのプロパティと連携先ツールのフィールドの対応関係を、事前にスプレッドシート等で整理しておくと設定がスムーズです。特にプロパティの型(文字列・数値・日付など)の不一致はよくあるエラー原因になります。
本番データに影響を与えないよう、テスト用のコンタクトやダミーの取引データで動作検証を行いましょう。HubSpotのサンドボックス環境がある場合は、そちらでの検証がおすすめです。
iPaaSを経由してデータが外部サービスを通過するため、セキュリティポリシーの確認は必須です。特に個人情報を含むデータの取り扱いには注意が必要です。SOC2認証やISO27001の取得状況も選定基準に含めることをおすすめします。
HubSpot × Yoom / Make連携を活用すれば、プログラミング不要で業務自動化フローを構築できます。まずは日常的に手動で繰り返している作業を1つ特定し、小さな自動化フローから始めてみましょう。
連携ツールの選定は「日本国内SaaSが多いならYoom、グローバルSaaSや複雑な分岐が必要ならMake」を基準に判断いただくのがよいかなと思います。CRMにデータが蓄積されるほど、自動化の効果は大きくなります。段階的にフローを拡張し、チーム全体の業務効率を高めていきましょう。
自社で利用しているツールの構成によります。Chatwork、freee、kintoneなど国内SaaSが中心であればYoomを、Slack、Notion、Asanaなどグローバルツールが中心であればMakeを選ぶのが基本です。迷う場合は、まず自動化したいフローを1つ決め、そのフローに対応しているツールから始めるのがおすすめです。
HubSpot内で完結する処理(プロパティ更新、内部通知、メール配信など)はHubSpotのワークフローで対応し、外部ツールとのデータ連携が必要な処理はiPaaSを使うのが基本的な使い分けです。ワークフローとiPaaSの両方を組み合わせることで、より柔軟な自動化が実現できます。
Yoomは月額10,780円(税込)〜、Makeは月額約$9〜で利用できます。ただし、処理件数やフロー数によって料金が変動します。月間の処理件数が少ない段階では無料プランや最安プランで十分対応できるケースが多いです。
HubSpot App Marketplaceに公式連携アプリがある場合は、それを使うのが最もシンプルです。また、HubSpotのカスタムコードアクション(ワークフロー内でNode.jsやPythonを実行)を使えば、APIレベルでの連携も可能です。ただし、開発リソースが必要になります。
YoomもMakeも、フローの実行ログが確認できます。エラーの原因(認証切れ、API制限、データ形式不一致など)を特定し、修正後に再実行するのが基本です。重要なフローには必ずエラー通知を設定しておき、障害を早期に発見できるようにしましょう。