「動画コンテンツをマーケティングに活用したいが、YouTubeだけでは視聴データをCRMと連携できない」「製品デモ動画を見た見込み客を自動的にフォローアップしたい」——BtoB企業の動画マーケティングにおいて、動画の「配信」だけでなく「視聴データの活用」が重要なテーマになっています。
HubSpotの動画ホスティング機能は、動画のアップロード・管理・Webページやメールへの埋め込み・CTAの設置・視聴データの分析までを一気通貫で行える仕組みです。Marketing Hub / Content Hub Professional以上のプランで利用でき、誰がどの動画をどこまで視聴したかがCRMのコンタクトレコードに自動記録されます。
本記事では、HubSpotの動画ホスティング機能の設定方法から、CTA活用、視聴データを使ったリードナーチャリングまでを解説します。
HubSpotの動画ホスティングは、動画ファイルをHubSpotのファイルマネージャーにアップロードし、Webページ・ランディングページ・ブログ記事・メールに直接埋め込める機能です。外部の動画ホスティングサービス(YouTubeやVimeoなど)を経由せずに、HubSpotプラットフォーム内で動画の管理と配信を完結できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用可能プラン | Marketing Hub / Content Hub Professional以上 |
| 動画の最大ファイルサイズ | 1GB/ファイル |
| 対応フォーマット | MP4、MOV、AVI、MKV等(MP4推奨) |
| ストレージ容量 | ファイルマネージャーの容量に含まれる |
| CTA設置 | 対応(動画再生中にオーバーレイ表示) |
| 視聴データ追跡 | 対応(コンタクトレコードに自動記録) |
| メール内埋め込み | 対応(サムネイル+再生リンク) |
HubSpotの動画ホスティングとYouTubeは、目的が根本的に異なります。
| 比較項目 | HubSpot動画ホスティング | YouTube |
|---|---|---|
| 主な目的 | リード獲得・育成 | 認知拡大・SEO |
| 視聴データ | コンタクト単位で追跡可能 | チャネル全体の集計データのみ |
| CRM連携 | 自動連携 | 連携不可(直接的には) |
| CTA設置 | 動画内にオーバーレイCTA | カード・終了画面(YouTube内に限定) |
| 広告表示 | なし | あり(競合広告が表示される可能性) |
| SEO効果 | サイト内の動画としてのSEO | YouTube検索・Google動画検索 |
| コスト | HubSpotプラン料金に含まれる | 無料 |
推奨する使い分け:認知拡大・SEO目的の動画はYouTubeに公開し、リード獲得・ナーチャリング目的の動画(製品デモ、ウェビナー録画、導入事例インタビューなど)はHubSpotでホスティングします。
動画ファイルの推奨設定
ページエディタで「動画」モジュールを追加し、ファイルマネージャーからアップロード済みの動画を選択するだけで埋め込みが完了します。外部の動画(YouTube、Vimeo)の埋め込みも同じモジュールからURL指定で行えます。
HubSpotのメールエディタで動画モジュールを挿入すると、動画のサムネイル画像に再生ボタンのオーバーレイが付いた状態で表示されます。受信者がサムネイルをクリックすると、動画が埋め込まれたWebページに遷移して再生が始まります。
メール内で動画を直接再生させることはできません(メールクライアントの制約)。サムネイルのクリックを促すため、「動画を再生する」などのテキストリンクを併記することを推奨します。
HubSpot動画ホスティングの最大の特徴は、動画再生中にCTAをオーバーレイ表示できる点です。
| 動画の種類 | CTA表示タイミング | CTA内容 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 製品デモ動画 | 動画の75%時点 | 「無料トライアルを始める」 | コンバージョン |
| ウェビナー録画 | 動画の50%時点 | 「関連資料をダウンロード」 | リード獲得 |
| 導入事例動画 | 動画の終了時 | 「お問い合わせはこちら」 | 商談化 |
| 会社紹介動画 | 動画の終了時 | 「採用情報を見る」 | 採用ページへの誘導 |
CTAの表示タイミングは、視聴者が十分にコンテンツを視聴した後に設定するのがポイントです。動画の冒頭にCTAを表示すると、視聴体験を損なう可能性があります。
CTAにHubSpotのフォームを設定すると、動画の再生中にフォームがポップアップ表示されます。ウェビナー録画の途中で「続きを視聴するには情報を入力してください」というゲーティング(視聴制限)を設けることで、リード情報を獲得できます。
HubSpotの動画ホスティングで最も価値が高い機能が、コンタクト単位での視聴データ追跡です。CRMのコンタクトレコードに、以下の情報が自動記録されます。
視聴データをトリガーにしたワークフローを構築することで、動画マーケティングの成果を最大化できます。
活用例1:製品デモ動画の視聴完了でアラート
製品デモ動画を80%以上視聴したコンタクトを自動検知し、営業担当者にアラート通知を送信します。「動画を最後まで視聴した」ということは、製品への関心が高い状態であり、このタイミングでの営業アプローチが効果的です。
活用例2:ウェビナー視聴者へのフォローアップメール
ウェビナー録画を視聴したコンタクトに対して、関連するホワイトペーパーや事例記事を自動送信するフォローアップメールを設定します。
活用例3:視聴データに基づくリードスコアリング
「製品デモ動画を50%以上視聴:+10点」「導入事例動画を視聴:+15点」のように、動画の視聴行動をリードスコアリングに組み込むことで、営業に引き渡すリードの質を向上させます。
HubSpotのレポート機能で、動画のパフォーマンスを可視化できます。
BtoB企業の動画マーケティングでは、以下のコンテンツ種別をファネルに応じて使い分けます。
HubSpotでホスティングした動画のSEO効果を高めるためには、以下の設定を行います。
Marketing Hub / Content Hub Professional以上のプランに含まれているため、追加料金は不要です。ただし、動画ファイルはファイルマネージャーのストレージ容量を消費するため、大量の動画をホスティングする場合はストレージの上限に注意してください。
YouTube動画をHubSpotのページに埋め込んだ場合は、ページの閲覧データは取得できますが、コンタクト単位の視聴完了率やCTAオーバーレイは利用できません。視聴データの詳細な追跡が必要な場合は、HubSpotの動画ホスティングを使用してください。
いいえ。デフォルトでは動画は誰でも視聴可能です。コンタクト情報の入力を必須にしたい場合は、フォームCTA(ゲーティング)を設定することで、特定の時点でフォーム入力を求めることができます。匿名訪問者の場合、視聴データはCookieベースで追跡され、フォーム送信後にコンタクトレコードに紐付けられます。
HubSpotの動画ホスティングにライブ配信機能は含まれていません。ライブ配信が必要な場合は、Zoom、YouTube Live、StreamYardなどの外部サービスを利用し、録画をHubSpotにアップロードしてアーカイブとして活用する方法が一般的です。
HubSpotの動画プレーヤーは遅延読み込み(lazy loading)に対応しているため、ページ速度への影響は最小限です。ただし、1ページに複数の動画を埋め込む場合は、ページの読み込み速度が低下する可能性があるため、1ページあたり1〜2本に抑えることを推奨します。
HubSpotの動画ホスティング機能は、動画を「見せる」だけでなく「リードを獲得し、育成する」ためのマーケティングツールです。CTAオーバーレイと視聴データのCRM連携を活用することで、動画コンテンツの投資対効果を最大化できます。まずは製品デモ動画やウェビナー録画からHubSpotでのホスティングを始めてみてください。
カテゴリ: Content Hub | HubSpot