「CRMと会計ソフトのデータを手動で同期している」「HubSpotに取り込んだデータの品質が悪く、レポートが信頼できない」「ワークフローだけでは対応できない複雑な自動化がしたい」——こうしたデータ管理の課題を解決するのが、HubSpot Operations Hub(現: Data Hub)です。
HubSpot Operations Hub(Data Hub)とは、外部システムとのデータ同期、データ品質管理、プログラマブルな自動化、高度なレポーティングを実現するHubSpotの製品ラインです。 CRMデータを「正確に」「一元的に」「リアルタイムに」管理するためのデータ基盤として、営業・マーケティング・カスタマーサクセスすべての部門のデータ活用を支えます。
この記事では、以下のポイントを解説します。
HubSpotは「Operations Hub」を「Data Hub」にリブランドしました。これは、単なる「オペレーション自動化」から「データ基盤」へと役割が拡大したことを反映しています。ただし、日本では引き続き「Operations Hub」の名称で検索されることが多いため、本記事では両方の名称で解説します。
| Hub | 役割 |
|---|---|
| Marketing Hub | リード獲得・ナーチャリング・MA |
| Sales Hub | 営業管理・パイプライン・SFA |
| Service Hub | カスタマーサポート・サクセス |
| Content Hub | Webサイト・ブログ・CMS |
| Operations Hub(Data Hub) | データ同期・品質管理・自動化基盤 |
Operations Hub(Data Hub)は、他の4つのHubが正しく機能するためのデータ基盤として位置づけられます。CRMのデータが正確でなければ、レポートもワークフローも信頼できません。そのデータの正確性と一元性を担保するのがこのHubの役割です。
Data Syncは、HubSpotと外部アプリケーション間でデータを双方向または一方向にリアルタイム同期する機能です。100以上のアプリとの連携が可能で、ノーコードで設定できます。
| カテゴリ | アプリ例 |
|---|---|
| CRM/SFA | Salesforce、Microsoft Dynamics、Zoho CRM |
| 会計 | QuickBooks、Xero、NetSuite |
| Eコマース | Shopify、WooCommerce |
| ヘルプデスク | Zendesk、Freshdesk |
| データベース | Google Sheets、Airtable |
| その他 | Mailchimp、ActiveCampaign |
データ同期には以下の3つのモードがあります。
| モード | 動作 | 使用シーン |
|---|---|---|
| 双方向同期 | 両方のシステムの変更がリアルタイムに反映 | CRMとCRMの併用 |
| HubSpot→外部 | HubSpotの変更が外部に反映 | HubSpotをマスターにする場合 |
| 外部→HubSpot | 外部の変更がHubSpotに反映 | 外部システムをマスターにする場合 |
スプレッドシートとかでやっぱり管理していて、情報が分散するという課題がある場合、Data Syncを使えば全部HubSpotに入っている状態を作れるので、過去のやり取りなどが一覧で確認できるようになります。
CRMのデータが汚れていると、すべてのマーケティング・営業活動に悪影響が出ます。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 重複検出・マージ | 重複コンタクト/会社を自動検出し、マージを提案 |
| フォーマットの自動修正 | 電話番号、日付、氏名のフォーマットを自動統一 |
| データ異常アラート | データ品質の低下を検知して通知 |
| プロパティの利用分析 | 使用率の低いプロパティを特定 |
請求先メールのプロパティが0.91%しか使われていないなら、それはおそらく使っていないプロパティです。こうしたフィルレート分析で不要なプロパティを発見し、項目をスリム化することがデータ品質向上の第一歩です。
よくあるSFAのあるあるで全然使っていない項目が大量にあったりしますが、項目が少ない方が集中できるので、不要プロパティの整理は非常に重要です。
Operations Hub Professionalプラン以上で利用できる「カスタムコードアクション」は、ワークフロー内でJavaScript(Node.js)またはPythonのコードを実行できる機能です。
| ユースケース | 内容 |
|---|---|
| 請求書の自動分割 | 受注時に12ヶ月分の請求レコードを自動作成 |
| 外部API連携 | 会計ソフトやERPのAPIを直接呼び出し |
| 複雑なデータ変換 | 住所の正規化、金額の通貨変換 |
| AI連携 | 外部のLLM APIを呼び出してデータを分類・要約 |
| 条件分岐の拡張 | 標準のIF/THENでは対応できない複雑なロジック |
取引が「請求書発行」ステージに移行したタイミングでカスタムコード(NodeJS/Python)を実行し、12ヶ月分の請求レコードを自動分割作成するような処理が可能です。
外部のWebhookエンドポイントにデータを送信する機能で、HubSpot外のシステムにリアルタイムでイベントを通知できます。
Data Studioは、HubSpotの内部データと外部データソース(Google Sheets、Snowflakeなど)を組み合わせた高度なレポーティングを実現する機能です。
| 機能 | Free | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| データ同期(基本) | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| カスタムフィールドマッピング | - | 対応 | 対応 | 対応 |
| データ品質ツール | 一部 | 一部 | 対応 | 対応 |
| カスタムコードアクション | - | - | 対応 | 対応 |
| Webhook | - | - | 対応 | 対応 |
| Data Studio | - | - | - | 対応 |
| カスタムオブジェクト | - | - | - | 対応 |
| 高度な権限設定 | - | - | - | 対応 |
結構クライアント様でも判断のポイントになるのが、ワークフローとカスタムレポートの2つです。この2つが必要になったタイミングで、基本的にはProfessionalをご検討いただくケースが多いかなと思います。
特にOperations Hub(Data Hub)のProfessionalプランを検討すべきタイミングは以下の通りです。
何らかのHubのProfessionalを一つでも購入いただければワークフローの機能が使えるという点もポイントです。
双方向同期を設定する場合、両方のシステムで同じレコードが同時に更新されると「競合」が発生します。「最新の更新を優先する」「HubSpotを優先する」などの競合解決ルールを事前に設定してください。
カスタムコードアクションは強力ですが、コードのメンテナンスやデバッグにはエンジニアリングリソースが必要です。シンプルな自動化はワークフローの標準機能で対応し、それでは対応できない場合にカスタムコードを使うという切り分けが重要です。
Data Syncはリアルタイム同期ですが、大量のデータを初回同期する場合は時間がかかることがあります。初回同期はオフピーク時に実行することを推奨します。
HubSpot Operations Hub(Data Hub)は、CRMデータの正確性・一元性・活用度を向上させるためのデータ基盤です。
まずはData Syncで主要アプリとの同期を設定し、段階的にデータ品質管理やプログラマブル自動化を導入していきましょう。CRMのデータ品質が向上するほど、レポートの信頼性が上がり、データドリブンな経営判断が可能になります。
Operations Hubが「Data Hub」にリブランドされました。基本的な機能は同一ですが、データ基盤としての位置づけが強化され、Data Studio(外部データ統合レポート)やAIデータ変換などの新機能が追加されています。
はい、Data Syncの基本機能は無料プランでも利用可能です。ただし、カスタムフィールドマッピングや高度なフィルター設定にはStarterプラン以上が必要です。
JavaScript(Node.js)とPythonの2言語に対応しています。Operations Hub(Data Hub)Professionalプラン以上で利用可能です。実行時間やメモリには制限があるため、大量データ処理には注意が必要です。
はい、Data Syncの対応アプリにSalesforceが含まれており、双方向または一方向のデータ同期が設定可能です。Salesforceを使っているけどHubSpotのMAを導入したいという場合、データの連携はしっかりできるので、MAとSFAを切り分けて運用することも可能です。
はい、他のHub(Marketing Hub、Sales Hub等)とは独立して契約可能です。ただし、Data Hubの価値を最大限に活用するには、他のHubと組み合わせて利用することをおすすめします。