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HubSpot Operations Hub(Data Hub)とは?データ同期・自動化・レポート機能を徹底解説

作成者: 今枝 拓海|2026/02/23 14:57:28

「CRMと会計ソフトのデータを手動で同期している」「HubSpotに取り込んだデータの品質が悪く、レポートが信頼できない」「ワークフローだけでは対応できない複雑な自動化がしたい」——こうしたデータ管理の課題を解決するのが、HubSpot Operations Hub(現: Data Hub)です。

HubSpot Operations Hub(Data Hub)とは、外部システムとのデータ同期、データ品質管理、プログラマブルな自動化、高度なレポーティングを実現するHubSpotの製品ラインです。 CRMデータを「正確に」「一元的に」「リアルタイムに」管理するためのデータ基盤として、営業・マーケティング・カスタマーサクセスすべての部門のデータ活用を支えます。

この記事では、以下のポイントを解説します。

  • Operations Hub(Data Hub)の基本概念と位置づけ
  • データ同期(Data Sync)の仕組みと設定方法
  • データ品質管理(Data Quality)機能
  • プログラマブル自動化(カスタムコードアクション)
  • Data Studioによる高度なレポーティング
  • プラン別の機能比較と選び方

Operations Hub(Data Hub)とは

名称変更の経緯

HubSpotは「Operations Hub」を「Data Hub」にリブランドしました。これは、単なる「オペレーション自動化」から「データ基盤」へと役割が拡大したことを反映しています。ただし、日本では引き続き「Operations Hub」の名称で検索されることが多いため、本記事では両方の名称で解説します。

HubSpot全体における位置づけ

Hub 役割
Marketing Hub リード獲得・ナーチャリング・MA
Sales Hub 営業管理・パイプライン・SFA
Service Hub カスタマーサポート・サクセス
Content Hub Webサイト・ブログ・CMS
Operations Hub(Data Hub) データ同期・品質管理・自動化基盤

Operations Hub(Data Hub)は、他の4つのHubが正しく機能するためのデータ基盤として位置づけられます。CRMのデータが正確でなければ、レポートもワークフローも信頼できません。そのデータの正確性と一元性を担保するのがこのHubの役割です。

主要機能1: データ同期(Data Sync)

データ同期とは

Data Syncは、HubSpotと外部アプリケーション間でデータを双方向または一方向にリアルタイム同期する機能です。100以上のアプリとの連携が可能で、ノーコードで設定できます。

対応アプリの例

カテゴリ アプリ例
CRM/SFA Salesforce、Microsoft Dynamics、Zoho CRM
会計 QuickBooks、Xero、NetSuite
Eコマース Shopify、WooCommerce
ヘルプデスク Zendesk、Freshdesk
データベース Google Sheets、Airtable
その他 Mailchimp、ActiveCampaign

同期の仕組み

データ同期には以下の3つのモードがあります。

モード 動作 使用シーン
双方向同期 両方のシステムの変更がリアルタイムに反映 CRMとCRMの併用
HubSpot→外部 HubSpotの変更が外部に反映 HubSpotをマスターにする場合
外部→HubSpot 外部の変更がHubSpotに反映 外部システムをマスターにする場合

設定手順

  1. HubSpotの設定画面で「連携」→「接続されたアプリ」に移動
  2. 「HubSpotデータ同期」からアプリを選択
  3. 同期方向(双方向/一方向)を設定
  4. フィールドマッピング(どのプロパティを同期するか)を設定
  5. フィルター条件(どのレコードを同期対象にするか)を設定
  6. 同期を有効化

スプレッドシートとかでやっぱり管理していて、情報が分散するという課題がある場合、Data Syncを使えば全部HubSpotに入っている状態を作れるので、過去のやり取りなどが一覧で確認できるようになります。

主要機能2: データ品質管理(Data Quality)

データ品質の重要性

CRMのデータが汚れていると、すべてのマーケティング・営業活動に悪影響が出ます。

  • 重複コンタクトによるメールの多重配信
  • 表記揺れ(株式会社/(株)/㈱)によるレポートの不正確さ
  • 古い情報(退職済みコンタクト等)によるバウンス率の上昇
  • 空欄のプロパティが多く、セグメント配信ができない

Data Quality機能の概要

機能 内容
重複検出・マージ 重複コンタクト/会社を自動検出し、マージを提案
フォーマットの自動修正 電話番号、日付、氏名のフォーマットを自動統一
データ異常アラート データ品質の低下を検知して通知
プロパティの利用分析 使用率の低いプロパティを特定

請求先メールのプロパティが0.91%しか使われていないなら、それはおそらく使っていないプロパティです。こうしたフィルレート分析で不要なプロパティを発見し、項目をスリム化することがデータ品質向上の第一歩です。

よくあるSFAのあるあるで全然使っていない項目が大量にあったりしますが、項目が少ない方が集中できるので、不要プロパティの整理は非常に重要です。

主要機能3: プログラマブル自動化

カスタムコードアクション

Operations Hub Professionalプラン以上で利用できる「カスタムコードアクション」は、ワークフロー内でJavaScript(Node.js)またはPythonのコードを実行できる機能です。

活用例

ユースケース 内容
請求書の自動分割 受注時に12ヶ月分の請求レコードを自動作成
外部API連携 会計ソフトやERPのAPIを直接呼び出し
複雑なデータ変換 住所の正規化、金額の通貨変換
AI連携 外部のLLM APIを呼び出してデータを分類・要約
条件分岐の拡張 標準のIF/THENでは対応できない複雑なロジック

取引が「請求書発行」ステージに移行したタイミングでカスタムコード(NodeJS/Python)を実行し、12ヶ月分の請求レコードを自動分割作成するような処理が可能です。

Webhookアクション

外部のWebhookエンドポイントにデータを送信する機能で、HubSpot外のシステムにリアルタイムでイベントを通知できます。

主要機能4: Data Studio(高度なレポーティング)

Data Studioとは

Data Studioは、HubSpotの内部データと外部データソース(Google Sheets、Snowflakeなど)を組み合わせた高度なレポーティングを実現する機能です。

主な機能

  • 外部データの取り込み: Google Sheets、Snowflake、その他のデータソースと接続
  • データセットの作成: 内部・外部データを組み合わせたカスタムデータセット
  • AIによるデータ変換: データのクレンジング・変換をAIが支援
  • 高度なレポート作成: 複数データソースを横断したレポート

プラン別機能比較

機能 Free Starter Professional Enterprise
データ同期(基本) 対応 対応 対応 対応
カスタムフィールドマッピング - 対応 対応 対応
データ品質ツール 一部 一部 対応 対応
カスタムコードアクション - - 対応 対応
Webhook - - 対応 対応
Data Studio - - - 対応
カスタムオブジェクト - - - 対応
高度な権限設定 - - - 対応

プランアップグレードの判断ポイント

結構クライアント様でも判断のポイントになるのが、ワークフローとカスタムレポートの2つです。この2つが必要になったタイミングで、基本的にはProfessionalをご検討いただくケースが多いかなと思います。

特にOperations Hub(Data Hub)のProfessionalプランを検討すべきタイミングは以下の通りです。

  • 外部システムとの複雑なデータ連携が必要
  • カスタムコードによる自動化が必要
  • データ品質管理を本格的に行いたい
  • ワークフロー内で外部APIを呼び出したい

何らかのHubのProfessionalを一つでも購入いただければワークフローの機能が使えるという点もポイントです。

導入ステップ

Phase 1: データ同期の基盤構築

  1. 現在使用しているツールとHubSpot間のデータフローを整理
  2. Data Syncで主要アプリとの同期を設定
  3. フィールドマッピングとフィルター条件を最適化

Phase 2: データ品質の改善

  1. 重複コンタクト/会社の検出・マージ
  2. フォーマットルールの設定
  3. 未使用プロパティの整理
  4. データ品質アラートの設定

Phase 3: 自動化の拡張

  1. カスタムコードアクションで複雑な処理を自動化
  2. Webhook連携で外部システムとのリアルタイム連携
  3. Data Studioで外部データを含む統合レポートを構築

注意点

1. 同期の競合に注意

双方向同期を設定する場合、両方のシステムで同じレコードが同時に更新されると「競合」が発生します。「最新の更新を優先する」「HubSpotを優先する」などの競合解決ルールを事前に設定してください。

2. カスタムコードの運用コスト

カスタムコードアクションは強力ですが、コードのメンテナンスやデバッグにはエンジニアリングリソースが必要です。シンプルな自動化はワークフローの標準機能で対応し、それでは対応できない場合にカスタムコードを使うという切り分けが重要です。

3. データ同期の実行タイミング

Data Syncはリアルタイム同期ですが、大量のデータを初回同期する場合は時間がかかることがあります。初回同期はオフピーク時に実行することを推奨します。

まとめ

HubSpot Operations Hub(Data Hub)は、CRMデータの正確性・一元性・活用度を向上させるためのデータ基盤です。

  • Data Syncで外部システムとのデータ同期を自動化
  • Data Quality機能でCRMデータの品質を維持
  • カスタムコードアクションで複雑な自動化を実現
  • Data Studioで外部データを含む統合レポートを作成

まずはData Syncで主要アプリとの同期を設定し、段階的にデータ品質管理やプログラマブル自動化を導入していきましょう。CRMのデータ品質が向上するほど、レポートの信頼性が上がり、データドリブンな経営判断が可能になります。

よくある質問(FAQ)

Q. Operations HubとData Hubの違いは何ですか?

Operations Hubが「Data Hub」にリブランドされました。基本的な機能は同一ですが、データ基盤としての位置づけが強化され、Data Studio(外部データ統合レポート)やAIデータ変換などの新機能が追加されています。

Q. Data Syncは無料プランでも使えますか?

はい、Data Syncの基本機能は無料プランでも利用可能です。ただし、カスタムフィールドマッピングや高度なフィルター設定にはStarterプラン以上が必要です。

Q. カスタムコードアクションにはどの言語が使えますか?

JavaScript(Node.js)とPythonの2言語に対応しています。Operations Hub(Data Hub)Professionalプラン以上で利用可能です。実行時間やメモリには制限があるため、大量データ処理には注意が必要です。

Q. SalesforceのデータをHubSpotに同期できますか?

はい、Data Syncの対応アプリにSalesforceが含まれており、双方向または一方向のデータ同期が設定可能です。Salesforceを使っているけどHubSpotのMAを導入したいという場合、データの連携はしっかりできるので、MAとSFAを切り分けて運用することも可能です。

Q. Operations Hub(Data Hub)は単独で契約できますか?

はい、他のHub(Marketing Hub、Sales Hub等)とは独立して契約可能です。ただし、Data Hubの価値を最大限に活用するには、他のHubと組み合わせて利用することをおすすめします。