「HubSpotで営業管理をしているが、会計処理は別のシステムで手動転記している」「freee以外の会計ソフトとHubSpotをつなげたい」——こうした営業と経理の間のデータ分断に悩む企業様は少なくありません。
HubSpotと会計ソフトの連携とは、CRMの取引(商談)データと会計システムの請求書・売上データを自動的に同期させ、営業から請求・入金管理までの一気通貫の業務フローを構築する仕組みです。 freee会計には公式連携アプリが存在しますが、マネーフォワード クラウドや弥生会計など他の会計ソフトの場合は、board連携やiPaaS、カスタムコード開発などの方法で接続が可能です。
この記事では、以下のポイントを解説します。
多くの企業では、営業管理(HubSpot CRM)と会計管理(freee/マネーフォワード/弥生等)が別々のシステムで運用されており、以下のような課題が発生しています。
スプレッドシートとかで管理されている場合だとやっぱり手動で変更が多くなってしまいます。HubSpotを1個の業務アプリケーションとして会計まで繋げることで、販売管理システムのような形で使っていただくことも可能です。
| 会計ソフト | 連携方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| freee会計 | 公式連携アプリ(freee for HubSpot) | 最も手軽。取引→請求書を直接連携 |
| freee会計 | board経由 | 見積書・請求書の管理を含む連携 |
| マネーフォワード クラウド | board経由 | boardが会計ソフトと直接連携 |
| マネーフォワード クラウド | iPaaS(Zapier/Make/Yoom) | ノーコードで柔軟な連携 |
| マネーフォワード クラウド | カスタムコード(Operations Hub) | API連携による完全カスタマイズ |
| 弥生会計 | iPaaS / CSV連携 | iPaaSまたはCSVエクスポート→インポート |
| その他(PCA/勘定奉行等) | API / CSV連携 | 個別の開発またはCSVベース |
freee会計にはHubSpot公式の連携アプリ「freee for HubSpot」が存在し、最も手軽に連携が可能です。
詳しい設定方法については、「HubSpotとfreee会計/請求書の連携方法2選」の記事で解説しています。
freee以外の会計ソフトを使っている企業様で最も多い選択肢がマネーフォワード クラウドかと思います。直接の公式連携アプリは現時点では存在しないため、以下の方法で接続します。
board(ボード) は、見積書・請求書・発注書などのビジネス文書管理サービスで、HubSpotとマネーフォワード クラウドの両方と連携機能を持っています。
HubSpot(取引レコード)
↓ 公式連携アプリ
board(見積書・請求書管理)
↓ board連携機能
マネーフォワード クラウド会計(仕訳・会計処理)
iPaaSを使えば、HubSpotとマネーフォワード クラウドをノーコードで接続できます。
| トリガー(HubSpot) | アクション(マネーフォワード) |
|---|---|
| 取引が「受注」に移行 | 請求書を作成 |
| 取引金額の更新 | 請求書金額を更新 |
| 新しいコンタクト作成 | 取引先を作成 |
Yoomは日本のSaaS連携に強いiPaaSで、マネーフォワード クラウドとの連携テンプレートが用意されています。日本語UIで設定できるため、IT部門がない企業様でも取り組みやすいかなと思います。
Operations Hub Professionalプランで利用できるカスタムコードアクションを使えば、ワークフロー内でマネーフォワードのAPIを直接呼び出すことが可能です。
弥生会計はAPI連携の機能が限定的なため、以下の方法が現実的です。
オンプレミスの会計ソフトとHubSpotを連携する場合は、API連携が難しいケースが多いため、CSVベースのデータ連携が現実的な選択肢です。
出典: HubSpot (hubspot.com/products/commerce)
HubSpotの取引が「請求書発行」ステージに移行した際に、会計ソフトで請求書を自動作成するパターンです。
取引が「請求書発行」ステージに移行すると、カスタムコード(NodeJS/Python)で12ヶ月分の請求レコードを自動分割作成するような処理も可能です。SaaS企業のように月額請求が発生するビジネスでは、取引ごとに請求カスタムオブジェクトを作成して管理する方法が有効です。
会計ソフト側の入金データをHubSpotに反映させることで、営業チームがCRM上で入金状況を確認できるようになります。未入金アラートの自動化にも活用できます。
HubSpotのカスタムオブジェクトで請求管理を行い、会計ソフトと連携させることで、MRR推移の可視化と会計データの整合性を同時に担保できます。
ツール連携の前に、「受注後にどのようなフローで請求・入金管理を行うか」を明確にしてください。企業様によって最適な設計は異なりますので、自社の業務フローに合わせた連携設計が重要です。
最初からすべてを自動化しようとすると、設定が複雑になり、エラー発生時の原因特定が困難になります。まずは通知連携やCSV連携から始め、段階的に自動化の範囲を広げていくのがおすすめです。
会計データは正確性が最重要です。自動連携を設定した後も、定期的に手動で突合チェックを行い、データの不整合がないか確認する運用を推奨します。一部システムで解決できない部分は運用面で解決するという現実的なハイブリッドアプローチも必要です。
HubSpotと会計ソフト(マネーフォワード/freee/弥生等)を連携することで、営業から請求・入金管理までの一気通貫のフローを構築できます。
まずはboardやiPaaSを使ったシンプルな連携から始めて、段階的に自動化の範囲を拡大していきましょう。CRMと会計データが連携されるほど、営業活動から財務状況までの可視化が実現し、データに基づいた経営判断が可能になります。
2026年2月時点では、HubSpotのアプリマーケットプレイスにマネーフォワード クラウドの公式連携アプリは存在しません。board経由の連携、iPaaS(Zapier/Make/Yoom)経由の連携、またはOperations Hubのカスタムコード開発で接続する方法があります。
HubSpotとの連携のしやすさでいえば、公式連携アプリがあるfreee会計が最も手軽です。ただし、会計ソフトの選定はHubSpot連携だけでなく、自社の経理業務全体の要件で判断すべきです。すでにマネーフォワードを利用している場合は、board経由やiPaaSで十分に連携が可能です。
boardは、見積書・請求書・発注書などのビジネス文書を管理するクラウドサービスです。HubSpotとboard、boardと会計ソフト(freee/マネーフォワード)のそれぞれに連携機能があるため、中間ツールとしてHubSpotから会計ソフトへのデータ連携を実現できます。
board連携やiPaaS連携であれば、HubSpotのStarterプランからでも利用可能です。Operations Hubのカスタムコード開発を使う場合はProfessionalプラン以上が必要になります。