「同じ質問に何度も回答していて、サポートチームの工数が圧迫されている」
「FAQページを作ったものの、情報が古くなって顧客が自力で解決できない」
——カスタマーサポートの現場でこうした課題を抱えている企業は少なくありません。
HubSpotのナレッジベースとは、Service Hub上でFAQ記事やヘルプドキュメントを作成・公開・管理できるセルフサービス型のヘルプセンター構築機能です。 顧客が自分で答えを見つけられるようになることで、チケット数を削減し、サポートチームがより複雑な問い合わせに集中できる環境を作れます。
さらに、Breeze顧客対応エージェント(AIチャットボット)と連携させることで、ナレッジベースの記事をもとにAIが自動回答する仕組みも構築可能です。
この記事では、ナレッジベースの構築手順からカテゴリ設計、AIチャットボット連携、社内Wiki的な活用法まで詳しく解説します。
ナレッジベースは、Service Hub Professional以上で利用できるセルフサービスポータル機能です。顧客向けのFAQサイトやヘルプセンターをHubSpot上で構築し、検索可能な記事ライブラリとして公開できます。
Salesforceで言えば「Salesforce Knowledge」に相当する機能です。HubSpotの場合、CRMのコンタクトデータと連動しているため、どの顧客がどの記事を閲覧したかをトラッキングでき、サポート対応にも活用できる点がポイントになってくるかなと思います。
| プラン | ナレッジベース | 記事数上限 | カスタムドメイン | 分析機能 |
|---|---|---|---|---|
| Free / Starter | × | — | — | — |
| Professional | ○ | 5,000記事 | ○ | ○ |
| Enterprise | ○ | 10,000記事 | ○ | ○(高度) |
注意: Starterプランでは標準のナレッジベース機能は提供されていません。ただし、ブログ機能を疑似的なナレッジベースとして活用する方法もあります。
ナレッジベースの使いやすさはカテゴリ設計で決まります。顧客が直感的に目的の記事にたどり着けるよう、以下の観点で設計してください。
| 設計の観点 | 具体例 |
|---|---|
| 製品・サービス別 | プランA、プランB、オプション機能 |
| 利用シーン別 | 初期設定、日常操作、トラブルシューティング |
| ユーザー種別 | 管理者向け、一般ユーザー向け、開発者向け |
カテゴリは最初から完璧にする必要はありません。まずは3〜5カテゴリで始めて、記事が増えてきたら分割・統合するスモールスタートのアプローチがおすすめです。
記事を公開すると、ナレッジベースのトップページに自動的に反映されます。検索バーからの全文検索も可能になり、顧客はキーワードで目的の記事を探せるようになります。
ナレッジベースの真価が発揮されるのは、Breeze顧客対応エージェントとの連携です。
Breeze顧客対応エージェントは、ナレッジベースの記事をAIが学習し、顧客の質問に対して自動で回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation)型のAIチャットボットです。
ここが結構ミソになってくるのですが、ナレッジベースの記事品質がAIチャットボットの回答品質を決定するという点です。記事が正確で網羅的であれば、AIも正確に回答できます。逆に、記事が不十分だとAIの回答品質も下がります。
ナレッジベースは顧客向けだけでなく、社内のナレッジ共有にも活用できます。
社内向けナレッジベースを作る場合、記事のアクセスを制限できます。
| 指標 | 意味 | 改善アクション |
|---|---|---|
| 記事別閲覧数 | どの記事がよく読まれているか | 人気記事の品質を維持・強化 |
| 検索キーワード | 顧客がどんな言葉で検索しているか | 検索ワードに合致する記事を新規作成 |
| 0件ヒット検索 | 検索結果がなかったキーワード | そのトピックの記事を早急に作成 |
| 記事の評価(Good/Bad) | 記事が役に立ったかどうかの評価 | 低評価記事の内容を改善 |
| チケット数の推移 | ナレッジベース導入前後のチケット量 | セルフサービス比率の改善 |
「0件ヒット検索」のデータは非常に重要です。顧客が探しているのに記事がないトピックが一目瞭然になるため、優先的に記事を追加すべき分野を特定できます。
ナレッジベースは「作って終わり」ではありません。製品のアップデートや仕様変更に合わせて定期的に記事を見直す運用が必須です。四半期に1回のレビューサイクルを設けることをおすすめします。
カテゴリを細分化しすぎると、顧客がどこを見ればいいか迷ってしまいます。トップレベルのカテゴリは5〜7個程度に抑え、サブカテゴリで詳細を分ける構造がベストです。
顧客が使う言葉と社内で使う専門用語は異なります。顧客がどんなキーワードで検索するかを意識して、タイトルや本文を記述しましょう。
HubSpotのナレッジベースを構築することで、顧客のセルフサービス率を高め、サポートチームの工数を削減できます。さらに、Breeze顧客対応エージェントと連携させれば、AIが24時間自動で顧客の質問に回答する仕組みを実現できます。
まずは問い合わせ頻度の高いトピックから10〜20記事を作成し、段階的に記事数を増やしていくアプローチがおすすめです。ナレッジが蓄積されるほどAIの回答精度も上がり、チケット管理の負荷軽減にもつながります。
Service Hub Professional以上で利用できます。Starterプランでは標準機能としては提供されていませんが、ブログ機能を活用した疑似的なナレッジベースの構築は可能です。
Professionalプランでは5,000記事、Enterpriseプランでは10,000記事が上限です。一般的な企業のFAQサイトであれば十分な数かなと思います。
Breeze顧客対応エージェントはService Hub Professional以上で利用できます。ナレッジベースの記事をAIのナレッジソースとして指定することで、自動回答の仕組みを構築できます。
はい、HubSpotでは多言語グループ機能を使って複数言語のナレッジベースを構築できます。日本語と英語のFAQサイトを並行運用するといったケースに対応可能です。
はい、ナレッジベースの記事は検索エンジンにインデックスされるため、SEO効果が期待できます。「[製品名] 使い方」「[製品名] エラー」などのロングテールキーワードでの流入が見込めます。メタ情報やURL構造も最適化できるので、SEOツールと併用するとより効果的です。