「メルマガを配信したいが、開封率が低くて成果が見えない」
「ワークフローで自動メールを設定してみたものの、配信タイミングや内容の最適化ができていない」
——Eメールマーケティングの課題は、ツールの機能不足ではなく、設計と運用にあることが少なくありません。
HubSpotのEメール配信機能とは、Marketing Hub上でマーケティングメールの作成・配信・分析・自動化を一元的に行える機能です。 ドラッグ&ドロップのテンプレートエディタ、A/Bテスト、ワークフローによる自動配信、CRMデータを活用したパーソナライゼーションまで、メールマーケティングに必要な機能がすべて揃っています。
この記事では、HubSpotでのEメール配信の設定手順から、ABテストの実践方法、自動配信(ワークフロー)の設計パターンまで詳しく解説します。
HubSpotのEメール配信は、Marketing Hubの中核機能の1つです。CRMのコンタクトデータと連動しているため、「特定のライフサイクルステージのリードだけに配信する」「特定のフォームを送信した人に自動でフォローメールを送る」といった精度の高いメール施策を実行できます。
スプレッドシートでリストを管理して、別のメール配信ツールにインポートして……という手作業からの脱却が、HubSpotのEメール機能の出発点です。
HubSpotで作成できるEメールは大きく3種類あります。
| 種類 | 概要 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 通常メール | コンタクトリストに対して手動で送信・予約配信するメール | ニュースレター、イベント告知、新製品案内 |
| 自動メール | ワークフローのトリガーに基づいて自動配信されるメール | ステップメール、フォーム送信後フォロー、ナーチャリング |
| ブログ/RSSメール | ブログ更新やRSSフィードに連動して自動配信されるメール | ブログ更新通知 |
HubSpotには豊富なテンプレートが用意されています。
テンプレートを選択すると、ドラッグ&ドロップエディタが開きます。
エディタでは以下のモジュールを自由に配置・編集できます。
パーソナライゼーショントークンを使えば、宛名や会社名を自動挿入できます。これだけで「一斉配信のメルマガ」ではなく「個人宛のメール」に見える効果があるので、結構ミソになってくるかなと思います。
A/BテストはMarketing Hub Professional以上で利用でき、メールマーケティングの改善に欠かせない機能です。
| テスト要素 | テスト例 | 改善効果 |
|---|---|---|
| 件名 | 質問形 vs 数字入り vs ベネフィット型 | 開封率 +10〜30% |
| 送信者名 | 会社名 vs 担当者名 | 開封率 +5〜15% |
| 送信時刻 | 火曜10時 vs 木曜14時 | 開封率 +5〜10% |
| CTAボタン | テキスト・色・配置の変更 | クリック率 +10〜20% |
| 本文の長さ | 短文 vs 詳細な説明 | クリック率 +5〜15% |
ここが1個ポイントになるのですが、テスト対象は1回のテストにつき1要素に絞ることが重要です。複数の変更を同時に行うと、どの変更が効果をもたらしたか特定できません。
Eメールの真価が発揮されるのは、ワークフローを使った自動配信です。手動配信だけでは限界がありますが、ワークフローを組み合わせることでスケーラブルなメールマーケティングを実現できます。
最も基本的な自動配信パターンです。
トリガー: フォーム送信 → メール1配信(お礼 + 資料)
→ 3日後 → メール2(関連コンテンツの案内)
→ 5日後 → メール3(個別相談の提案)
ここで重要なのが遅延の設定です。メールを送った直後に開封/未開封を判定すると、まだ読んでいない人を「未開封」として扱ってしまいます。条件分岐の前には必ず1〜2日の遅延を入れる設計にしましょう。
ナーチャリングの一環として、ライフサイクルステージが「リード」から「MQL」に遷移するまでのメール配信シナリオです。
トリガー: ライフサイクルステージ = リード
→ 5日後: 業界トレンドの情報提供メール
→ 7日後: 自社サービスの活用事例メール(開封者のみ)
→ 3日後: ウェビナー案内メール
→ スコアリング50点以上 → MQL化 → 営業通知
取引が「失注」に移行したタイミングで、一定期間後にメールで再アプローチするパターンです。
トリガー: 取引ステージ = 失注
→ 30日後: 業界最新情報の共有メール
→ 60日後: 新機能・アップデート案内メール
→ 90日後: 限定オファーメール
HubSpotでは「マーケティングコンタクト」に設定されたコンタクトにのみマーケティングメールを送信できます。課金はマーケティングコンタクトの数に基づくため、不要なコンタクトは対象外にしておくことでコストを最適化できます。
90日ルール: メールを90日以上開封していないコンタクトは、ワークフローで自動的にマーケティング対象外にする仕組みを作っておくと、配信リストの品質維持とコスト管理を両立できます。
SPF・DKIM・DMARCの設定は必須です。ドメイン認証が適切でないと、迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクが高まります。HubSpotの設定画面からドメイン認証のステータスを確認できます。
配信停止リンクの設置は法律上の義務です。HubSpotでは自動的に配信停止リンクが挿入されますが、テンプレートのフッター部分にわかりやすく配置されているか確認してください。
全コンタクトに同じ内容のメールを送るのは非効率です。ライフサイクルステージや過去の行動データに基づいてセグメントを分け、それぞれに最適化されたメッセージを送りましょう。
「件名は短いほうがいい」「火曜日の朝がベスト」といった一般論に頼るのではなく、自社のデータで検証することが重要です。A/Bテストは小さく始められるので、まずは件名のテストからスタートしてみてください。
配信頻度が高すぎるとオプトアウト率が上がります。BtoBの場合、週1〜2回が一般的な目安です。ただし、企業様によって最適な頻度は異なりますので、エンゲージメントデータを見ながら調整していくことが大切です。
HubSpotのEメール配信機能は、テンプレート作成からA/Bテスト、ワークフローによる自動配信まで、メールマーケティングに必要な機能がオールインワンで揃っています。CRMデータと連動しているからこそ、「誰に」「いつ」「何を」送るかを精密にコントロールできるのが最大の強みです。
まずはテンプレートを1つ作成してニュースレターを配信し、A/Bテストで件名の最適化から始めてみてください。データが蓄積されるほど、ナーチャリングシナリオやシーケンスとの連携で、より精度の高いメールマーケティングを展開できるようになります。
はい、月2,000通までのマーケティングメールを送信できます。ただし、A/Bテストやワークフローによる自動配信はMarketing Hub Professional以上が必要です。
HubSpotとしては最低4時間以上を推奨していますが、実務的にはサンプル数(受信者数)に応じて判断するのが現実的です。配信リストが1,000名以上あれば24時間程度で統計的に有意な結果が出るケースが多いです。
ワークフローのメールはマーケティングメールとして送られ、「マーケティング」→「Eメール」で配信停止管理されます。シーケンスのメールは営業個人からのメールとして送られ、受信者からは個人メールに見えます。用途に応じて使い分けることがポイントになってくるかなと思います。
BtoBのメルマガでは一般的に20〜30%が平均的な開封率です。ただし、業界や配信リストの質によって大きく異なります。自社の過去データをベースラインとして、A/Bテストで改善していくアプローチが重要です。
HubSpotのメール機能はドラッグ&ドロップエディタの使いやすさとCRMネイティブ連携が強みです。Pardotはより高度なスコアリングとの連動や、Salesforceレポートとの統合が強みです。メール機能単体で比較すると、テンプレートの操作性やA/Bテストの手軽さではHubSpotが優位かなと思います。