「HubSpotを導入した企業は、実際にどんな成果を出しているのか?」
「自社と似た業種・規模の企業の事例を参考にしたい」
——CRM/MAツールの導入を検討する際、実際の導入事例は最も参考になる情報の一つです。
HubSpotの導入事例とは、CRM・MA・SFAなどHubSpotの各機能を活用して、リード獲得の増加・営業効率の改善・売上向上などの成果を実現した企業の実績を指します。導入事例を分析すると、成功する企業には共通のパターンがあることがわかります。
本記事では、HubSpot導入支援を手がけるStartLinkの知見をもとに、BtoB企業を中心とした導入事例から成功パターンを抽出し、自社の導入に活かすための具体的なポイントを解説します。
この記事でわかること:
出典: HubSpot (hubspot.jp/case-studies)
導入事例を分析すると、HubSpotで成果を出している企業には以下の5つの共通パターンが見られます。
成功企業は「とりあえずCRMを入れよう」ではなく、具体的な課題を起点に導入を決めています。
| よくある課題 | HubSpotでの解決策 |
|---|---|
| リード情報がExcelに分散して営業がフォローできない | CRMでリード一元管理+自動通知でフォロー漏れゼロ |
| 展示会で名刺交換した後の追客ができていない | シーケンスで自動フォロー+リードスコアリングで優先順位付け |
| マーケと営業の連携が悪くリードが活かされない | ライフサイクルステージで引き渡し基準を明確化 |
| 営業パイプラインが見えず受注予測ができない | パイプライン管理+加重金額フォーキャスト |
| 顧客対応の品質にばらつきがある | Service Hubのチケット管理+ナレッジベース |
「スプレッドシートとかで管理されている場合だと、やっぱり手動で変更が多くなってしまう」——この課題を解決するために導入した企業は、高い確率で成果を出しています。
成功企業は、いきなり全機能を導入するのではなく、まず1つのHubから始めて段階的に拡張しています。
典型的な成功パターンの拡張ステップ:
| フェーズ | 期間 | 導入内容 | 期待成果 |
|---|---|---|---|
| Phase 1 | 1-3ヶ月 | CRM基本機能+Sales Hubのパイプライン管理 | 営業データの一元化、パイプライン可視化 |
| Phase 2 | 3-6ヶ月 | Marketing Hub(フォーム・メール配信・ワークフロー) | リード獲得の自動化、ナーチャリング開始 |
| Phase 3 | 6-12ヶ月 | カスタムレポート・スコアリング・シーケンス | 営業効率の最大化、データドリブン意思決定 |
| Phase 4 | 12ヶ月〜 | Service Hub・Content Hub・高度な自動化 | 顧客体験の統合管理 |
「なかなか全てを一気に進めるのは難しいかなと思うので、自社で活用できそうなものとか効果が出そうなものを見極めて、優先順位をつけてトライいただければなと思います。」
HubSpotの標準設定をそのまま使うのではなく、自社の営業プロセスに合わせてパイプラインやライフサイクルステージを設計している企業が成果を出しています。
「自社に最適なパイプラインを設計するというところが結構ミソになってくる」——この原則を実践している企業は、現場の営業担当者にとって使いやすいツールになるため、定着率も高くなります。
「ちゃんとSFAに入れてね」と声掛けするのではなく、必須入力プロパティや条件付きステージで仕組み化している企業が成功しています。営業のデータ入力漏れを「人」の問題ではなく「仕組み」で解決するアプローチです。
MA(Marketing Hub)とSFA(Sales Hub)を統合して使い、リードの獲得→育成→商談化→受注→失注分析のサイクルを一気通貫で管理している企業が最も大きな成果を出しています。
典型的な課題:
HubSpotでの解決策:
成果の目安:
典型的な課題:
HubSpotでの解決策:
成果の目安:
典型的な課題:
HubSpotでの解決策:
典型的な課題:
HubSpotでの解決策:
成功企業は、HubSpotの設定を始める前に、現在の営業・マーケティングの業務フローを可視化しています。「この作業は自動化できる」「このデータはCRMで一元管理すべき」を事前に特定することで、導入後の効果が大幅に高まります。
パイプラインのステージ設計は、マネージャーの管理視点とトッププレイヤーの実務知識の両方が必要です。集合知をパイプラインに落とし込むことで、組織全体の営業力が底上げされます。
「項目が少ない方が集中できる」——成功企業はプロパティを厳選し、入力負荷を最小限に抑えています。不要プロパティが増殖しないよう、管理者のみ変更できる権限設定も重要です。
成功企業は失注を「終わり」ではなく「改善の起点」と捉えています。失注理由をカテゴリー分類(価格/競合/機能/時期/社内決裁等)し、円グラフ化して部門間共有する仕組みを作っています。
「例えばプロダクトの製品開発に『こういう製品機能を入れてください』というのをマーケ側に共有しやすくなるので、営業とマーケの連携がしやすくなる」——これは実務で非常に大きな効果です。
各部門に1名ずつ「HubSpotチャンピオン」を配置し、日常的な質問対応と運用改善を担当してもらっている企業は定着率が高いです。HubSpot Academyの認定資格取得をチャンピオンの目標にするのも効果的です。
HubSpotはすべてを解決する万能ツールではありません。見積もり機能の承認フロー、AI機能の日本語対応、Salesforceほどの高度なカスタマイズ性には制約があります。こうした限界を事前に把握し、「HubSpotで解決する範囲」と「別の方法で対応する範囲」を切り分けておくことが大切です。
| 規模 | 主要KPI | 成功の目安(6ヶ月後) |
|---|---|---|
| 創業期(1-5名) | データ入力率、パイプライン活用率 | 入力率80%以上、全案件がHubSpotで管理されている |
| 中小企業(10-50名) | 商談化率、レポート活用率 | 商談化率+10%改善、月次レポート自動化 |
| 中堅企業(50-300名) | CAC(顧客獲得コスト)、LTV | CAC 20%改善、マーケ-営業間のリード引渡し時間短縮 |
| 大企業(300名〜) | アトリビューション精度、全社データ統合率 | マルチタッチアトリビューション運用、部門横断ダッシュボード |
HubSpot導入事例から学べる最大の教訓は、「成功はツールの機能ではなく、導入プロセスの設計で決まる」ということです。
成功パターンの要点:
まずはHubSpotの基本操作を確認し、パイプライン設計で自社の営業プロセスを落とし込むところから始めましょう。段階的にナーチャリングやワークフローを追加し、データが蓄積されるほどレポートの精度が上がり、より効果的な戦略を立てられるようになります。
A. CRM基本機能の効果(データ一元化、パイプライン可視化)は1〜2ヶ月で実感できます。MA連携やナーチャリングの効果が数値に現れるのは3〜6ヶ月後が目安です。スモールスタートで早期に成功体験を作ることが、長期的な活用につながります。
A. 業界が異なっても、課題の構造は共通していることが多いです。「リードの一元管理」「パイプライン可視化」「営業の自動化」は業界を問わず有効な施策です。自社の課題に近い事例を参考に、企業様によって最適な形にカスタマイズしてください。
A. 失敗の多くは「目的が曖昧なまま導入」「現場の巻き込み不足」「全機能を一気に使おうとした」の3つに集約されます。ツールの導入をゴールにするのではなく、業務改革の一環として位置づけることが重要です。
A. CRM導入が初めてで社内にノウハウがない場合は、認定パートナーの活用を検討されるのがいいかなと思います。初期設計の品質が導入成否を大きく左右するため、専門家の知見を活用することで回り道を最小限にできます。
A. はい、Salesforceの運用コストや複雑さに課題を感じてHubSpotに移行する企業は増えています。特にMA機能が標準搭載で、UIの学習コストが低い点が評価されています。データ連携も可能なため、段階的な移行やMA部分のみHubSpotを採用するハイブリッド運用も選択肢です。