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HubSpotのアプリ連携を徹底解説!Slack・Zoom・AI・iPaaSまでおすすめ活用法を紹介

作成者: 今枝 拓海|2026/02/22 11:17:29

 

HubSpotはCRM単体としても強力ですが、外部アプリとの連携によって業務効率が飛躍的に向上します。Slack通知の自動化、Zoomミーティングの録画連携、Googleスプレッドシートとの双方向同期、さらにはOpenAIやClaudeなどのLLMを活用したAI自動化まで、HubSpotのアプリ連携は多岐にわたります。

本記事では、HubSpotのアプリマーケットプレイスから利用できるおすすめアプリを7つのカテゴリに分けて紹介し、それぞれの設定方法と活用のポイントを実際の画面操作を交えて解説します。直接連携できないツールとの接続方法や、カスタムコードによる高度な自動化まで網羅していますので、HubSpotの活用を次のレベルに引き上げたい方はぜひ最後までご覧ください。


HubSpotのアプリマーケットプレイスとは

HubSpotのアプリ連携は、画面右上にあるアプリマーケットプレイスから行います。2025年時点で約1,900件のアプリが公開されており、Slack、Teams、Google Chat、Google Meet、Zoomなど、業務で日常的に使うツールとの連携が可能です。

マーケットプレイスに掲載されているアプリはすべてHubSpotの開発者チームがレビュー・認定したものなので、セキュリティ面でも安心して利用できます。連携方法もシンプルで、多くのアプリは「インストール」ボタンをクリックし、認証を許可するだけで利用を開始できます。GoogleカレンダーやTeamsカレンダーとの基本的な連携については別途基礎編で解説していますので、本記事ではより実務に直結する具体的なアプリ連携を中心にご紹介します。


チャット連携:Slack・Teams・Google Chatで通知を自動化

Slack連携でできること

企業によってSlack、Teams、Google Chatなど使用するチャットツールは異なりますが、HubSpotはこれらの主要チャットツールすべてとの連携に対応しています。中でもSlackとの連携は最も多くの企業で活用されており、HubSpotからSlackへの通知の自動化が主な用途です。

Slack連携を有効にすると、たとえばHubSpotでフォームが送信されたら問い合わせ内容をSlackに通知する、取引が受注したら受注内容をSlackに通知する、取引のアサインが変更されたらSlackに通知するといった自動化が実現できます。基本的にはHubSpotからSlackへの一方通行の通知ですが、Slack上でHubSpotのレコードに対してメモを作成したりタスクを作成したりといったアクションも一部可能です。

ワークフローでSlack通知を設定する方法

Slack通知の設定は、HubSpotのワークフロー機能を使って行います。ワークフローの作成画面で、トリガー(例:フォーム送信)を設定し、アクションとして「Slack通知を送信」を選択します。

通知先のチャンネルを選び、メッセージ内容にはお客様のメールアドレスや氏名などのHubSpotプロパティを動的に挿入できます。さらに「通知にアクションを追加」という機能を使えば、Slack上の通知に「メモを作成」「タスクを作成」といったボタンを付与でき、通知を受け取った担当者がSlack上からすぐにHubSpotへのアクションを起こせるようになります。

実際にフォームを送信してテストしてみると、ワークフローが起動し、指定したSlackチャンネルにHubSpotからの通知が届きます。通知にはお客様の氏名やメール、問い合わせ内容が含まれ、そこからメモ作成やタスク作成のネクストアクションにつなげることができます。

なお、ワークフローを使わない場合でも、HubSpotの通知設定画面でコメントへのメンション通知などの規定の通知をSlackに飛ばす設定も可能です。ただし、通知内容のカスタマイズや特定の担当者へのメンションなど柔軟な運用をするにはワークフローが必須となります。Teams やGoogle Chatも同様の要領で連携・設定が可能です。

なお、チャットワークについてはHubSpotの公式連携が提供されていないため、後述するiPaaS(YoomやZapier)を介して接続する形になります。


オンライン会議連携:ZoomとGoogle Meetの録画・文字起こし

Zoom連携の活用ポイント

Zoom連携は多くの企業にとって必須の連携の一つです。HubSpotのアプリマーケットプレイスからZoomをインストールすると、ウェビナーへのHubSpotコンタクト登録をワークフローで自動化したり、ウェビナー参加状況をCRM上で確認したりすることが可能になります。

接続されたアプリの管理画面からは、自動レコーディングの設定、過去のミーティングのID検索による同期、ウェビナー管理などの設定が行えます。自動レコーディングをオンにすれば、毎回手動で録画を開始する手間がなくなり、すべてのミーティングが自動的に記録されます。

ミーティング録画の文字起こしとAI要約

ZoomやGoogle Meetで録画したミーティングデータは、HubSpot内のCRM画面で直接閲覧できます。CRMの「コール」セクションに入ると、連携されたレコーディングデータがビューとして表示されます。

HubSpotのAI機能が録画内容を自動で要約し、ミーティングで話されたトピックの概要を表示してくれます。さらに話者分類機能により、誰が何を話したかも把握でき、後から内容を確認する際に非常に便利です。通常であればZoomなど別サービスにログインして録画を探す必要がありますが、HubSpotにデータが自動連携されるため、CRM上でミーティング内容の確認からネクストアクションの検討まで完結します。

Google Meetの場合はGeminiによる要約機能も利用でき、Zoomと同様の録画連携・文字起こし・要約が可能です。日常的にGoogle Workspaceを使っている企業であれば、Google Meet連携の方が親和性が高いでしょう。


Googleスプレッドシート連携:双方向のデータ同期を実現

HubSpotからスプレッドシートへの自動書き込み

HubSpotのアプリマーケットプレイスで「Google シート」と検索すると、HubSpot公式が提供するスプレッドシート連携アプリが見つかります。この連携を使うと、HubSpotでレコードが作成・更新されたタイミングで、Googleスプレッドシートの該当行を自動で作成・更新することができます。

設定はワークフローのアクションとして「Googleシートの行を作成」を追加し、同期先のスプレッドシートとシートを指定します。HubSpotのプロパティ1つに対してスプレッドシートの1列が対応する形でマッピングを行い、レコードID・姓・名・メールアドレスなど必要なデータを自動で書き出します。

たとえばフォーム送信をトリガーにして、Slack通知とGoogleスプレッドシートへの書き込みを同時に実行するワークフローを組むことも可能です。管理部門への情報共有や、特定の業務プロセスの記録として活用でき、毎回エクスポートや手動転記をする必要がなくなります。

スプレッドシートからHubSpotへの逆同期(データスタジオ)

HubSpotからスプレッドシートへの連携はワークフローで実現できますが、逆にスプレッドシートからHubSpotにデータを戻したい場合はデータスタジオ(Data Studio)の機能を使います。

「データ管理」→「データスタジオ」から外部データソースとしてGoogleスプレッドシートを登録し、そのデータをもとにデータセットを作成してHubSpotに同期します。同期スケジュールは1時間おき、毎日、毎週、毎月など柔軟に設定でき、スプレッドシート側のデータ更新がHubSpotのレコードに自動反映されます。

ただし、このデータ同期にはHubSpotクレジットを消費します。プロフェッショナルプランかエンタープライズプランかによって月間で使えるクレジット数が異なるため、高頻度での同期を行う場合はクレジット消費量に注意が必要です。

このように、HubSpotとGoogleスプレッドシートは方法こそ異なるものの、双方向の同期が可能となっています。


AI(LLM)連携:OpenAI・Claude・Geminiでワークフローを強化

カスタムLLM機能とは

HubSpotではカスタムLLMという機能を通じて、OpenAI(GPT)、Anthropic(Claude)、Google(Gemini)といった外部のAIモデルをワークフロー内で活用できます。

使い方としては、ワークフローのアクションに「カスタムLLMを利用」を追加し、プロバイダー(OpenAI・Anthropic・Geminiなど)とモデルを選択します。その後、プロンプトを設定してAIに処理させたい内容を指定します。たとえば「問い合わせ内容を確認して、お客様に返答するメッセージの下書きを作成してください」といったプロンプトを設定し、お客様の氏名や問い合わせ内容をトークンとして渡すことで、AIが自動で返信メールの下書きを生成してくれます。

なお、この機能を利用するにはAPIキー(アクセスキー)が必要であり、管理者が設定する必要があります。また、2025年時点ではAzure OpenAIには未対応で、通常のOpenAI APIを利用する形となります。カスタムLLM機能はエンタープライズプランからの利用となっています。

AI生成結果をCRMプロパティに保存する

LLMで生成した文章は、ワークフローの次のアクションでCRMのプロパティに自動保存できます。たとえば「AIによる推奨アクション」というカスタムプロパティを用意しておき、LLMの出力をそのプロパティに書き込む設定にすれば、問い合わせが来るたびにAIが推奨対応を自動で記入してくれます。

実際にテストしてみると、「HubSpotの導入について詳しくお伺いしたい」という問い合わせに対して、AIが適切なお礼メールの文章を生成し、件名からサポート内容の案内、次のステップの提案まで含めた返信文を作成してくれました。プロンプトの精度を高めることで、より自社の戦略に適合した返答やアクション提案を自動化できるようになります。


iPaaS連携:YoomとZapierで連携の幅を広げる

iPaaSが必要な理由

HubSpotのアプリマーケットプレイスに直接掲載されていないツール(例:Chatwork、Notion、クラウドサインなど)と連携したい場合、iPaaS(Integration Platform as a Service)と呼ばれる仲介ツールを使います。代表的なサービスとしてYoomZapierがあります。

Yoomは日系のSaaS製品との連携に強く、Kintone、board、Chatwork、Notion、クラウドサインなどとの接続が可能です。一方Zapierはグローバルで7,000以上のアプリとの連携に対応しており、幅広いツールをカバーしています。自社が使いたいツールがどちらのサービスに対応しているかを確認して選択するのがよいでしょう。

Yoomを使ったNotionとの連携例

Yoomでの連携設定はHubSpotのワークフローと似た操作感で、トリガー(発火条件)とアクション(実行する処理)を積み上げていく形式です。

たとえば「HubSpotで新しい取引が作成されたら、Notionにページを自動作成する」というフローを設定すると、取引名・案件の説明内容・HubSpotのリンクなどがNotionのページに自動で埋め込まれます。さらに、Notion側で発行されたページのURLをHubSpot側のプロパティに書き戻すことも可能で、双方向のリンクが実現します。

これにより、営業がHubSpotに入力した情報がCS(カスタマーサクセス)やプロジェクトメンバーのNotionに自動で共有され、手動での転記作業が不要になります。Chatworkとの連携も同様に、YoomやZapierを介してHubSpotのレコード作成をトリガーにChatworkへ通知を送るといった自動化が可能です。


Web解析ツール連携:GA4・GTM・Search Consoleとの接続

HubSpotはマーケティング分析に欠かせないWeb解析ツールとの連携にも対応しています。HubSpotのコンテンツ設定画面から「連携」を選択すると、Googleアナリティクス4(GA4)Googleタグマネージャー(GTM)との連携設定が行えます。

GA4やGTMとの連携はIDを入力するだけで完了し、複雑なタグの埋め込みや設定は不要です。HubSpotで管理しているWebページのアクセスデータがGA4にも連携され、双方のプラットフォームでデータを活用できるようになります。

Search Consoleとの連携はアプリマーケットプレイスから専用アプリをインストールする形で行います。連携するとHubSpot上で検索クエリ、検索数、クリック数などのデータを確認でき、GA4だけでは把握しにくいキーワードレベルの分析が可能になります。近年はAIによる検索行動の変化で自然検索の重要性が変わりつつありますが、SEO施策の効果測定にはSearch Console連携を入れておくことをおすすめします。


CRM連携:SalesforceやKintoneとのデータベース同期

HubSpotをMA(マーケティングオートメーション)として使いつつ、SFAはSalesforce、業務管理はKintoneという形で複数のCRMを併用している企業も少なくありません。HubSpotはこうしたCRM間のデータベース同期にも対応しています。

Salesforce連携では、HubSpotのオブジェクト(会社・コンタクト・取引など)とSalesforceのオブジェクト(アカウント・リード・商談など)を相互に同期できます。カスタムオブジェクト同士の連携も可能で、データ移行の際にも活用されています。

Kintone、Airtable、Zoho CRM、Monday.comなどとの連携アプリも用意されていますが、利用できるプランに制限がある場合もあるため、導入前にご自身のエディションで対応しているか確認してください。

HubSpot単独で導入した場合でも既存のCRMとの連携がしやすいため、MAとSFAを切り分けた運用であってもデータのサイロ化を防ぐことが可能です。


非公開アプリとカスタムコード:高度な自動化を実現する

非公開アプリ(プライベートアプリ)とは

マーケットプレイスの市販アプリだけではカバーしきれない要件がある場合、HubSpotでは非公開アプリ(プライベートアプリ)を自身で作成できます。「接続されたアプリ」→「非公開アプリ」から作成すると、APIのアクセスキーが発行され、そのキーを使ってHubSpotのレコードをAPIで操作・編集することが可能になります。

非公開アプリのアクセスキーは、ワークフロー内のカスタムコード(データハブ)と組み合わせることで真価を発揮します。カスタムコードではNode.jsまたはPythonでプログラムを書くことができ、通常のワークフローでは実現できない複雑な処理を自動化できます。

カスタムコードの活用例:請求書レコードの自動分割生成

具体的な活用例として、取引が「請求書発行」ステージに進んだ際に、12ヶ月分の請求書レコードを自動生成するというワークフローがあります。

たとえば1,200万円の年間契約であれば、これを12で割って1ヶ月100万円の請求レコードを12個自動で作成し、それぞれに月末の日付を設定して取引に関連付けるという処理が実行されます。通常のワークフローでは「複数レコードを分割して作成し、それぞれに異なる日付を設定する」という処理は困難ですが、カスタムコードを使えば一括で処理できます。

このように、HubSpotの標準機能では対応しきれない業務要件があっても、非公開アプリとカスタムコードを活用することで高度な自動化を実現できます。MRR(月次経常収益)の管理や計上データの自動生成など、SaaS事業における経理・会計業務との連携にも応用が可能です。


まとめ:HubSpotのアプリ連携は段階的に活用しよう

HubSpotのアプリ連携は、大きく以下の7つのカテゴリに分類できます。まずチャット連携(Slack・Teams・Google Chat)でHubSpotの通知を自動化し、オンライン会議連携(Zoom・Google Meet)で録画や文字起こし、AI要約をCRMに集約します。スプレッドシート連携ではワークフローとデータスタジオを使った双方向のデータ同期が可能です。

AI(LLM)連携では、OpenAI・Claude・Geminiをワークフロー内で活用して返信文の自動生成やネクストアクションの提案を自動化できます。HubSpotと直接連携できないツールにはiPaaS(Yoom・Zapier)を介して接続し、Web解析ツール連携でGA4やSearch Consoleとのデータ統合を行います。既存のCRM連携でSalesforceやKintoneとのデータ同期も実現できます。

さらに高度な自動化が必要な場合は、非公開アプリとカスタムコードを使うことで、標準機能では対応できない業務要件にも柔軟に対応できます。まずは自社で日常的に使っているツールとの基本連携から始め、業務の成熟度に合わせて段階的に活用の幅を広げていくのがおすすめです。