「海外展開を始めたが、多言語のウェブサイトをどう構築すべきかわからない」
「英語サイトと日本語サイトを別々のCMSで管理していて、更新の手間が二重にかかっている」
——こうした課題は、HubSpotの多言語サイト機能で解決できます。
HubSpotのContent Hub(CMS)には、1つのプラットフォーム上で複数言語のウェブサイトを構築・管理できる多言語サイト機能が搭載されています。ページごとの言語バリエーション管理、hreflangタグの自動設定、言語切替ウィジェットの設置まで、グローバルSEOに必要な機能が一通り揃っています。
この記事では、HubSpotでの多言語サイト構築の方法から、SEO設計、運用上の注意点まで解説します。
HubSpotの多言語サイト機能とは、Content Hub上で各ページに対して複数の言語バリエーションを作成し、それらを統合的に管理できる仕組みです。
主な機能は以下のとおりです。
HubSpotの最大の強みは、ウェブサイトとCRMが統合されていることです。多言語サイトの場合、どの言語のページからリードが入ってきたかがCRMに自動記録されるため、「英語サイトからの問い合わせ→海外営業チームにルーティング」といった自動化が可能になります。
複数のCMSで言語別サイトを管理していると、更新の手間が言語数分に膨れ上がります。HubSpotでは1つのダッシュボードから全言語版のコンテンツを管理できるため、「日本語版は更新したが英語版は古いまま」という不整合を防ぎやすくなります。
hreflangタグの設定はSEO上非常に重要ですが、手動管理は複雑でミスが起きやすいです。HubSpotでは言語バリエーションを作成するだけでhreflangタグが自動設定されるため、SEOの技術的な対応がシンプルになります。
HubSpotの設定画面(歯車マーク)→「ウェブサイト」→「ドメインとURL」から多言語設定を行います。
URL構造の選択肢:
| 方式 | URL例 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| サブディレクトリ | example.com/ja/ | SEO効果が集約される | 設定がやや複雑 |
| サブドメイン | ja.example.com | 設定が簡単 | SEO効果が分散する |
| 別ドメイン | example.jp | 国別の独立運用が可能 | 管理コストが高い |
一般的にはサブディレクトリ方式が最もSEOに有利とされています。ドメインのSEO評価が一つに集約されるため、新しい言語ページでも既存ドメインの権威を活用できます。
ここで一度しっかり精査いただいてから接続を推奨します。URL構造は後から変更すると301リダイレクトの設計が複雑になるためです。
サイトのプライマリ言語(主言語)を設定します。日本企業であれば「日本語」をプライマリ言語にし、「英語」「中国語」などを追加言語として設定するのが一般的です。
各ページに対して言語バリエーションを作成します。
テンプレートに言語切替ウィジェットを配置します。ヘッダーやフッターに設置するのが一般的です。訪問者がワンクリックで言語を切り替えられるようになります。
ブログ記事も同様に言語バリエーションを作成できます。ただし、すべての記事を全言語に翻訳する必要はありません。ターゲット市場で需要のある記事を優先的に翻訳するのが効率的です。
HubSpotで言語バリエーションを作成すると、以下のようなhreflangタグが自動挿入されます。
これにより、Googleが「このページの日本語版はこちら、英語版はこちら」と正しく認識し、各国の検索結果に適切な言語版を表示できます。
単純な機械翻訳ではなく、ターゲット市場に合わせたコンテンツのローカライゼーションが重要です。
最近AIでの検索が増えてきていますが、多言語SEOにおいてもGoogleの自然検索対策は依然として重要です。各言語でのキーワード調査を行い、ローカライズされたメタ情報を設定しましょう。
フォーム送信時に、どの言語ページから送信されたかをHubSpotのプロパティに記録し、言語に応じて担当者を自動割当するワークフローを設計します。
リードの言語に応じて、配信するメールコンテンツの言語を切り替えるワークフローも構築可能です。日本語リードには日本語のステップメール、英語リードには英語のステップメールを自動送信します。
日本語サイトに加えて英語サイトをHubSpot Content Hub上に構築。サブディレクトリ方式(/en/)で英語版を展開し、hreflangタグの自動設定によりGoogleの各国検索結果に正しく表示。英語サイト経由のリードを海外営業チームに自動ルーティングする仕組みを構築し、海外商談が月3件→月10件に増加。
日本語・英語・中国語の3言語サイトを構築。製品カタログページと技術資料ページを優先的に翻訳し、ブログ記事は日英のみに限定するハイブリッド運用。コンテンツ管理の工数を抑えながら、海外からのリード獲得を実現。
多言語サイト機能はContent Hub Professional以上のプランで利用可能です。Starterプランでは多言語バリエーションの作成はできないため、グローバル展開を見据える場合はプランの確認が必要です。
HubSpotにはAIによる翻訳アシスト機能がありますが、ビジネス用途での翻訳品質は自社またはプロの翻訳者によるレビューが必要です。機械翻訳のまま公開すると、ブランドイメージを損なうリスクがあります。
よくある誤解として「多言語サイト=全ページ翻訳」と考えがちですが、ターゲット市場に応じて翻訳するページを選定するのが現実的です。トップページ、製品ページ、問い合わせページなど、コンバージョンに直結するページから優先的に対応しましょう。
新しい言語版のページがGoogleにインデックスされ、検索順位が安定するまでには数か月かかります。多言語SEOは中長期的な施策として位置づけ、短期的な成果を期待しすぎないことが重要です。
HubSpotの多言語サイト機能を活用すれば、1つのプラットフォーム上で複数言語のウェブサイトを構築・管理でき、CRMとの連携によって言語別のリード管理や自動ルーティングまで実現できます。
まずはメインの外国語(多くの場合は英語)のトップページと問い合わせページから始めて、段階的にコンテンツを拡充していくのが現実的です。hreflangタグの自動設定やCRM連携など、HubSpotならではの統合メリットを活かして、効率的なグローバル展開を進めましょう。
StartLinkでは、HubSpotの導入設計から運用定着まで、企業様の状況に合わせた支援を行っています。
「自社に合ったCRMの選び方がわからない」「HubSpotを導入したが活用しきれていない」——そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
HubSpotは数十言語に対応しており、主要な言語はほぼカバーされています。言語の追加数に制限はありませんが、コンテンツ管理の工数を考慮して、実際に必要な言語に絞って展開するのがおすすめです。
はい、サブディレクトリ方式やサブドメイン方式で、特定の言語版のみHubSpotで構築し、既存サイトと併存させることが可能です。ドメイン設計を事前にしっかり検討することが重要です。
一般的に、新しい言語版のページがGoogleにインデックスされてから検索順位が安定するまでに3〜6か月程度かかります。コンテンツの品質と被リンクの獲得状況によって変動します。
AIの翻訳精度は年々向上しており、ベースの翻訳としては十分活用できます。ただし、ビジネス文書やブランドメッセージの翻訳は、プロの翻訳者によるレビューを挟むことを推奨します。AIをたたき台として活用し、人間が仕上げるアプローチが効率的です。
HubSpotのCRM連携により、言語別ページからのリード獲得数、商談化率、受注金額を追跡できます。「英語サイトのリード→商談→受注」のコンバージョンファネルを構築し、サイト構築・翻訳の投資に対するROIを定量的に評価しましょう。
この記事は2025年3月時点の情報に基づいています。HubSpotの機能は定期的にアップデートされるため、最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。
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