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DXリテラシー標準(Di-Lite)とは?社内教育への活用と全社デジタル人材化の進め方

作成者: 今枝 拓海|2026/03/04 16:15:31

title: "DXリテラシー標準(Di-Lite)とは?社内教育への活用と全社デジタル人材化の進め方"

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metaDescription: "経産省・IPA策定のDXリテラシー標準(Di-Lite)の概要と、社内教育・研修への活用方法を解説。全社員のデジタルリテラシー向上に取り組む実践ステップを紹介します。"

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「DX推進にはデジタル人材が必要だ」とわかっていても、「全社員にどの程度のデジタルリテラシーを求めるべきか」という基準がなければ、教育計画を立てることすらできません。

この課題に応えるために、経済産業省とIPAが策定したのが「DXリテラシー標準(Di-Lite:Digital Literacy Standard)」です。2022年3月に公開され、すべてのビジネスパーソンがDX推進に参画するために最低限必要な知識・スキルを体系化したものです。

本記事では、Di-Liteの構造と活用方法、社内教育プログラムへの組み込み方を解説します。

DXリテラシー標準(Di-Lite)の全体像

策定の背景

IPAの「DX白書2024」によると、DX推進の最大の障壁は「DX人材の不足」(約67%の企業が回答)です。しかし、ここで言う「DX人材」はエンジニアだけではありません。DXは全社的な取り組みであり、営業・マーケ・経理・人事など、あらゆる部門の社員がデジタルの基礎知識を持つことが前提になります。

Di-Liteは、「すべてのビジネスパーソンに求められるDXリテラシー」を定義することで、全社的なデジタル人材育成の指針を提供しています。

4つの学習領域

Di-Liteは以下の4つの領域で構成されています。

領域 内容 主なトピック
1. Why DX なぜDXが必要か DXの背景・社会変化・ビジネスへの影響
2. What データ データとは何か データの種類・活用方法・データリテラシー
3. What デジタル技術 技術の基礎 AI・クラウド・IoT・セキュリティの基礎
4. How 利活用 どう活用するか データ活用の実践・ツール選定・倫理

各領域の詳細

領域1: Why DX

  • 社会の変化とDXの必要性
  • デジタル技術によるビジネスモデルの変革事例
  • DXとイノベーションの関係

領域2: What データ

  • データの種類(構造化/非構造化、定量/定性)
  • データの収集・管理・活用の基本
  • データ分析の基礎概念(統計、可視化)
  • データに基づく意思決定のプロセス

領域3: What デジタル技術

  • AI・機械学習の基礎概念(ディープラーニング、自然言語処理)
  • クラウドコンピューティングの基礎
  • IoT・5Gの基礎
  • サイバーセキュリティの基礎

領域4: How 利活用

  • デジタルツール・サービスの選定と活用
  • データ活用プロジェクトの進め方
  • AI・デジタル技術活用における倫理・法規制
  • 業務改善へのデジタル技術適用

DX推進スキル標準(DSS-P)との関係

Di-Liteは「全社員向け」の基礎リテラシーですが、DX推進の中核を担う人材には、より高度なスキルが求められます。この上位スキルを定義しているのが「DX推進スキル標準(DSS-P:Digital Skill Standard for DX Promotion)」です。

フレームワーク 対象 レベル
Di-Lite 全社員 基礎リテラシー
DSS-P DX推進人材 専門スキル

DSS-Pでは、DX推進人材を5つの類型で定義しています。

類型 役割 必要スキル
ビジネスアーキテクト DXの取り組みを推進するリーダー 戦略策定、プロジェクトマネジメント
デザイナー 顧客・ユーザー体験を設計 UXデザイン、サービスデザイン
データサイエンティスト データを分析し価値を創出 統計分析、AI/ML、ビジネス理解
ソフトウェアエンジニア デジタルサービスを構築 開発技術、アーキテクチャ設計
サイバーセキュリティ セキュリティリスクを管理 セキュリティ設計、インシデント対応

社内教育プログラムへの組み込み方

ステップ1: 現状のリテラシーレベルの把握

まず、社員のデジタルリテラシーの現状を把握します。IPAが提供する「DXリテラシー標準に準拠した自己診断ツール」や、民間のデジタルスキル診断サービスを活用できます。

ステップ2: 対象者別の教育カリキュラム設計

全社員一律のカリキュラムではなく、役職・部門に応じたレベル設計が効果的です。

対象 必須レベル 推奨学習内容
経営層 Why DX + How利活用 DX戦略の理解、投資判断に必要な技術知識
管理職 4領域すべての基礎 部門DXの推進方法、データ活用の実践
一般社員(事務系) Why DX + What データ 業務データの活用、ノーコードツールの操作
一般社員(技術系) 4領域すべて + DSS-P 専門技術スキルの深化

ステップ3: 学習コンテンツの選定

学習方法 コスト 特徴 推奨ツール例
eラーニング 自分のペースで学習可能 Udemy Business、Schoo
社内研修 自社の事例に即した内容にカスタマイズ可能 社内講師 + 外部講師
ハンズオン 中〜高 実際のデータ・ツールを使った実践学習 BIツール、CRM操作研修
外部資格 低〜中 客観的なスキル証明 ITパスポート、G検定

ステップ4: 効果測定とPDCA

教育プログラムの効果は、以下の指標で測定します。

  • スキルスコアの変化: 研修前後でのリテラシー診断スコアの比較
  • 業務への適用度: 学んだスキルが業務改善に活用されたか
  • デジタルツール利用率: CRMやBIツールの利用率の変化(関連記事: CRM導入の進め方完全ガイド

DX人材育成の先進事例

日立製作所のDX人材育成

日立製作所は「全社員DX人材化」を掲げ、約16万人の社員を対象にDXリテラシー教育を実施しています。基礎リテラシー(Di-Lite相当)のeラーニングを全社員必修とし、さらに高度人材にはDSSP準拠の専門研修を提供しています。

ダイキン工業のDX人材育成

ダイキン工業は大阪大学と連携し、社内にAI・IoTの人材育成組織「ダイキン情報技術大学」を設立。2年間のプログラムで、事業部門の社員をデータサイエンティストに育成しています。2023年時点で約1,500名が修了し、各事業部門でDX推進の中核を担っています。

全社デジタル人材化のロードマップ

フェーズ 期間 目標 施策
Phase 1 0〜6ヶ月 現状把握と方針策定 リテラシー診断、教育計画策定
Phase 2 6〜12ヶ月 全社員基礎教育 Di-Lite準拠のeラーニング必修化
Phase 3 1〜2年 実践力強化 ハンズオン研修、OJT、資格取得支援
Phase 4 2年〜 高度人材育成 DSS-P準拠の専門教育、外部連携

DXリテラシー標準(Di-Lite)は、全社員のデジタル教育を体系的に進めるための「共通言語」です。教育投資はDX推進の基盤であり、ツール導入と同じかそれ以上に重要な投資です(関連記事: CRM導入で失敗しない経営判断)。