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クラウド移行の戦略と進め方|オンプレミスからの移行計画を成功させるポイント

作成者: 今枝 拓海|2026/03/04 16:16:56

title: "クラウド移行の戦略と進め方|オンプレミスからの移行計画を成功させるポイント"

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metaDescription: "オンプレミスからクラウドへの移行戦略を解説。移行パターン(7R)、クラウド選定、コスト試算、セキュリティ対策まで、クラウド移行プロジェクトの進め方をまとめます。"

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keywords: ["クラウド移行", "オンプレミス", "クラウドマイグレーション", "IaaS", "クラウドファースト"]

category: "BC_data-legacy"

総務省の「情報通信白書」によると、日本企業のクラウド利用率は2024年時点で約77%に達しています。しかし、「全面的にクラウドを活用している」企業はまだ約30%にとどまり、多くの企業がオンプレミスとクラウドの混在環境で運用しています。

クラウド移行は「オンプレミスのサーバーをクラウドに移す」だけの作業ではありません。移行戦略の選択を誤ると、コスト増大やパフォーマンス低下を招きます。本記事では、クラウド移行の戦略パターン、計画の立て方、成功のポイントを解説します。

クラウド移行の動機

移行の主な理由

動機 内容 割合(複数回答)
コスト最適化 ハードウェア投資の削減、従量課金への移行 約60%
スケーラビリティ 需要に応じたリソースの柔軟な増減 約55%
セキュリティ強化 クラウドベンダーの高度なセキュリティ基盤 約40%
BCP(事業継続) 災害対策、冗長化 約35%
DX推進の基盤 SaaS/PaaS活用、API連携の容易さ 約45%
EOL対応 オンプレサーバー/OSのサポート終了 約30%

クラウド移行の7つのパターン(7R)

AWSが提唱する移行パターンは、システムごとに最適な移行方法を選択するフレームワークです。

パターン 内容 コスト リスク 所要時間
Rehost そのままクラウドに移行(リフト&シフト)
Relocate VMwareなどの仮想基盤ごとクラウドに移行
Replatform 一部変更してクラウド最適化 低〜中
Refactor クラウドネイティブに再設計 中〜高
Repurchase SaaSに置き換え
Retain 現時点では移行しない - - -
Retire システム自体を廃止 - - -

パターン選択の判断基準

判断基準 Rehost推奨 Repurchase推奨 Refactor推奨
移行の緊急度 高い(EOL対応等) 中程度 低い(計画的に進める余裕がある)
カスタマイズ度 高い(独自仕様が多い) 低い(標準業務) 高い(将来の拡張性重視)
SaaSの代替有無 ない ある ない
予算 限られている 中程度 十分にある

クラウド移行計画の策定

Phase 1: アセスメント(1〜2ヶ月)

やるべきこと:

  • 移行対象システムの棚卸し
  • 依存関係のマッピング(このシステムが止まるとどの業務に影響するか)
  • 各システムの移行パターン(7R)の選択
  • コスト試算(TCO比較:オンプレ維持 vs クラウド移行)

Phase 2: 設計(2〜3ヶ月)

  • クラウドアーキテクチャの設計
  • ネットワーク設計(VPN/専用線、セキュリティグループ)
  • データ移行計画(対象、方法、検証手順)
  • セキュリティ設計(IAM、暗号化、監査ログ)

Phase 3: 移行実行(3〜12ヶ月)

  • テスト環境の構築と検証
  • パイロット移行(影響の小さいシステムから)
  • 本番移行(ビジネスへの影響を最小化するスケジュール)
  • 並行運用と切り替え

Phase 4: 最適化(移行後)

  • コスト最適化(不要リソースの削除、リザーブドインスタンスの活用)
  • パフォーマンスチューニング
  • 監視・アラートの設定

クラウド移行のコスト試算

TCO比較の項目

項目 オンプレミス クラウド
ハードウェア サーバー購入費(5年償却) なし
ソフトウェアライセンス OS、ミドルウェア インスタンス費用に含む(場合による)
電力・空調 データセンターの電力費 なし
人件費(運用) 自社のインフラエンジニア マネージドサービスで削減
ネットワーク 固定回線費用 データ転送費用
災害対策 DR環境の構築・維持 マルチリージョンで対応

注意: クラウドは常にオンプレミスより安いわけではありません。常時高負荷のシステムはクラウドの方が高くなるケースがあります。ワークロードに応じた試算が必要です。

セキュリティとコンプライアンス

クラウド移行において「セキュリティが心配」は最も多い懸念ですが、主要なクラウドベンダーのセキュリティレベルは、多くの企業のオンプレミス環境より高いです。

「共有責任モデル」の理解:

  • クラウドベンダーが責任を持つ: 物理インフラ、ネットワーク、ホストOS
  • 利用企業が責任を持つ: アプリケーション、データ、アクセス制御、設定

クラウド移行は、DXを加速させるための基盤整備です。CRM、MA、会計ソフトなどのSaaS活用が進む中、インフラもクラウドに統一することで、全社的なデータ連携が容易になります(関連記事: CRM導入の進め方完全ガイド)。まずは影響の小さいシステムからクラウドに移行し、経験を積みながら段階的に拡大するアプローチが推奨されます(関連記事: CRMとERPの連携設計)。