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カスタマーサクセスとCRM|既存顧客の維持・拡大をデータドリブンで実現する方法

作成者: |2026/02/24 2:19:22

「解約の兆候に気づくのがいつも遅く、チャーンを防げない」

「カスタマーサクセス担当者ごとに顧客対応の質にバラつきがあり、属人化が進んでいる」

「既存顧客のアップセル・クロスセルの機会を体系的に把握できていない」

SaaS企業やサブスクリプションモデルの事業を展開するBtoB企業にとって、既存顧客の維持と拡大は事業成長の生命線です。新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの5〜7倍とされており、チャーン(解約)を1%改善するだけで利益に大きなインパクトをもたらします。

はじめに

カスタマーサクセス画面の例:チケット管理とフィードバック(出典:HubSpot)

カスタマーサクセス CRMとは、CRMに蓄積された顧客データ(利用状況、契約情報、問い合わせ履歴、コミュニケーション記録など)を活用して、顧客のヘルススコアを設計・モニタリングし、解約リスクの早期検知、プロアクティブな顧客支援、アップセル/クロスセル機会の特定を体系的に行うアプローチです。

日本のBtoB企業では、カスタマーサクセス(CS)部門の立ち上げは進んでいるものの、CS CRM活用の設計が不十分なまま運用されているケースが目立ちます。担当者のExcel管理に依存し、ヘルススコアの定量化、アラートの自動化、チャーン予防のワークフロー構築が遅れている企業が少なくありません。

本記事では、ヘルススコア 設計の具体的な方法(重み付け例を含む)から、チャーン防止 CRMワークフローの構築、既存顧客のエクスパンション戦略まで、データドリブンなカスタマーサクセスを実現するための実践フレームワークを解説します。

この記事でわかること

  • ヘルススコア 設計の方法:構成要素、重み付け、閾値設定の具体例
  • チャーン防止 CRMワークフローの設計パターンとアラート設定
  • CRMデータを活用したアップセル/クロスセル機会の特定方法
  • カスタマーサクセスのKPI体系とCRMでのモニタリング手法
  • CS CRM活用を段階的に導入するためのロードマップ
  • オンボーディングからリニューアルまでの顧客ライフサイクル管理

なぜカスタマーサクセスにCRMが不可欠なのか

CS部門が直面する3つの構造的課題

課題 原因 CRM活用による解決
属人化 顧客情報が担当者の頭の中やExcelに分散 全顧客の情報をCRMに一元化し、誰でもアクセス可能に
後手対応 解約の兆候を事後的にしか検知できない ヘルススコアとアラートでリスクを事前に検知
拡大機会の見逃し アップセル/クロスセルの機会を体系的に把握できない CRMデータから拡大機会を自動特定

CRMに蓄積すべきカスタマーサクセスデータ

カスタマーサクセス CRMの基盤として、以下のデータをCRMに集約します。

データカテゴリ 具体的なデータ項目 データソース
契約情報 契約金額、契約期間、更新日、プラン種別 請求/契約管理システム
利用状況 ログイン頻度、機能利用率、アクティブユーザー数 プロダクト分析ツール
サポート情報 問い合わせ件数、チケットの種類・重症度、解決時間 サポートツール
コミュニケーション メール送受信、ミーティング記録、通話ログ CRM/メールツール
顧客満足度 NPS回答、CSATスコア、フィードバック アンケートツール
購買情報 初回受注の経緯、導入目的、期待される成果 CRM/SFA(営業からの引き継ぎ情報)

営業→CSの引き継ぎ情報の重要性

CS CRM活用の成否を分ける最初のポイントは、営業チームからの引き継ぎの質です。CRMに以下の引き継ぎ情報が記録されていなければ、CSは「白紙の状態」から顧客対応を始めることになります。

引き継ぎ情報 記録すべき内容 CSでの活用
導入の背景・課題 顧客が抱えていた課題、導入の決め手 オンボーディングの優先事項設定
成功の定義 顧客が「成功」と考える状態・KPI 成果測定の基準
キーパーソン 意思決定者、日常連絡先、チャンピオン コミュニケーション設計
競合状況 比較検討した他社、未採用の理由 リスク管理
契約の背景 値引きの有無、特別条件、追加検討中の機能 更新・拡張の提案材料

ヘルススコアの設計方法

ヘルススコアとは

ヘルススコア 設計とは、顧客の「健康状態」を複数の指標から総合的にスコア化し、解約リスクの高い顧客を早期に特定するための仕組みです。人間の健康診断と同様に、単一の指標だけで判断するのではなく、複数の指標を重み付けして総合スコアを算出します。

ヘルススコアの構成要素と重み付け

以下に、BtoB SaaS企業を想定したヘルススコアの構成要素と重み付けの例を示します。

構成要素 重み 測定指標 スコア算出方法
利用頻度 40% 月間アクティブユーザー率、ログイン頻度 契約ユーザー数に対するアクティブ率が80%以上=100点、60〜79%=70点、40〜59%=40点、40%未満=10点
NPS(顧客推奨度) 20% 直近のNPSスコア 9〜10(推奨者)=100点、7〜8(中立者)=50点、0〜6(批判者)=10点
サポート問い合わせ頻度 15% 月間の問い合わせ件数と重症度 問い合わせなし or 軽微な質問のみ=100点、月3件以上の機能要望=60点、重大な不具合報告=20点
契約更新時期 15% 更新日までの残日数 更新まで6ヶ月以上=100点、3〜6ヶ月=70点、3ヶ月未満=40点、更新月=20点
拡張利用 10% 追加機能の利用開始、ユーザー数の増加 拡張傾向あり=100点、横ばい=50点、縮小傾向=10点

総合ヘルススコアの計算式:

ヘルススコア = (利用頻度スコア × 0.40)+(NPSスコア × 0.20)+(サポートスコア × 0.15)+(更新時期スコア × 0.15)+(拡張利用スコア × 0.10)

ヘルススコアの閾値とアクション設計

スコア帯 ステータス 色分け 推奨アクション
80〜100 健全 定期フォローの継続、エクスパンション機会の探索
60〜79 注意 原因分析、担当者からの能動的なコンタクト
40〜59 リスク CS責任者のエスカレーション、改善プランの提案
0〜39 危機 経営層のエグゼクティブコンタクト、緊急対応プラン

CRMでのヘルススコア実装

実装要素 CRMでの設定方法
スコア計算 カスタムプロパティ(計算フィールド)で自動算出
ダッシュボード ヘルススコア分布、リスク顧客一覧をリアルタイム表示
アラート スコアが閾値を下回った際にCS担当に自動通知
レポート 月次のスコア推移、ステータス別の顧客分布
セグメント スコア帯別のリストを自動生成(ワークフロー起動に活用)

チャーン防止のCRMワークフロー設計

チャーン予兆の検知パターン

チャーン防止 CRMワークフローの起点は、解約の兆候をいち早く検知することです。以下の予兆パターンをCRMのワークフロートリガーとして設定します。

予兆パターン 検知条件 リスクレベル ワークフローアクション
利用頻度の急低下 前月比でアクティブユーザー率が30%以上低下 CS担当に即時通知+フォロータスク作成
ネガティブなサポート体験 重大な不具合報告が3件以上/月、または解決時間が48時間超過 CS責任者にエスカレーション
NPS低下 NPSが「推奨者」から「批判者」に変化 CS担当+責任者に通知、緊急ミーティング設定
契約更新期限の接近 更新日まで90日以内 更新準備ワークフロー起動
コミュニケーションの断絶 60日以上メール/ミーティングがない CS担当にコンタクト促進タスク作成
キーパーソンの異動 CRM上の連絡先が退職/異動 新担当者の特定と関係構築タスク作成
競合の接触 顧客が競合サイトを閲覧(MA連携データ) 低〜中 CS担当に情報共有、差別化ポイントの提示準備

チャーン防止ワークフローの設計

ワークフロー1:利用頻度低下アラート

  1. トリガー:アクティブユーザー率が前月比30%以上低下
  2. アクション1:CS担当にメール/チャット通知
  3. アクション2:CRMにフォロータスク自動作成(期限:3営業日以内)
  4. アクション3:ヘルススコアのステータスを自動更新
  5. 分岐:5営業日以内にタスク完了されない場合→CS責任者にエスカレーション

ワークフロー2:契約更新90日前プロセス

  1. トリガー:契約更新日の90日前
  2. アクション1:CS担当に更新準備タスクを自動作成
  3. アクション2:顧客の利用状況サマリーを自動生成
  4. アクション3(更新60日前):更新提案書のドラフト作成リマインド
  5. アクション4(更新30日前):営業/契約担当に更新手続き開始の通知
  6. 分岐:ヘルススコアが60未満の場合→CS責任者のレビューをトリガー

ワークフロー3:NPS低下時の緊急対応

  1. トリガー:NPSスコアが7以上→6以下に変化
  2. アクション1:CS担当+責任者に即時通知
  3. アクション2:48時間以内のミーティング設定タスクを作成
  4. アクション3:過去のサポート履歴・利用状況のサマリーを自動取得
  5. アクション4:改善プランのテンプレートをCS担当に配信

チャーン発生時の分析フレームワーク

残念ながらチャーンが発生した場合、次のチャーンを防ぐために「なぜ解約に至ったか」を分析することが重要です。

分析項目 確認内容 CRMでの記録方法
解約理由 主要な解約理由(コスト、機能不足、サポート不満、事業変更等) カスタムプロパティ(選択式+自由記述)
ヘルススコア推移 解約前3〜6ヶ月のスコア変化 時系列レポートで可視化
予兆の見逃し 上記の予兆パターンに該当する兆候はあったか チェックリストで確認
対応の適切性 アラートは発動したか、対応は迅速だったか ワークフローログで確認
改善アクション 次回同様のケースで取るべきアクション ナレッジベースに蓄積

アップセル/クロスセルの機会を特定する方法

カスタマーサクセス画面の例:チケット管理とフィードバック(出典:HubSpot)

エクスパンション機会の検知パターン

カスタマーサクセス CRMの活用は解約防止だけではありません。既存顧客の拡大(エクスパンション)機会を特定し、収益を成長させる役割も担います。

機会パターン 検知条件 CRMアクション
ユーザー数の上限接近 契約ユーザー数の90%以上がアクティブ 上位プランへのアップグレード提案
新機能への高い関心 特定の新機能ページの閲覧回数が多い 機能紹介資料の配信+デモ案内
利用の拡大傾向 新しい部門・チームでの利用開始 全社展開の提案
高いNPS NPSスコア9〜10の推奨者 紹介プログラムの案内、事例取材の依頼
成功事例の蓄積 導入目的のKPIが達成されている 追加ソリューションの提案
契約更新のタイミング 更新日の90日前 かつ ヘルススコア80以上 アップセルを含む更新提案

エクスパンションプレイブック

段階 アクション 担当 CRMでの管理
1. 機会特定 CRMデータから拡大機会を自動検知 CS(システム自動) ワークフローでリスト化
2. ニーズ確認 顧客との定期ミーティングで追加ニーズをヒアリング CS担当 ミーティングメモをCRMに記録
3. 提案準備 利用状況データに基づいた提案書を作成 CS+営業 CRM上で取引を新規作成
4. 提案実施 アップセル/クロスセルの提案 営業(CSのサポート付き) 取引のステージ管理
5. クロージング 契約締結 営業 取引のクローズ
6. オンボーディング 追加機能・サービスの導入支援 CS オンボーディングタスクの起動

顧客ライフサイクルの管理

ライフサイクルステージとCRMアクション

ライフサイクルステージ 期間目安 CS の主要タスク CRMでの管理
オンボーディング 契約後1〜3ヶ月 初期設定支援、トレーニング、成功基準の合意 オンボーディングチェックリスト(タスク管理)
活用促進 3〜6ヶ月 機能活用の深化、追加ユーザーの展開支援 利用状況モニタリング、活用レポート配信
定着化 6〜12ヶ月 成果の可視化、ベストプラクティスの共有 QBRの実施記録、成果レポートの作成
更新・拡大 更新90日前〜 更新提案、アップセル/クロスセルの提案 更新ワークフロー、取引管理
アドボカシー 定着後随時 事例取材、紹介プログラム、コミュニティ参加 アドボカシー活動の記録

QBR(Quarterly Business Review)の設計

ヘルススコアが「健全」以上の主要顧客に対して、四半期ごとのビジネスレビューを実施します。

QBR構成要素 内容 CRMデータの活用
期間の成果振り返り 導入目的に対する進捗の確認 利用状況データ、KPI達成度
課題の共有 顧客が感じている課題・要望のヒアリング サポート履歴、フィードバック記録
ベストプラクティス紹介 他社の成功事例、新機能の活用方法 ナレッジベース
次四半期の計画 共同で取り組むアクションプランの策定 CRMにアクションプランをタスク化
エクスパンションの検討 追加機能・追加ユーザーのニーズ確認 取引として記録(パイプライン管理)

カスタマーサクセスのKPI体系

CS KPIのフレームワーク

KPI 計算式 目標値目安 測定頻度
GRR(Gross Revenue Retention) (期首MRR - 縮小 - 解約)÷ 期首MRR × 100 90%以上 月次
NRR(Net Revenue Retention) (期首MRR - 縮小 - 解約 + 拡大)÷ 期首MRR × 100 110%以上 月次
チャーン率 解約顧客数 ÷ 期首顧客数 × 100 月次1%未満 月次
NPS 推奨者% - 批判者% +30以上 四半期
オンボーディング完了率 期限内に完了した顧客数 ÷ 全新規顧客数 × 100 90%以上 月次
Time to Value(TtV) 契約から初回価値実感までの平均日数 30日以内 月次
ヘルススコア分布 各スコア帯の顧客比率 緑80%以上 月次
エクスパンション率 エクスパンション収益 ÷ 期首MRR × 100 月次2%以上 月次

CRMダッシュボードの設計

CS責任者が日常的にモニタリングすべきダッシュボードの構成です。

ダッシュボード要素 表示内容 更新頻度
ヘルススコア分布 緑/黄/橙/赤の顧客数と比率 リアルタイム
リスク顧客リスト スコア60未満の顧客一覧(対応状況付き) リアルタイム
更新予定一覧 今後90日以内に更新を迎える顧客リスト 日次
NRR/GRR推移 月次のNRR/GRR推移グラフ 月次
チャーン分析 解約理由の分類、解約前のスコア推移 月次
エクスパンションパイプライン アップセル/クロスセル案件の進捗 リアルタイム
オンボーディング進捗 現在オンボーディング中の顧客と完了状況 リアルタイム

CS×CRM導入のロードマップ

段階的な導入ステップ

CS CRM活用を一気に構築するのは現実的ではありません。以下のロードマップで段階的に導入します。

フェーズ 期間 取り組み内容 成果物
Phase 1:基盤整備 1〜2ヶ月 顧客データのCRM集約、引き継ぎ情報の標準化 顧客マスターの一元管理
Phase 2:ヘルススコア導入 2〜3ヶ月 ヘルススコアの設計と実装、ダッシュボード構築 スコア自動算出、リスク可視化
Phase 3:ワークフロー自動化 3〜4ヶ月 チャーン防止ワークフロー、更新管理ワークフローの構築 アラート自動化、対応の標準化
Phase 4:エクスパンション管理 4〜6ヶ月 アップセル/クロスセル機会の自動検知、プレイブック実装 エクスパンションパイプラインの可視化
Phase 5:高度化 6ヶ月以降 予測分析(チャーン予測、拡大予測)、KPIの自動集計 データドリブンなCS運営の定着

Phase 1で最初にやるべき3つのこと

  1. CRMの顧客プロパティを整備する:契約情報、更新日、CS担当者、ヘルスステータスなどのカスタムプロパティを作成する
  2. 営業→CSの引き継ぎテンプレートを標準化する:導入背景、成功基準、キーパーソン情報を必須項目として定義する
  3. 既存顧客のデータをCRMに入力する:現在ExcelやSpreadsheetで管理している顧客情報をCRMに移行する

まとめ

カスタマーサクセスとCRMの連携は、既存顧客の維持と拡大をデータドリブンで実現するための基盤です。成功のポイントを改めて整理します。

  1. ヘルススコアの設計:利用頻度(40%)、NPS(20%)、サポート問い合わせ(15%)、契約更新時期(15%)、拡張利用(10%)の重み付けで総合スコアを算出し、顧客の健康状態を定量的に把握する
  2. チャーン防止ワークフロー:利用頻度低下、NPS悪化、コミュニケーション断絶などの予兆をCRMで自動検知し、プロアクティブな対応を実現する
  3. エクスパンション機会の特定:利用拡大の兆候や高NPSなどの機会パターンをCRMで検知し、アップセル/クロスセルの提案につなげる
  4. KPIの体系的モニタリング:NRR、GRR、チャーン率、オンボーディング完了率などのKPIをCRMダッシュボードでリアルタイムに監視する
  5. 段階的な導入:基盤整備→ヘルススコア導入→ワークフロー自動化→エクスパンション管理の順に、確実にステップを踏む

チャーン防止 CRMの仕組みは、一度構築すれば解約リスクの早期検知と対応を自動化し、CS担当者がより戦略的な顧客支援に時間を使えるようになります。まずは顧客データのCRM集約とヘルススコアの設計から着手してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. ヘルススコアの重み付けはどのように決めればよいですか?

A. 本記事で紹介した重み付け(利用頻度40%、NPS20%、サポート問い合わせ15%、契約更新時期15%、拡張利用10%)は一般的なBtoB SaaS企業を想定した例です。自社に適した重み付けを決めるには、過去の解約顧客データを分析し、「解約前にどの指標が最も変動していたか」を確認しましょう。解約との相関が高い指標ほど重みを大きくするのが原則です。最初は仮説ベースで設定し、四半期ごとに実績データで検証・調整することを推奨します。

Q. カスタマーサクセスの専任チームがいない場合でも、CRM活用は可能ですか?

A. 可能です。専任のCS部門がない場合でも、既存の営業担当者やサポート担当者がCSの役割を兼務する形でCRM活用を始められます。まず取り組むべきは、契約更新日の管理と更新90日前のアラート設定です。これだけでも「更新を忘れて自動解約されてしまう」というリスクを防げます。その上で、ヘルススコアの簡易版(利用頻度+NPS の2指標)を導入し、段階的にCS機能を強化していきましょう。

Q. ヘルススコアの算出に必要なデータ(利用状況など)をCRMに取り込むにはどうすればよいですか?

A. プロダクトの利用状況データをCRMに取り込む方法は3つあります。第一に、プロダクト分析ツールとCRMのネイティブ連携を利用する方法。第二に、APIやiPaaS(Zapier、Makeなど)を使って自動同期する方法。第三に、定期的なCSVインポートで手動連携する方法です。まずは月次のCSVインポートから始め、データの有用性が確認できたら自動連携に移行するのが現実的です。

Q. NRR(Net Revenue Retention)の目標値はどのくらいに設定すべきですか?

A. BtoB SaaS企業の場合、NRR 110%以上が健全な水準とされています。NRR 100%以下は既存顧客からの収益が縮小していることを意味し、新規獲得に依存する不安定な成長構造です。NRR 120%以上を達成している企業は、新規獲得がゼロでも既存顧客からの収益だけで年間20%成長できることを意味し、非常に強固な事業基盤を持っていると言えます。

Q. チャーンが発生した顧客を再度獲得(Win-back)することは可能ですか?

A. 可能です。解約後も顧客データをCRMに保持し、一定期間後(3〜6ヶ月後)にWin-backキャンペーンを実施する企業は増えています。ポイントは、解約理由に応じたアプローチを設計することです。「機能不足」が理由であれば新機能リリースのタイミングで連絡し、「コスト」が理由であれば新プランの案内を行います。CRMに解約理由を正確に記録しておくことが、Win-backの成否を分けます。

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